ソウルの博物館を徒歩で巡ってみよう!金融史から韓国警察まで理解できるコースです
韓国

こんにちは、皆さん! 寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。今日は、寒い真冬でもソウルの町を楽しむコースを考えてみました。 今回のソウル散歩は、博物館めぐりです。

ソウルにある博物館を地図で紹介

寒い時は、長く外を歩くのは大変ですよね。道に迷うのも嫌ですよね。動くのだって、コートを着こんでいるから不便だし……。
今日は、地下鉄5号線「光化門(クァンファムン)」駅から「西大門(ソデムン)駅」にかけての道沿いに並ぶ博物館をご紹介したいと思います。実はこのエリアは、博物館密集地域。

地図20170111
地図に書いただけでも7つの博物館が「光化門(クァンファムン)」駅周辺からとなりの「西大門(ソデムン)」駅にかけて建てられています。番号順に御説明すると……。

1.大韓民国歴史博物館
現在の韓国『大韓民国』の成立から今までを中心に扱った博物館。
住所  :ソウル市鍾路区世宗大路198 (서울시 종로구 세종대로 198)
休館日 :毎週月曜日及び1月1日
開館時間:日・火・木・金曜日 9:00-18:00/土・水曜日 9:00-21:00
2.新聞博物館
大手新聞社「東亜日報」の旧社屋を使った韓国の新聞と報道をテーマにした博物館。
住所  :ソウル市鍾路区世宗大路152 (서울시 종로구 세종대로152)
休館日 :毎週月曜日
開館時間:10:00-18:00
観覧料 :一般3,000ウォン、小学生~大学生2,000ウォン、幼児および65歳以上無料
3.韓国金融史博物館
大手銀行「新韓銀行」が管理運営する銀行の歴史をテーマにした博物館。
住所  :ソウル市鍾路区世宗大路135-5 (서울시 종로구 세종대로135-5)
休館日 :毎週日曜日、韓国の祝祭日、メーデー
開館時間:10:00-18:00
4.ソウル歴史博物館
ソウルを中心とした韓国の歴史的な流れと
ソウルの人たちの生活に密着した時代の流れを一望できる博物館。
住所  :ソウル市鍾路区セムナン路55 (서울시종로구새문안로55)
休館日 :毎週月曜日
開館時間:平日9:00-20:00/週末及び祝日9:00-18:00
5.警察博物館
警察の歴史、仕事、装備などを子供にもわかりやすく展示してある博物館。
住所  :ソウル市鍾路区セムナン路41 (서울시 종로구 새문안로41)
休館日 :毎週月曜日
開館時間:9:30-17:30
6.京橋荘
独立運動家「金九」が最後の3年間を過ごした自宅兼事務所。
様式の食堂や暖炉のある応接室、畳の私室と寝室などが当時の様子のままに復元されている。
住所  :ソウル市鍾路区セムナン路29 江北三星病院内 
    (서울시 종로구 새문안로 29 강북삼성병원내)
休館日 :毎週月曜日
開館時間:9:00-18:00
7.農業博物館
韓国の農業の歴史、農産物やそれに関わるものなどをテーマにした博物館。
住所  :ソウル市鍾路区セムナン路16 (서울시 종로구 새문안로16)
休館日 :毎週月曜日
開館時間:9:30-17:30

今日はその中でも「3.韓国金融史博物館」「4.ソウル歴史博物館」「5.警察博物館」をご紹介したいと思います。

韓国金融博物館

金融~外観
新韓銀行の建物の3階と4階位置する韓国金融史博物館は、朝鮮時代の金融から、近代の銀行システムの導入、韓国の銀行の統廃合、合併などの歴史を扱っています。とはいっても、展示はイラストや実物の展示も多く、また、展示されているものは日本でもなじみ深いものが多いので、説明文が読めなくても十分に楽しめます。
金融まとめ20170111
左上は、金融自由化に伴ってうまれた銀行たちです。今、ソウル市内でもよく見かける「新韓銀行」や「ハナ銀行」はこの時に誕生したようです。
右上は、その「新韓銀行」の一番最初の営業所だった韓国の伝統家屋の建物。そして、様式のビルに生まれ変わった本店です。こんなふうに模型がたくさん使われています。左下は世界の紙幣。日本の紙幣も展示してありましたよ。
そして、右下は……そろばんです。日本との関係の深い韓国の銀行業務ではそろばんは切っても切れないものだったようです。

そのほかにも、「新韓銀行」の歴代通帳や、キャッシュカード、韓国のお札として登場してきた人物など、2つのフロアをゆったり使っての展示でした。

ソウル歴史博物館

ソウル歴史博物館はもともと「キョンヒ宮」という宮殿があった敷地に建てられた公営の博物館です。ゆったりした敷地内に建てられているため、野外展示部分には市電や宮殿の建物の一部などが展示されています。
歴博~キョンヒ宮の外観
また、たてものの裏庭からは「キョンヒ宮」へ直接入ることができます。天気が良くて暖かければ、こちらの宮殿を散策するのもよさそうです。

