ヨーロッパの風物詩、クリスマス市。どこの国でも大きな街ではマーケットが立ち並び、どこも大抵同じようなものと思っていました。
パリのシャンゼリゼ大通りのクリスマス・マルシェが今年から廃止になったんですが、その理由のひとつも、伝統工芸品や季節の名品はどんどん減って、ジャンクフードやおもちゃ、外国の民芸品などばかりになってきて、クリスマスというより露店のようになってきたこと。
でも、ドイツのミュンヘンに関しては、大きな勘違い!でした。
街のあちこちにクリスマス市がいくつもあり、伝統的な2つはそれぞれ独特のスタイルを保っているし、全く新しいものも。ミュンヘンのクリスマス市の様子をお届けします。
国ごとの個性が出るクリスマスマーケット
フランスから隣国各都市へは、飛行機で1時間半から2時間程度。思い立ったら、1泊ふらりと行けてしまう距離です。
日にちによって、エアチケット代はかなりの差があるものですが、クリスマス時期は、各社直前セールも頻繁にあって、手ごろな値段にも。EU経済共同体になってからは、通貨も統一されているので、とてもフットワークよく移動を考えられるようになっています。
欧州は陸続きなので、国は違っても、隣り合う街町では、つくりや食習慣が似通っていて、同じ国の北と南や東と西より共通する部分が多かったりします。
それでも、同じカトリックの行事などでは、飾りつけも並ぶご馳走も、昔ながらのそれぞれの国の個性豊かなまま。
ミュンヘンのクリスマス市はいくつもあって、どれも個性的。
ミュンヘンのクリスマス市は、ドイツで最も古い歴史を持っているそうで、もともとは14世紀にゲルマン神話をもとに始められたといいます。
通りのイルミネーションも穏やかな華やかさで、お祭りムードでいっぱい。凍てつくような寒さでも、街のあちこち散策せずにはいられなくなります。
まずは、大通り散策。
デパートのショーウィンドーが、クリスマス独特の飾り付けになるのが楽しみなのはミュンヘンでも同じようで、GALERIA Kaufhof(カウフホフデパート)では、この通り。
かわいらしい中にも、いかにもドイツなシックな色使いですよね。
マリエン広場のクリスマス市へ。
ミュンヘン1の規模を誇るクリスマス市の出るMarienplatz(マリエン広場)は、街の中心部にあります。
名前の由来は、中央に聖母マリア像を載せた塔が飾られていることから。17世紀、30年戦争が終結して、占領から開放された時に建てられたものだそう。
北側の新市庁舎、東側の旧市庁舎、それぞれがランドマークとして親しまれています。
こちらが、新市庁舎。といっても、19世紀から20世紀初めにかけて造られた歴史ある旧い建物。ネオゴシック建築です。電飾を施された大きなツリーが300mあるといわれるので、その大きさがどれほどか、想像してみてくださいね。
そして、こちらが、旧市庁舎。15世紀に建てられたゴシック建築です。現在はおもちゃの博物館になっています。童話の絵本から抜け出てきたみたいで、イメージぴったりですよね。
このクリスマス広場に並ぶものは、伝統工芸やこの時季の美味しいものたち。そして、クリスマスのオーナメントなどなど。
リンダーマルクトのクリスマス市
それから、少し歩くと、Rindermarkt(リンダーマルクト)のクリスマス市。
中世がテーマ!のクリスマス市も。ホットワインと美味しいものたちと……
Wittelsbacherplatz(ヴィッテルスバッハー広場)のクリスマス市は、Mediaval(メディアヴァル)という名がついている通り、中世をイメージして作られています。
ホットワインやビール、そして、美味しいものが並ぶことで知られるこのマーケット。寒さを吹きとばすには、やっぱりスパイスの効いたホットワイン!なのはパリと同じ……と思ったら、独特のスタイルでびっくりさせられました。
角砂糖が添えられていて、そこにリキュールをたらしてフランベ!するんです。
そして、ゲイのクリスマス市、も。
ここは、全部この色のトーン。DJがいて、賑やかで……Pink Christmas(ピンク・クリスマス)という名のマーケット。
ゲイ界隈といわれる地区だそうですが、ゼンゼン知らなくて、ただ違うスタイルにしているだけかと思っていました。パリのニュイ・ブランシュみたいな感じで。