2025年は巳年。巳年にオススメなのが弁財天の寺社へのお参りです!
というのも巳つまり蛇、中でも白蛇は弁財天の使いと古くから言われているから。
そんなわけで、2025年の弁天まいりに、日本三大弁財天の1つである「近江の弁財天」こと竹生島(ちくぶしま)を今回、強く推したいと思います。
ほかの三大弁財天(広島県の厳島神社と神奈川県の江ノ島弁財天)はメジャーな存在なのに対して、竹生島にオーバーツーリズムの影響は及んでいないため、じっくりお詣りができる穴場のパワースポットなのです! 今回は竹生島への上陸方法も含めて魅力を余すところなくレポします。
神域竹生島の誕生秘話
「江州(現在の滋賀県)の湖中に小島がある。その島は弁才天の聖地であるから、寺院を建立せよ。すれば、国家泰平、五穀豊穣、万民豊楽となるであろう」(公式HPより引用)
奈良の時代、聖武天皇がある夜、天照皇大神からこのように夢でお告げがあり、行基に命じて弁財天のお寺を建立させたそうです。それが神域・竹生島の始まりでした。
「一度でも参詣した者は願いが全て叶う」という評判から、歴代天皇や歴史に名を連ねてきた戦国武将達がこぞって参拝したそうです。周囲約2㎞とサイズこそコンパクトではありますが、弁財天を祀った宝厳寺と竹生島神社を擁する神聖な島として、現在も全国各地から参拝客が訪れています。
アクセス方法
さて、気になるのが竹生島へのアクセスです。残念ながら橋が建設されていないため、船での上陸のみとなります。
竹生島への船は滋賀県内の3箇所から出港していますが、団体ツアーと一緒になる確率も高いので、事前の予約をお勧めします。詳細は下記琵琶湖汽船のサイトにてご確認ください。
筆者は乗船時間が一番短い長浜港から向かいました。JR長浜駅から10分ほどの長浜港にある琵琶湖汽船の観光船乗り場でチケットを購入します。(予約済みなら名前を窓口で伝えてチケットを受取る)
待合室になっていて、椅子とお手洗いも完備。早めに到着しても外で待つことはありません。この日は団体ツアー客と一緒になり、女性用トイレは長蛇の列ができていました。
室内またはデッキ、どちらでも好きな場所を選べるのが良いですね。お天気が良かったので、筆者は行きも帰りも外で琵琶湖の澄んだ空気を堪能しました。
40分弱船に揺られていると、竹生島神社の鳥居が視界に入ります。さあ、いよいよ神域へと入っていく時がやってきました・・・
上陸したら入口券売機で拝観料を支払います。大人600円、子供300円、現金のみの受付です。あらかじめのご用意をお忘れなく。(料金は2024年12月現在)
黒龍に迎えられ、竹生島神社へ
入口手前の鳥居手前で階段が二手に分かれています。ほとんどの人がそのまま中央の階段を上って、宝厳寺を目指します。が、あえて筆者は人の波を避けるため、途中右へ曲がって、最初に竹生島神社へ向かってみました。
最初に迎え入れてくれたのが、画像の大木と祠「黒龍堂」でした。守り神のような雰囲気が漂っていますね。この大木は、湖から龍が立ち上る依り代となっているそうです。
入島して早々、神々しい歓迎を受けワクワク感が高まります・・・
竹生島神社の正式名称は都久夫須磨麻(つくぶすま)神社といい、島の名前竹生島の古い呼び方でもあります。
ご祭神は以下四柱の神様。
・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)=弁財天
・宇賀福神(白巳)
・浅井比売命(産土神)
・龍神
神社に隣接する宝厳寺も弁財天ですが、神社でも同じく弁財天そして冒頭で述べたとおり白蛇の神様が祀られています。巳年のお詣りスポットとして要チェックですね!
