広島県の呉港近くに突如として現れる巨大な潜水艦! モニュメントではなく実際にさまざまな任務を遂行していた潜水艦「あきしお」でその形から「てつのくじら」と呼ばれています。今回はベールに包まれた潜水艦の内部が見られる海上自衛隊呉史料館「てつのくじら」館のご紹介です。
展示用潜水艦「あきしお」とは?

本来潜水艦は静かに深い海の底で隠密に活動しているためなかなか目にすることは少なく全容を見ることもないかと思います。てつのくじら館では実際に平成16年まで活躍していた潜水艦「あきしお」を国内最大のクレーン船で陸揚げし展示しています。展示は海上自衛隊の活動を紹介する史料館と潜水艦「あきしお」内部の2つの部分に分かれています。

長さ約76m、幅、深さが約10mの大きさの潜水艦「あきしお」が実際目の前に現れるとその迫力に圧倒されます。しかし、実際内部に入ると窓もない閉ざされた空間となりここで75名の隊員が任務を遂行していたと思うとその過酷な状況も実感できます。こちらは2段ベッドならぬ3段ベッド。(潜水艦あきしお内部)

こちらは史料館に展示されているベッドで実際に寝てみることもできます。
その狭さに驚きます。

食事を摂ったり休憩できる団欒のスペース
(潜水艦あきしお内部)

潜水艦の内部は狭く場所の有効活用のため食材はベンチ椅子の中。
(史料館)

唯一の楽しみである1日3回の食事。意外と食材も豊富で栄養バランスがしっかりしているように思います。(史料館)

個室タイプの艦長室。(潜水艦あきしお内部)

操縦席。実際に座ることができます。(潜水艦あきしお内部)

こちらは外の様子を見る望遠鏡。史料館と潜水艦あきしお内部の両方に展示がしてあり実際に覗くと呉港に停泊している船が見えます。

潜水艦の上につけられた望遠鏡。こことつながっているのですね!

潜水艦あきしおの後方部。スクリューは大きな音が出ない様な仕組みになっているとか。
史料館では掃海艇の活躍も紹介

史料館では海上自衛隊の様々な活動がわかりやすく展示されています。その中に一つが「掃海」。戦後、海に設置された機雷や爆発物を取り除き、船舶の安全な航行を確保するために現在に至るまで続けられている大事な任務となります。瀬戸内海だけでも約7000個にも及ぶ機雷があるとか。掃海船「ははじま」の甲板が再現されています。

船舶の接触や磁気、音響などに反応して爆発し沈没させる機雷には作動方式による触発機雷や感応機雷など様々なものがあります。このような機雷を除去し、ふだん何気なく航行している海の安全をこのように守ってくれているのですね。
ここでしか買えないお土産を!

最後のお楽しみはやはりお土産。ステッカーやピンバッジ、Tシャツ、カバン、帽子など海上自衛隊に関するグッズが豊富に揃っています。

カフェも併設されていますのでここでしか食べられないあきしおカレーを食べるのも旅の思い出になりますね。
知られざる海上自衛隊の活動を知り日本の安全について楽しく学ぶことができます。無料の施設なのでご家族で訪れてみてはいかがでしょうか!
●海上自衛隊呉史料館:てつのくじら館
広島県呉市宝町5番32号