龍マニアだけではなく、恋する女性も見逃せない関東屈指のパワースポットが箱根神社と九頭龍神社! 芦ノ湖に棲み人々を苦しめていた毒龍が、恋愛成就の龍に変わったという龍神伝説のある九頭龍神社。
ジブリマニアでもあるスピリチュアルライターが、ヒーリング効果を感じながら、ジブリアニメに共通する世界観で紹介します。
ジブリマニアが注目する龍の存在
神社を参拝するうえでは、目的を果たすためだけに拝殿や本殿を参拝すれば良いと言うものではありません。重要なのが、アプローチだとも言われています。
しかし、バスやクルマで神社の駐車場を経由して、最短距離で本殿に向かうケースが多くなり、芦ノ湖畔沿いの離れた場所にある鳥居を通らずに参拝している方も増えているようです。
しばしば龍が登場するジブリアニメと、深い山々に囲まれた環境から「神々が棲む」と言い伝えられている箱根は、無関係とは思えません。芦ノ湖を進む海賊船は一見違和感がありますが、ジブリの世界観で妄想していると不思議ではなくなるんです。
芦ノ湖畔を吹き抜ける風が山々のマイナスイオンを運んでくれているのに、サイクリングしている人をほとんど見かけません。さすがに箱根の山を自転車で越えるほどの体力は無いので、クルマにチャリンコを積んで出発します。
芦ノ湖畔は有料駐車場ばかりですが、数少ない無料駐車場でチャリンコをおろします。龍の棲みかだった芦ノ湖畔で妄想しながら、対岸に見える箱根神社にある平和の鳥居まで、第一鳥居から順番に巡るちょっと変わったアプローチをしてみようと思います。
賑やかな第一鳥居から
第一鳥居の近くに元箱根港があり、有料駐車場や観光バスも多く、道路は渋滞気味になります。平日歩いている人の半数は中国や東南アジアからの観光客のようです。海賊船乗り場はあっという間に長蛇の列。
現在の日本人は、芦ノ湖を進む海賊船を見ても当たり前のように思っていることでしょう。でも、よく考えてみてください……海賊船は海を進む船ですよね。外国の人から見ると、当然ギャップを感じてしまう光景なんです。
マニアックなジブリ観で言うならば、深い山々に囲まれた芦ノ湖も、「太古の昔は海だった」と言えてしまうんですけどね。
国道一号線近くに第二鳥居
いろんな妄想をしながら国道一号線に出て第一鳥居を抜けます。鳥居越しに見える山は、箱根駒ヶ岳です。ロープウエイで行ける山頂には箱根神社本宮があるので、時間があれば参拝したいと思います。
第一鳥居からそのまま国道一号線を進んでも良いのですが、せっかくなので湖畔沿いの遊歩道へ戻ります。先ほどの海賊船と違い、洋風で真っ白な遊覧船のほうが、リゾートっぽく景色に馴染んでいるように思えるのが不思議です。秋風を感じながら進むと、白い遊覧船乗り場に辿り着きます。
白い遊覧船乗り場の近くに、「元箱根園地」の案内板があります。案内板から国道一号線へ向かったところに、第二鳥居があります。
鳥居のそばには、箱根神社の「第二鳥居駐車場A」という無料駐車場があります。有料駐車場ばかりの芦ノ湖畔では、穴場の無料駐車場です。
箱根神社の境内入り口にある第三鳥居
通り沿いの旅館を右に見ながら200mほど進むと、第三鳥居が見えてきます。チャリンコを担ぎながら階段を上がり……
鳥居の手前から、チャリンコは押して歩きます。
第三鳥居から緩い上り坂を進んで、第六天神社の辺りから振り返ってみると、何だか妙な光景を目にすることができます。あたかも下り坂を進んできたかのような光景に見えます。「錯覚を起こすスポット」を見つけてしまいました。
「旧東海道の杉並木」に引けを取らないほどの大きな杉並木の参道は、「旧東海道の杉並木」には無い赤灯籠もあり、荘厳な雰囲気を感じさせる美しい景色です。
手水舎(ちょうずや)は、龍のあるスポットの1つなので参拝客でいっぱいです。
参拝客が多い神社では、ご朱印を先に頂いたほうが無難だと思います。お札所(南)に箱根神社オリジナルのご朱印帳があったので、手に入れることにします。案の定、ご朱印ブームも相まって、出来上がりまで1時間待ち。先にご朱印の申し込みをしておけば、ゆっくり参拝することができます。
ご朱印を申し込んでいる間に、手水舎の人だかりが無くなりました……ラッキー!
