2016年はお金を使い過ぎたので、金運アップのご利益を受けるために、秩父の寺社仏閣ハジゴ旅に出かけました。ところが何と、ジブリマニアにとって予想外の旅になり、金運アップの旅なのか?「もののけ姫」のネタ元探しなのか?わからなくなった、金運上昇ハシゴ旅をご紹介します。
いきなり旅の目的を見失った!宝登山神社(ほどさんじんじゃ)からはじまる金運ハシゴ巡礼とジブリファンの妄想
JR長瀞駅前から真っ直ぐ進んで、R140に出た交差点に、白い一の鳥居があります。そのまま緩やかな坂を突き当りまで進んだ場所に、宝登山神社参拝者用の広い駐車場があります。
三峯神社・秩父神社とともに、秩父三社のひとつに数えられる、宝登山神社の白い二の鳥居です。白い鳥居と言えば、秩父の三峯神社が有名ですが、秩父三社という以外に、何か深い関係があるのでしょうか?
年間100万人以上が訪れる、宝登山神社の鳥居には、これまで観たことが無いほど、綺麗な扁額(へんがく)が掲げられています。
「宝の山を登る」という縁起の良い名前に魅力を感じて、金運アップのご利益を受けるために選びました。
ミシュランの1つ星に選ばれた宝登山神社の拝殿
拝殿の軒下や柱を中心に、繊細で綺麗な龍の彫刻が施されています。
宝という字のつく寺院に相応しい彫刻のある宝登山神社は、
拝殿の奥にある本殿の下部や、
脇障子にも彫刻が施されていて、ミシュランに選ばれて当然のように思えます。
拝殿の周りの見どころをピックアップ
余談ですが、拝殿の左右にある天水桶は、1964年の東京オリンピックの聖火台のモデルになったと言われているモノです。
拝殿の左側に祀られている「大黒天」様で、金運上昇をさらにアップさせましょう。
本殿裏には、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全の福徳のある「宝玉稲荷神社」があります。実は、知る人ぞ知る「紛失物がある時にお参りすると、失ったモノが戻る」ご利益があると言われています。私がお参りした理由は、金運に関係あるかどうか? 内緒ですよ。
拝殿参拝後には、ご神木に立ち寄り「良い気」を授かるようにしましょう。拝殿・本殿の周りには、「日本武尊社・みぞぎの泉」のほかに、御神水の流れ出る場所など、見どころがたくさんあります。
金運アップの目的を見失うことになった、宝登山神社の由来についてご紹介しながら、奥院へ向かいます。
「もののけ姫」の参考になったのかもしれない宝登山神社の由来
▲二の鳥居のそばにある、宝登山ロープウェイまでの近道
奥院までは、登山道を歩いて登ると約1時間、ロープウェイなら乗って5分+歩いて10分で移動できます。迷わず、5分ほどの上り坂を経て、ロープウェイ乗り場へ向かいます。
▲宝登山ロープウェイ宝登山麓駅
日本全国に巨人・ダイダラボッチの伝説が残されています。宝登山は標高497mの「宝の山」と呼ばれていますが、伝説の巨人・ダイダラボッチが担いできたという伝説があります。埼玉県在住の宮崎駿監督が、「もののけ姫」のストーリーの参考にしたのではないかと、考えても不自然ではありません。
▲ばんび号に乗車
天皇に命じられて、西日本にいた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が、東方十二道(後の東海から関東の12地方)神々や賊の平定(秩序の回復)する際に、宝登山の麓(ふもと)を訪れました。
宝登山の頂上を目指すために登り始めたところ、山火事に見舞われて、進むことも戻ることもできない状況に陥りました。そんな時、どこからともなく巨大な山犬たちが現れ、猛火の中に飛び込んでいきます。猛火の勢いは凄まじく、火を消し止めようと必死に身を挺して動き回ります。
巨大な山犬たちのおかげで山火事は消えて、日本武尊は巨大な犬たちに感謝していると、宝登山頂上へ案内するように歩き出します。無事に日本武尊が頂上に到着すると、いつの間にか巨大な犬たちの姿が消えていました。
▲宝登山ロープウェイ宝登山頂駅
日本武尊は、「巨大な山犬たちは、山の神様の使い」ではないかと考えて、神々をお祀りするに相応しい山として、名前の無い山に「火止山(ホドヤマ)」と名づけたのが、宝登山の始まりと言われています。
▲宝登山神社奥院へ続く約100段の階段
その後、光輝く宝珠が飛来する神がかりなできごとが起きて、「宝登山」明記されるようになったそうです。
▲パワースポット宝登山神社奥院(宝登山頂駅から徒歩10分)
宝登山神社は、狼(オオカミ)信仰・山犬信仰の社の一つでもあり、きっと巨大な山犬の伝説が、「もののけ姫」の「山犬モロの一族」のキャラクターになったのかもしれませんね。
日本の地名のほとんどが、音読みに当て字したモノが多く、紐解いていくと過去のできごとにまつわる話が触れることができます。
▲標高497.1m宝登山頂
宝登山の「ホド」という音読みを紐解いていくと、現代では耳にすることの無い「音読みの響き」にも、歴史が見え隠れしています。「ホド」という言葉は、火炉(ホド)・タタラ炉・精錬炉を示す時代があったようです。「もののけ姫」のストーリーの中に、「タタラバ」という製鉄炉のある工場のようなモノが登場します。「タタラバ」なんて聞き慣れない言葉を何も知らなければ、架空の話として片づけてしまうかもしれませんが、実際にあった製鉄工場を指します。
▲もう1台のロープウェイ・もんきー号
宝登山の「ホド」という言葉から、「タタラバ」という存在がわかり、「もののけ姫」のストーリーとは無関係と言ってしまうほうが、不自然に思えてきます。「宝の山」と呼ばれる宝登山の周りには、金属の名前が含まれる山が多く、古代和銅が採れた秩父地方に相応しい名前が付けられていると言えます。「もののけ姫」のモデルとも言える聖地で、金運上昇を願うパワースポット巡りをしてみてはいかがでしょうか?
