美大生きたこです。今回、念願のアイスランドでアート巡りをしてきました!! アイスランドのアートと言ってもピンとこない方が多いかと思いますが、実際に訪れてみると至るところで素敵なアートとの出会いがありました。この記事を通じて少しでも魅力が伝わればうれしく思います。
美術館巡りのきっかけ
アイスランドに到着して最初に出会った絵がこちら。ホテルのレストランに5点ほど飾られていました。
遠くで見ると岩の表面のような、宇宙のようなミクロともマクロともつかない模様に見えるのですが、近づくとお花のようです。この絵を気に入って、他にもアイスランドのアートに触れたい!と思い、首都レイキャビクの美術館巡りを敢行しました。
彫刻作品がすぐそばに
美術館巡りの前に、まず街中のアート散策をすることに。観光名所やレイキャビク市内のいたるところで、面白い彫刻作品が見られるのです。
ペルトランという熱湯貯蔵ステーションの前で、何やら盛り上がる人々の像。顔はくり抜かれたような表現をされていて表情を読むことはできません。想像を掻き立てられます。何があったのかな?
ガイドブックにも載っている、サラリーマン風の男性の上半身が岩になっている像。さりげなくあるのでぎょっとします。
こちらの写真には2つの像が写っています。手前の向き合う人の像と、奥に小さく見える銅像。手前はアーティストの作品で、奥はハネス・ハフステインというアイスランド統治の全権を任された偉人を讃える銅像。
すぐ近くのおみやげ屋さんのお姉さんに「どうしてこの辺りにはこんなに彫刻が多いの?」と聞いたところ、
「偉い人の像もあるし、この辺では有名なアイスランドのアーティストの彫刻作品もありますよ。名前はわからないけどね」
名前はわからないけど、有名なんですね。わかります。
ちょうど近くにEinar Jónssonという彫刻家の美術館があり、お庭はタダで入れたので中を通って行きました。このショット、かっこいいですよね……! 先ほど紹介したハネス・ハフステインの像を作ったのはこの彫刻家でした。
地図を見て歩いて行こう
とりあえずアイスランド国立美術館とレイキャビク美術館の2つに照準を定め、出発です。地図を見て驚いたことに、レイキャビクには美術館が結構あるんです! 地図上の青っぽい数字は美術館と博物館の場所を示しています。
アイスランド国立美術館
学割で安く入れました。受付の女性に学校名を告げると「Oh、Tokyo.」(うんうんと頷く)
これはお昼ご飯を食べた、美術館近くのレストランの写真です。正面に見える絵とよく似た作品群があったので、同じ人の作品かどうか係りの方に尋ねたのですが、わからないとのこと。美術館にあったのは、Valtýr Péturssonという画家の作品で、多くが抽象画でした。
レイキャビク美術館
すごい建物ですね……!! べろんとめくれた壁…… !前衛的!
市内に全部で3つの分館があり、現代美術館、絵画館、彫刻館といった感じでしょうか。チケット1枚で3館入場できるなんて、多少歩いてでもハシゴしない理由がありません!
Hafnarhús レイキャビク美術館 現代芸術館
エッロウというアイスランドのポップアートの牽引者が目玉のようです。
この絵画は第2次世界大戦で日本に落とされた原爆の衝撃から描かれたそう。日本から遠いアイスランドの画家にも届いていたんだと考えると、離れた場所でも同じ地球上で同じ時代を過ごしているんだなと感じました。ここで日本の名を見るとは思わなかった。
続いての部屋はこんな入り口。おや、なんだかキラキラしてて可愛い……大好物の予感……!
ほらっ! やっぱり可愛い! わかりますか? 写真の右下、柱と壁の間に渡してある赤い物、三角コーンですよ!
この部屋の展示はインスタレーションというジャンルですね。1つ1つの物体よりも、空間を作る・見せるという意図の作品です。距離感とか、空気感は重要な要素ですが写真では伝えきれないのが残念です……! 白い光の中に鮮やかな色彩が散りばめられていて、目に心地よいです。
時々クスッと笑えてしまう。キャベツとマシュマロって、なんでこうなった……! 他にも無造作に壁に貼られたスーパーの袋や唐突なニコちゃんマークなどにも楽しませてもらい、ずっと見ていたい展示でした。
Kjarvalsstaðir レイキャビク美術館絵画館
Jóhannes S. Kjarvalというアイスランドの国民的画家の名にちなんで名付けられた美術館。彼の作品のコレクションが展示されており、個人的にかなり好きで、歩いてきた甲斐がありました……!
祖国アイスランドの原風景を生き生きと描いていて素敵でした。滝など大自然の観光スポットでもコケや岩肌を観察してしまう私は「同じように見ている人がいた!!」とシンパシーを感じて嬉しくなりました!
レイキャビク美術館3館達成ならず
美術館の中でもくまなく歩くのでさすがに歩き疲れました……! レイキャビク美術館のもう1つの分館は市街地からちょっと遠く、諦めました……。
リベンジを誓いつつ、満たされた気持ちでホテルへと帰るのでした。