社殿は豊臣秀吉ゆかりの国宝ということもあり、風格あるたたずまい。ただ残念なことに中を拝むことも、写真を撮ることも現在は許されていません。
その代わりといってはなんですが、回れ右してみてください。一面に広がる琵琶湖に突き出るかのような龍神拝所が目に飛び込んできます。
実は竹生島は巳年にぴったりな蛇神&弁財天だけではなく、龍神スポットでもあるのです。絶景を味わいながら龍神様にお詣りができる爽快なパワースポットになっています。
竹生島神社の龍神拝所では、一風変わった願掛けも有名です。「かわらけ投げ」と呼ばれる、土器(かわらけ)に願い事を書き、琵琶湖の近くにある鳥居に向かって投げ、その土器が鳥居をくぐれば、願い事が成就するとも言われています。ぜひお試しあれ!
滋賀県長浜市早崎町1665
宝厳寺の弁財天はイメージと違う?
神社でのお詣りを済ませたら、豊臣秀吉の「日本丸」を再利用して立てられた舟廊下を通って、宝厳寺へ向かいます。
宝厳寺のご本尊は大弁財天と千手観音ですが、大弁財天は秘仏であるため60年に1度しか公開されません。その代わりに本堂に寄進された弁財天像を見ていきましょう。
ここで何か気づいたあなたは弁財天通ですね。
そう、弁財天というと一般的には天女のような姿で、琵琶を奏でている女神様がイメージされると思うのですが、宝厳寺の弁財天はちょっと違います。
八本の腕を持ち、それぞれに剣、宝珠などの道具が手中に収められています。これを「八臂(はっぴ)弁財天」と言い、仏教の教えを尊び具現化する「戦う女神」のように表現されているのです。たおやかな天女というよりかは、強めの弁天様のイメージでしょうか。
さらに、頭上にはおじいさんの顔をした蛇がとぐろ巻いており、これは「宇賀神」と呼ばれる蛇神様です。
弁財天はご存知の通り、元はインドのサラスヴァティという女神が太古の昔に伝来した神様ですが、宇賀神は日本固有の神様だそうです。これは巳年にはぜひ参拝しないといけませんね!
弁財天はご利益も豊富で、芸能を含めた才能開花や財運などの開運のお手伝いをしてくれる神様です。宝厳寺ではかわいらしい手描きの弁財天ダルマに願い事を書いて奉納することもできるので、お願い事を聞いてもらうと良いでしょう。
金運上昇のお守りもあるので、財運を向上させたい方は要チェックです。
お詣り後のお楽しみ―フードとお土産
お詣りを終えたら後は帰りの船の出発を待つのみ。でも・・・急な階段を何度か上り下りしたりすると、小腹が空いてきませんか?
ならば、船着き場にはお店が何軒か連なっているので、ご当地メニューを味わいましょう。さらに、ここでしか手には入らないものもあるので、お買い物も楽しんでください!
筆者がまずいただいたのが、赤こんにゃくが印象的な滋賀おでん。
赤こんにゃくは滋賀でしか味わえないので、ぜひお試しあれ。優しい関西風のお出しが五臓六腑にしみました~。
まだお腹に余裕があったので、お隣のカフェ&ショップここやさんで、近江牛のカレーパンもいただいちゃいました。油控えめでこちらも体に優しく、近江牛をふんだんに使ったご当地メニューです。
ここやさんで一目惚れしてしまったのが、色とりどりの手ぬぐいです。龍神大好きな筆者は迷わず龍の手ぬぐいをお買い上げ。
パワースポット詣でで大事なことは、お詣りだけではなくその土地の火と水を使ったものをいただくことなので、余裕があれば軽くお食事するのがオススメです。同時にその地域経済にもわずかばかりではありますが、貢献できたら嬉しいですよね。
竹生島だけじゃない滋賀県の魅力!
竹生島は琵琶湖に浮かぶ島なので、琵琶湖畔の各港(長浜港、彦根港、今津港など)からアクセスが可能ですが、日本史の舞台として古くから近江国として知られる滋賀県は見どころもたくさん! ぜひ1日費やして、竹生島だけではなく各地の名所も併せて訪れていただけたらと思います。
お隣の京都のように人も多くなく、落ちついて旅ができる滋賀県はとても魅力的です。筆者は個人的に今後、滋賀県は「来る!」と予測しているので、ご興味ある方はお早めの計画を!