知る人ぞ知る聖神社の参拝方法とは?
宝登山神社からクルマで20分。「聖神社のご利益は凄い」と評判になっているので、聖神社の金運アップ参拝方法をご紹介します。鳥居前にある10台ほどの駐車場にクルマを停めますが、拝殿には向かわずに、駐車場の前に坂道を上に向かって歩きます。
10分ほど坂道を歩くと、道標が観えてきます。
日本で初めて、自然銅が採掘された「和銅採掘露天掘跡」へ向かいます。
先ほどのアスファルトの上り道とは違い、谷に降りていくかのような細い道を下っていきます。
道標から5分ほど、鬱蒼とした林の中を歩きます。
いきなり目の前に、巨大な昔のお金が現れます。高さ5mの和銅遺跡モニュメント周辺には、和銅が採掘された露天掘り跡を観ることができ、パワースポットとしても知られている場所です。
掘り出された銅が洗われていたという、モニュメントの横を流れる小川があります。
この小川で洗ったお金を、聖神社の御賽銭に使うと、より一層、金運アップの効果が期待できると言われて話題になっています。本当のご利益を授かる手順がわからずに、効果が出ずに、諦めてしまう人が多いようです。
ジブリファンの妄想を増幅させる聖神社
少し手間はかかりますが、しっかりとした金運アップの参拝方法で、ご利益を授かりましょう。
「銭神様」が祀られていて、お金儲けの神様として親しまれる聖神社は、参拝者の金運を高めてくれると言われています。聖神社には、神の意志を伝える神使として、雌雄一対になった和銅製のムカデが祀られています。なぜムカデなのか?という疑問が湧きます。
「もののけ姫」のなかで、アシタカが旅の途中、村で「お米」を買うシーンがあります。「お金」代わりに「大粒の砂金」を商人に手渡すが、砂金の価値を知らない商人は、「お足が無ければ米を返しな!」とアシタカに言っています。お足とは、お金を意味することで、足がたくさんあるムカデは、漢字の「百足」にもなります。銅脈がムカデの形に似ていることや、足がたくさんあるとムカデは、お金がたくさんあるという縁起の良いモノとされています。
ご利益を授かった証拠を、拝殿の左側に観ることができます。ご利益の報告書なる紙に、あまりにリアルな個人情報が書かれているので、写真をアップで写すことができません。「宝くじやスクラッチで高額当選した」「思いがけない臨時収入が入った」「お給料が上がった」など、ご利益に感謝する紙がたくさん貼ってあります。
「聖」という漢字を分解すると、「耳」「口」「王」になります。「何をお願いしても聞いて叶えてくれる」神様がいらっしゃるという意味でもあるようですね。「金カード(200円)」を手にして、少しでもご利益を頂きたいと思います。日本で初めて銅が掘り出されたパワースポットや、「もののけ姫」のストーリーのなかで使われたセリフ「お足=お金=ムカデ」や、宝登山の由来でわかった「ホド=タタラバ」の説などから、ジブリファンの想像力を掻き立てるエリアです。
金運アップのおまけ巡礼!鐘を撞(つ)けばお金が入ってくる梵鐘とは?
聖神社からクルマで約10分、秩父市内の住宅街に佇む、秩父札所17番の定林寺です。こちらに、「入り鐘」を撞けばお金が入る梵鐘があります。
本堂を参拝する前に、鐘を撞くのを「入りがね」と言って、お金が入ると言われています。境内を出る時に撞いてしまうと、「出がね」となって、お金が出ていってしまうと言われているので、ご注意を!
秩父で金運アップのためのハシゴ旅はいかがでしたでしょうか? 土地の由来に触れると、新しい発見に出会えるので、初めて訪れる場所ではワクワクしてしまいますね。予定に無い行動をする自分に、ビックリすることってないですか?