子供時代を札幌で過ごした著者の中で、北海道は特別な土地。特に幼い頃家族と旅した道東エリアは雄大な自然が広がり、神秘的な景色が印象的でした。
そして時を経て、いい大人になった今。
本州とはひと味違ったパワースポットを求めて、阿寒湖へ。
阿寒湖は地形的に風水的なパワースポット「龍脈」として、最近注目を集めています!
それではアイヌと和人、それぞれの宗教観がクロスする聖なる湖へとあなたを誘います。
いざ、阿寒湖へ
阿寒湖は北海道東部、釧路市の北部に位置する湖で、天然記念物のマリモが有名な湖です。
ちなみにそのマリモを模した「まりもようかん」はご当地ロングセラーのスイーツです。
備え付けのプラスチックの針で緑色のビニルを破って、いただくちょっと斬新な食べ方を体験できます。
話を阿寒湖に戻して、アクセス方法としては釧路経由が便利。釧路空港またはJR釧路駅からの向かう形が一般的です。
個人的には釧路空港からバスで向かう方法が、時間的にも短く便利だと感じました。
釧路駅からだと市バスで2時間ほどかかるので、おトイレが気になる方はちょっと厳しいかもしれませんね。
【アクセス例】
・札幌から特急おおぞらで約4時間ほどの釧路で下車→釧路から市バスで約2時間
・釧路空港からバスで1時間20分ほど
パワースポット阿寒湖ができるまで
そもそも阿寒湖は、阿寒摩周国立公園に指定された、摩周湖・屈斜路子を擁する山の森一帯に位置しています。約15万年前の噴火によって生まれたのが阿寒湖なのです。阿寒湖畔にはエゾマツ・トドマツ・アカエゾマツなど、まさに「北の森」ともいうべき景色が広がっています。
冒頭でお伝えした通り、阿寒湖はここ最近「山に囲まれた水」という地形から、風水的パワースポット「龍脈」として高く評価されているのだとか。
さらに良質な温泉も楽しめるので、パワースポットとしてもさらにポイントが上がりますね!
阿寒湖の温泉は、「万人の湯」とも呼ばれ、万人受けする無臭・無色透明の湯質はお肌にも優しい温泉なのです。
この土地に長く暮らしてきたアイヌの人達も、怪我の治療・療養のための温浴に加え、織物に使う繊維を植物から取り出すときも温泉を活用していたのだとか。アイヌの知恵ですね!
アイヌのカムイと和の神が交差する神秘の森をトレッキング
説明はこれくらいにして、パワースポットを体で感じてみましょう。
阿寒湖の遊覧船に乗るのもオススメですが、パワースポットの旅なら、ぜひ湖畔の森をゆっくり散策していただきたいです。
阿寒湖畔の原生林に鎮座する山の神様に祈りを捧げ、大地のエネルギーを肌で感じるボッケを回り、湖畔で清らかな空気に触れるだけでも、心と体が浄化されるのがわかります。
まずミュージアムセンター脇のお稲荷さんへと続く階段を上って山へ入ります。
鳥居が続く先に、朱赤のお社が見えてきます。
お稲荷さんでお参りを済ませたら、お社脇を通って裏に回ると、ひっそりとたたずむお社がもう一つ。
こちらが阿寒岳神社奥之院です。「奥之院」ですので、もちろん街中に里宮があります。
里宮とセットでお参りしても良いでしょう。
里宮はこちら。
実はこの阿寒岳神社こそが、今回の阿寒湖パワースポットの目玉。同時に龍神スポットでもあります。
境内のご由緒書きによると、ご祭神は白龍神王とのこと。つまりは天之御中主神(アメノミナカヌシノオオカミ)という天地を創った最高位の神様を指すようです。
もちろんこの神様は、明治以降に北海道に渡った和人が持ち込んだ宗教観です。それでももとよりこの地は、アイヌの人達が大事にしてきた「カムイ(神)」の住む森でもあります。
アイヌ民族は基本的に狩猟で生計を立てていたことから、食糧・衣料・道具の原材料を与えてくれる森には、多くのカムイが住んでいると考えます。森に入るときにはカムイへのごあいさつ。そして収穫があれば感謝の意を伝える儀式を日々執り行ってきた伝統があります。
和人も同じように神聖さを感じ、神様を祀ったのでしょうか。阿寒湖畔はまさに、アイヌと和の神が交差する神秘の森と言えるのかもしれません。そんなことを考えながら、さらに森の奥へと入っていきます。
筆者が訪れたのは5月の連休明けでしたが、前日に寒の戻りで雪が降り、翌日晴れたものの森の中には残雪が。
「地球が煮え立ってる!?」アツいパワースポット
森を進み、妙に熱を感じたらそこは「ボッケ」とアイヌが呼ぶ場所。
ボッケとは、地下から火山ガスと共に泥が噴き出ている状態を指します。アイヌ語で「煮え立つ」という意味で、画像の通りスープをコトコト煮ているようですね。アイヌ民族の表現力がすばらしい!
阿寒湖の水辺で少し休憩。済んだ水と湖からの爽やかな風に、浄化されるような心地がします。
「アイヌコタン」でアイヌ文化に触れよう
パワースポット阿寒湖の自然に触れてエネルギーチャージしたら、アイヌのカルチャーに触れることもお忘れなく!
近年では北海道を舞台にした埋蔵金を巡るバトルマンガ&アニメ『ゴールデンカムイ』でも、アイヌ文化が全国レベルで知名度を上げているので、見逃せません!
アイヌコタンは阿寒湖に向かって左側にある、アイヌ民芸品のお店・伝統食が味わえる飲食店・アイヌ伝統舞踊のシアターが軒を連ねるエリアです。
アイヌの伝統工芸と言えば、鮭を獲る木彫りの熊がおなじみでしょうか。
しかし近年ではその技術を受け継ぐ人の数も減ってきたそうで、木彫りの熊のお値段も高騰中。
それでも力強さと繊細さが共存する、細やかな彫刻の美しさには息を呑みます。
入口では本物と見まごうほどの躍動感あふれるフクロウの彫刻がお出迎え。
時間がある方は、アイヌ文化をガッツリ体験できるツアーも開催されているので、こちらのサイトでチェックしてみてくださいね。
パワースポットオマケ情報
阿寒湖には実は「知る人ぞ知る」もう一つの龍神スポットがあります。
阿寒湖内の小さな無人島ヤイタイ島に祀られている「白龍神社」で、本文でもご紹介した阿寒岳神社奥ノ院と対になっている神社です。
漁船をチャーターして島へ渡ることになるので、タイミングが合えばヤイタイ島へも足を運んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに・・・筆者も行きたかったのですが、スケジュールや天候の事情から泣く泣く断念。
マリモ、温泉、カムイの森、アイヌ文化、そして龍神様・・・魅力満載の阿寒湖はぜひ時間をかけて過ごしていただきたい推しのパワースポットです!