ドイツの真ん中よりも少し北には、自然豊かな「ハルツ国立公園」が広がっています。山々が連なるこの国立公園の中で1番高い山がブロッケン。そんなブロッケン山頂までSLに乗って旅をしてきました。
ブロッケンとは?
ハルツ地方の中でも1番高い山ブロッケン。1番と言っても頂上の標高は1,142mしかありません。
魔女伝説が今でも残るハルツ地方ですが、ブロッケン山頂にも「年に1度魔女が集まって集会をする」という言い伝えがあります。その様子はゲーテの作品『ファウスト』にも描かれているので、ドイツ文学に詳しい方はピンとくるかもしれませんね。
魔女が集まる夜は「ヴァルプルギスの夜」と呼ばれ、4月30日にはそれにちなんだ「魔女祭り」がブロッケンをはじめハルツ地方の町で開催されています。
SLに乗っていざ山頂へ
そんなブロッケン山頂へはSLに乗って行く事ができます。出発点となるのはヴェルニゲローデという街。ドイツ鉄道の駅の隣にSL専用の駅があり、旅はここからスタートします。
ヴェルニゲローデから山頂までは約1時間半の道のりです。レトロな内装の車内に、旅の気分も盛り上がりますね。ちなみに時刻表はハルツ狭軌鉄道のホームページからダウンロードできます。本数が多いわけではないので、事前にしっかりと予定を立てておきましょう。
このSL、夏は特に混雑するので、なるべく朝のうちに出かける事をお勧めします。筆者は9時頃発のSLに乗ったので席にもまだ余裕がありましたが、山頂から帰る時に登って来るSLを見てびっくり。なんと車両が人で溢れかえり、連結部分のデッキまで人で一杯だったからです。
なのでなるべく早い時間に出かけるほうが快適な旅を楽しめます。
山頂からの眺めは絶景
山頂からの眺めはまさに絶景です! 1年のうち300日が霧に覆われていると言われているブロッケン山頂ですが、筆者が訪れた日はご覧の通りの快晴でした。どこまでも広がる青い空はとても美しいですね。
ただ晴れていればその分日差しが強く、日焼け止めは必須です。筆者は頂上に到着後すぐ日焼け止めを塗りましたが、同じようにしている人たちも大勢いました。
ここ一帯はかつて旧東ドイツに属しており、山頂は旧東ドイツの軍事拠点として使われていたため一般人は立ち入ることが出来なかったそうです。現在は博物館があるほか、広場らしき所には記念碑もいくつかあります。帰りのSLまで時間があれば、周辺を少し散歩するのも気持ちが良いですよ。
ハルツ国立公園内には本格的なハイキングルートも整備されているので、アクティブに活動したい方はぜひチャレンジしてみてください。電車からも徒歩で頂上を目指すハイカー達を沢山見かけました。ブロッケン山頂から帰ってきたら、美しいヴェルニゲローデの散策もお忘れなく。