手水舎では、龍神様の口から水が出ている場合が多いかと思いますが、なぜ龍神様なのか……ご存知ですか? 龍神様は、雨や雲を司る水の神様なので、生きていくための水は「命の源」と言えます。
したがって、龍神様から出るお水はご神水であり、手や口から自身を清めて清々しい気持ちで参拝するという意味があります。
ヒーリング効果と謎の多い箱根神社はジブリ世界観に共通
凛とした魅力のある優しい第四鳥居からは、更に立派な杉並木が正参道の両側にあります。荘厳さだけではなく優しさを感じる参道の1つに感じられます。
参道の先には、90段の階段があります。ほどよい歩幅で上れるので、疲れを感じさせません。
いろいろな神社仏閣を巡ってみて、2種類あると考えています。厳しく強い気持ちが無いと入れない場所と、優しく包み込むように受け入れてくれる場所です。優しい雰囲気のある場所は、恋愛成就のご利益があることが多いです。箱根神社は、女性の心を掴んで離さない世界があり、ジブリの世界観に共通する魅力があります。
朱塗りの門は「神門」と呼ばれているもので、本殿を囲むように回廊になっています。さて、ここで気がつく人は通かもしれません……、第五鳥居を紹介しないの?と思われたのではないでしょうか……。
半数の参拝者が見逃している第五鳥居
階段を上がる足元ばかり見ていたり、朱塗りの門が目に止まってしまいそばにある第五鳥居を見逃してしまう方が多いでしょう。そんな人たちにとって、ある意味で幻の第五鳥居と言っても過言ではないのかもしれませんね。
更に不思議なことに、正参道階段の延長上と本殿入口の位置が、少しだけ歪んでいることに気がついきました。なぜなのか? あれこれ妄想した結果、あえて直線にしない理由として、「龍の動きかた」に関係しているかもしれないと感じているのは、考えすぎでしょうか……。
国際色豊かな箱根神社の境内
▲箱根神社本殿
箱根神社の祖である万巻上人が、荒れ狂う龍を鎮めたとされています。もともと、たくさんの武将が訪れていた箱根神社は、「心願成就、勝負の神」として名を馳せていました。関東総鎮守(箱根権現)と崇敬されて、東海道中の無事を祈願していたようです。
芦ノ湖畔では、ほとんど見かけなかった欧米からの観光客が、箱根神社にはたくさんいます。国際色豊かで、改めて箱根神社の名高さを感じる光景です。
龍マニアだけではなく、恋する女性も歓喜する九頭龍神社の龍神水
龍神様のご利益は、「縁結び」で注目を浴びるようになりました。水の神様として、縁結び以外にも開運・金運もご利益があると言われています。
龍だらけの龍神水の周りは、女性を多く見かけました。
九頭龍神社新宮の鳥居の前に、9つの龍神様の口から出る龍神水はあります。「縁むすび」のアイテムとされているため、女性の姿が絶えることがありません。
社の前には、新たに参拝スペースに屋根がかけられたので、雨の日でもゆっくりお願いすることができますね。
九頭龍神社本宮は、箱根神社から約4km離れた伝説が残る森の中の小さな社です。クルマでは直接行けない場所のため、徒歩や自転車で参拝するしかありません。もっと気軽に参拝してほしいということで、箱根神社本殿のすぐ横に「九頭龍神社新宮」が設けられました。
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
境内に隠された龍探し
本殿前の境内にも案内表示が無いため、知らなければ立ち入ることの無い脇参道です。
正参道では90段の階段になっている斜面が、脇参道では九十九折(つづらおり)の坂道になっています。龍が空に駆け上る姿を想像してみてください……龍がカラダをくねらせていませんか?
この参道こそ龍を模していて、箱根神社全体に隠された龍の姿だと、マニアックなジブリ脳が直感しています。気づいている人は少ないようです。
1時間30分ゆっくり参拝できたおかげで、スムーズにご朱印を受け取ることができました。箱根神社と九頭龍神社のご朱印を一緒に頂けたうえに、ご朱印帳を合わせても1,600円なので、お得感がありますね。
絶景スポットの「平和の鳥居」
第四鳥居から本殿へ延びる正参道を逆に進み、芦ノ湖畔へ向かいます。
箱根神社の神様「箱根大神」様は、芦ノ湖で荒れ狂う毒龍を鎮めて以来、龍神となった「九頭龍大神」様が芦ノ湖の神様となりました。まるで、芦ノ湖湖底から延びているかのような参道と、広島県厳島神社でも見られる両部鳥居の形が印象的です。今や、絶景スポットとして人気を博している場所になっています。
恋愛成就には箱根神社と九頭龍神社の両社参りが効果的
箱根神社から、縁結びの神様としても名高い九頭龍神社本宮までは、芦ノ湖畔沿いの道で向かうことにします。
箱根神社から箱根園まで歩いて約30分、更に箱根園から奥まった木々に囲まれた森の中にある「九頭龍神社本宮」まで約30分かかります。距離はさほどではないものの、思っているよりもアップダウンの続くルートなります。
箱根神社と九頭龍神社は切っても切れない関係です。箱根の山に鎮まる「箱根大神」と水の力を司る九頭龍様の、簡単では無い両社参りをすることで神様からの「縁むすび」のご利益が力強くなると言われていることに納得せざるを得ません。
アララ……台風の影響か? 龍が出来きてもおかしくない空模様になってきました。最近こんなパターンが多いような気が……強い雨が降り出しました。いくら龍マニアとはいえ、こんな天気は願い下げです。社務所か手水舎で雨宿りさせてもらいましょう。
1時間ほど雨宿りしているうちに、辺りが薄暗くなってきました。雨宿りとはいえ、強い風も吹きはじめてビショビショです。これから向かう九頭龍神社本宮は、もののけがいそうな深い森の中にあり、更に暗い状況で進むことになります。
こんな気ままな旅では、早めの状況判断が不可欠です。今回はご縁が無かったということで、九頭龍神社本宮と箱根神社本宮への参拝は次回の楽しみにしておきましょう。箱根神社と芦ノ湖周辺で新しい発見ができたことは、違う旅の始まりでもあります。