2011年にはソフトバンクのCMにも採用されていた特別史跡、一乗谷朝倉氏遺跡!
調べれば調べるほど楽しさが広がる福井市街の東南数10㎞に位置する戦国時代の城下町跡ですが、実は400年以上もの間、埋もれて残されていたのです! そんな遺跡の散策は、暖かくなってくるこれからの時期にオススメ。その魅力をご紹介します。
見どころはどこ?
遺跡は谷あい地形の、山に囲まれたところいあります。敷地は広大で、新緑が素晴らしいです。山頂まで登るのか、遺構をどの位見て回るのかにより所要時間は大幅に変わりますが、ざっと見て歩くだけでも1時間、ゆっくりと武家屋敷や資料館まで見るのであれば2時間程度でしょうか。
長いこと地面に埋もれていた遺跡ということで、一乗谷は古代都市ポンペイのようだともよく言われます。筆者はポンペイに行ったことがないので比較できませんが、日本の良さは確実にあります。自然の美しさを、美しいと感じられる人にはオススメしたい場所です。海外に行かずとも、近場で歴史を感じることができる場所です。
さて、一乗谷朝倉氏遺跡は山城部分と城下町部分の2つに大きく分けられますが、山城部分では一の丸・二の丸・三の丸・千畳敷・堀切などが、城下町部分では唐門・湯殿跡庭園・城戸跡などが見どころになっています。
一乗谷朝倉氏遺跡と言えば、こちらの唐門。江戸時代中頃に建て替えられたというこの唐門は、義景館跡の正面にあります。桜の季節には、写真を撮る人で列ができることも。
記念写真はもちろんですが、門内の上部を見るのをお忘れなく。朝倉家の「三ツ木瓜」の紋と豊臣家の「五三の桐」が刻まれています。
発掘した跡は、建物の柱の位置など平面で表示しています。当時の部屋の間取りが見て取れます。この場所にはこんな部屋があったのか!と想像しながら歩くと楽しいです。
五代義景公墓所からは通行不能になってしまっているため、庭園を見ながら降りてルートを変更し登って行くことになります!
復元された街並み
発掘調査に基づいて復元され武家屋敷や町屋は戦国城下町を彷彿させます。1軒だけではなく並んでおり、当時の生活様式を身近に感じることができます。武家屋敷は夕方には閉まってしまうので、早めの訪問を。
一乗谷の歴史をざっとおさらい
一乗谷朝倉氏遺跡資料館へ。入館料100円……。安すぎます。
常設展示では、織田信長に滅ぼされるまで100年に渡り居城していた朝倉氏の戦いから日常生活まで、テーマごとに分けられわかりやすく展示されています。内容は、一乗谷から出土した「陶磁器類」、「石製品」、「木製品」、「金属製品」などの出土遺物や一乗谷の地形模型、朝倉義景館復元模型などが中心となっています。
地形模型は立派に再現されていて、実際に歩いてから探索したルートを辿っても感心しますし、行く前に見ても視覚的に地形を理解できると思います。現在でも馴染みのある茶碗類・調理器具、さらには化粧用具やかんざしなどの実物が多数展示されていて、実際の出土品を身近に感じることができます。
2017年4月29日(土)~2017年7月11日(火)には、第1回特別公開展が開催されることが決定しています。先ほどご紹介した「復原町並」の大規模武家屋敷跡と町屋跡からの発掘出土品(国指定重要文化財)が公開される予定です。
記念スタンプが押せるようになっていたので、押してみました。1箇所で全て押せます。諏訪館跡庭園・家紋・出土 将棋駒・獅子図・山城の石製鬼板の5つのスタンプでした。裏面は地図になっているので記念になります。
アクセス
JR福井駅からのアクセスは主にバスですが、平日3往復、土日祝は6往復と本数が限られています。朝倉ゆめまる号という無料シャトルが運行されている期間はそちらもぜひご利用下さい。なお、遺跡には無料の駐車場があるので車もおすすめです。
また、山間ですが、売店やレストラン、お土産など一通りは揃っています。