さて、では、さっそく博物館へ入ってみましょう。
歴博~エントランス
入るとすぐ正面に見えるのは広い階段です。階段に向かって右側が企画展示コーナーです。大体2つから3つほどの企画展示が開催されています。企画展示と言っても入場無料なので、興味がある展示の時はふらっとのぞいてみるのもいいかもしれません。
ここの特別展の特徴は非常にミクロな歴史を扱っているところ。取材当日に、やっていたのは「アパートの森となったソウル」展。ソウル市内でも観光客にはなじみのない、北ソウルの4区をテーマにしていました。もともとソウルの郊外の田舎だったところが、ソウルの都市化に伴い、人口が増加し、再開発が行われて町が整備され、そして一大アパート団地と変化していく様子が丁寧に写真や動画、グラフや表などで展示されていました。
大体、高度経済成長前後のソウルの中のある町の変化を扱っているようなそんな展示が多いように思います。

初心者の方にお勧めしたいのは3階です。
歴博加工~ソウル全景2
これはソウル市全体の模型です。ステップの部分が透明になっているので、ソウルの中でも漢江(ハンガン)の南側の地域については、その町の真上を飛んでいるような感覚で楽しむことができます。
かなり精密に作られているので、宿泊しているホテルの位置なども探してみても面白いかも。
歴博~南山
中心部のあたりは、山の名前もしっかり書かれています。手前の緑の文字は「南山(ナムサン)」。ソウルタワーのある山です。
右側の白い文字は「駱山(ナクサン)」。東大門あたりからスタートする城壁のある丘の部分です。南山(ナムサン)と駱山(ナクサン)の間を白い点線が走っています。これが、ソウル城郭です。昔のソウルはこの白い点線の中だけだったようです。ずいぶん大きく広がったことが分かります。

さて、歩き疲れて、少し休憩したい。そんな時はこちらでどうぞ。
歴博便利
ソウル歴史博物館には食堂、カフェ、ミュージアムショップ、そして、休憩できるようにあちこちにベンチが置かれています。
写真右上は、3階の渡り廊下にある廊下兼休憩スペースです。この廊下は、「キョンヒ宮」に面している側にあるので、窓からは宮殿の建物が見えます。宮殿と言っても、ソウルにある5つの宮殿の中で最もマイナーな宮殿であるため、観光客でごった返すこともなく静かに鑑賞することができます。
ただし! 週末は、この博物館に来る親子連れでにぎわいますので、休憩スペースやカフェなどはかなり賑やかになります。

警察博物館

さて、隣の警察博物館へ向かうことにしましょう。
ソウル歴史博物館のすぐとなり、「キョンヒ宮」の入口をまたいだところにある6階建ての建物が「警察博物館」です。
警察~外観
入口が若干いかつい感じがしますが……。入ってみます。
警察Ⅰパトカー
中は意外とかわいいです。
今回見て回った3つの博物館のうち、最も文字の少ない博物館、子どもでも一目でわかるように工夫された博物館のような気がしました。パトカーも、昔のパトカーと今のパトカーの実物がおいてありましたし。
警察~薬物
こちらは麻薬捜査の時の道具などの説明のようです。隣には機動隊ファッションの人形が立っていました。

もちろん、おもしろいだけではなくて、警察の任務の大変さ、殉職した警察官の方の記念展示などもあり、殉職した時の事件についての記述や、破けた制服の展示などは神妙な気持ちにさせられました。 
ですが、110番(こちらでは112番になります)の受付センターの体験コーナーや、遊園地の自動車型の乗り物と同じ形の運転のための法律知識クイズコーナーなど、全体的に、重くなく楽しく警察の仕事や、交通法規などを学べるようになっている感じがしました。

暖かい室内ですが、じっくり回ると2、3時間あっという間に経ってしまいそうです。もし、途中でお腹がすいたら、先ほどのソウル市歴史博物館の中にある食堂で食事をとることもできますが、博物館散策しながら、西大門(ソデムン)駅まで来たならばチャレンジしてもらいたいお店があります。
はのつちつ2
それは、こちらの「キムチチム」という料理です。有名なお店が、この「西大門(ソデムン)」駅の近くにあります。
しっかり散策して心はいっぱい、お腹はペコペコになったなら、韓国伝統家屋という意味の「ハノクチプ」で柔らかく煮込んだキムチでお腹も満たすのはいかがでしょうか。

한옥집(ハノクチプ)
ソウル市西大門区統一路9アンギル14  (서울시 서대문구 통일로9안길14)
営業時間:10:00-22:00
定休日 :旧正月およびチュソク

この記事を書いた人

エナ

エナライター / エナツアー主催

横浜出身のソウルっ子。2000年から2002年、ワーホリ滞在。その後横浜での10年間を経て2011年、再度渡韓。本業は日本語教師。ソウルの町歩きが大好きなネイリスト。ソウルの博物館、市場が主な生息地。普通の町を普通じゃなく感じさせるエナツアーなるものを企画していました。最近は日本家屋の残る町にはまり気味。

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