こんにちは! 南米ボリビア在住のZICです。
日本は四方を海に囲まれた島国なので海の幸に恵まれた国です。当たり前のように魚や魚介類がスーパーに行けば手に入ります。しかし、ボリビアは海のない内陸国なので、海の幸がほとんど手に入りません。生まれてから海の幸を食べたことがないというボリビア人もたくさんいます。
そんなボリビア人の食はまさに肉類が支えているといっても過言ではありません。そして、ボリビアでは鶏肉が最強なのではないかという説があります。そんなボリビアのお肉事情についてご紹介します。
魚はほとんど食べない?ボリビア人は牛肉と鶏肉が大好き
ボリビアの首都ラパスは隣国のペルーやチチカカ湖などから海の幸、そして湖の幸が手に入るので比較的魚を食べる機会があります。
しかし、魚は牛肉や鶏肉に比べるなら割高になります。熱帯地方でもスルビやパクーといった川魚が流通していますが、値段が高いために買いたがらないボリビア人も多いです。内陸国ならではのあるあるかもしれませんが、流通に時間とコストがかかる分、隣国のペルーやブラジル、チリから入ってくる海産物はどれも割高です。
なので、途上国に住むボリビア人の家計には海の幸は割高なのです。
メルカードと呼ばれる市場の肉屋さんに行っても置いてあるのは牛肉と鶏肉ばかりです。
ボリビア人が食べる肉は牛肉か鶏肉かに分かれます。どちらもボリビア人は大好きなのですが、順位をつけるならより値段の安い鶏肉が1番消費されていると言われています。ボリビアで平均して鶏肉1キロあたり14ボリビアーノ(230円ほど)で買うことができます。
また、時期にもよりますが一時、サンタクルスでは1キロ8ボリビアーノ(130円ほど)で鶏肉が取引されたことがあります。なので、その何倍もの値段のする魚を食べないというのもわかります。
実は、ボリビア人の食生活においてあまりにも魚を消費しないことで国連が危惧しています。国連のデータによると世界的に見て、年間魚をこれくらい消費したほうが良いという基準の半分ほどしかボリビア人は魚を食べていないそうです。鶏肉最強説の立証ではありますが、もう少し魚を安価で手に入れられる環境ができればと願うばかりです。
日本のパック売りが恋しくなる? 衝撃のメルカード
メルカードと呼ばれる市場を歩いていると、とにかく鶏肉がたくさん売っていますがそのまままるまま置いてあるのが印象的です。もちろんスーパーマーケットに行けばパック売りされた鶏肉もありますが、たいていは写真のようにまるままの鶏肉が置いてあります。
もし、1匹まるごとを購入するなら家で自分で鶏肉をさばくことになります。日本ではなかなか体験できないことです。
1匹まるごとでも30ボリビアーノ(500円ほど)くらいで買うことが可能。なので、かなり安く鶏肉は手に入れることができます。ちなみに黄色い鶏肉は防腐剤のようなものが塗り込まれているようです。この色に食欲をなくしてしまうのは自分だけでしょうか?
また、日本では見ることのない頭や足も売られています。良い鶏がらスープが出るということでボリビア人の間では欠かせない食材となっています。しかし、まるままの鶏肉がそのまま売られているのは私たち日本人にとってはカルチャーショックを感じますが、ボリビア生活においてはこれがスタンダードなのです。
特に熱帯では鶏肉レストランだらけ!
ボリビア人は鶏肉が大好きです。特に熱帯では鶏肉が好んで食されています。以前にも紹介したポジョと呼ばれる揚げた鶏肉が熱帯のボリビア人のソウルフードです。他にも炭火焼にしてあるバージョンのポジョもあります。熱帯の街中でよく鶏肉を焼いているのを見かけます。
特に揚げた鶏肉がボリビア人は大好きです。この写真はミラネッサ・デ・ポジョと呼ばれるソウルフード。薄く引き伸ばした鶏肉を衣をつけて揚げたもの。とてもおいしいです。
また、フライドチキンにフライドポテトとご飯を合わせたポジョ・ブロアステルというメニューはボリビア中に浸透しています。本当に夜のボリビアのレストランはこのメニューばかりです。どこに行っても揚げた鶏肉しかないので、鶏肉アレルギーになる外国人旅行者も多いです。ボリビアのレストランあるあるです。
夜の街に光るポジョ・ブロアステルという文字。この脂っこい食事をボリビア人は夜の9時や10時くらいから食べます。
普通に考えても体に悪いのですが、やはり健康に問題を抱えるボリビア人も多いです。特に、熱帯では鶏肉を含む揚げ物ばかりを食べますので不健康なボリビア人も多いです。
まだまだ途上国のボリビア、食文化においてももしかしたら発展途上なのかもしれません。そんなボリビアの食文化をがっちり支える鶏肉。まさにボリビア人にとっては安価な鶏肉は最強です。
ボリビアにいると、鶏肉をたくさん食べれるうれしさと、海の幸のありがたさを肌で感じます。そして、海産物がとにかく恋しくなります。海のない内陸国のボリビアにもうまく魚が流通して、鶏肉との覇権争いを演じてほしいものです。