信州長野といえば美味しいお蕎麦屋さんがたくさんあります。
職人による手打ちそばがまだまだたくさんあり繊細な職人技と豊かな自然が育む蕎麦は絶品です。
今回ご紹介したいお蕎麦は「火口そば」。まずなんと読むのか・・・私も最初はわかりませんでしたが、「火口」と書いて「ボクチ」と読みます。とても貴重でここでしか食べられない! と聞くと食べずにはいられません。
火口そばが食べられる場所は限られています
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↑オヤマボクチ
そもそも「火口」とは何なのか。実は北信州地域では蕎麦のつなぎに使われている「オヤマボクチ」という植物のことを言います。アザミ類でもありますが、山菜として「ヤマゴボウ」と称されます。6月頃に収穫され乾燥します。その後、ひたすらアク抜きのために煮て、水で洗うという作業を繰り返し繊維を取り出していきます。とても手間がかかる作業ですが。この繊維をなんと蕎麦のつなぎに使っているのです。
ちなみに「火口」の語源は葉の裏に生える繊維が火起こし用に使われたことからだそうです。
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このオヤマボクチをつなぎに使った蕎麦は、手間暇がかかるということであまり多くは作られていません。実際「火口そば」と暖簾をかかげているお蕎麦屋さんはあまり見かけません。今回は、道の駅「FARMUS木島平」内にある「村」というレストランでいただきました。店の入り口には大きく「名水火口そば」と書かれた暖簾がかかげられています。
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↑レストラン「村」の店内
名水火口蕎麦 そのお味は!?
「名水」とは木島平村の豪雪に由来する名水を使用しているということ。蕎麦作りにきれいな水は欠かせません。蕎麦は細麺でなんといっても噛み応えのある食感とのど越しの良さが最高! つなぎが変わるだけでこれだけ食感も変わるのかと驚くほどです。
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蕎麦と一緒に提供される黒豆菓子は木島平産の黒豆を使用しています。古くから地元で食べられてきたお菓子で砂糖味と塩味の2種類あります。お土産としても販売されています。
名水火口そばの美味しさにはまり、お土産に購入していこうと思いましたが、火口そばの生そばや乾麺は販売していないとのことでした。ということは、ここに来ないと食べられないということ・・・・
それでもいつかまたこのお蕎麦のためだけに訪れたいと思わせるお蕎麦でした!
●道の駅FARMUS木島平
http://www.farmus.jp/