湯村温泉は兵庫県北西部の川沿いに広がる名湯で、“美人の湯”として知られています。98度の高温で湧き出る荒湯での温泉卵作りも名物のひとつ。昔ながらの温泉街のため旅館が多く、インバウンドの波もまだ緩やかでゆっくりと過ごすことができるのも魅力です。
湯村温泉の場所とアクセス
兵庫県で温泉といえば、有馬温泉や城崎温泉が有名。特に有馬温泉は神戸市街地からのアクセスが良く、国内外の宿泊客・日帰り客で大混雑する人気の温泉です。
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今回ご紹介する湯村温泉は、兵庫県とは言うものの鳥取県との県境付近に位置し、意外にも鳥取空港からのアクセスのほうがよい…という立地の温泉地です。ですが、大阪や神戸から全但バスを利用すれば簡単にアクセスでき、しかも空いているので人混みが嫌いな人には超おすすめの穴場温泉ともいえます。
全但バス(城崎温泉・湯村温泉-大阪・神戸)
温泉街の中心・荒湯
湯村温泉は川沿いを中心に広がっていて、徒歩で観光できるコンパクトな温泉地です。中でも中心とされるのが98度という高温で湧く「荒湯」と、その下の川沿いの足湯です。
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温泉は常に湧き出ているので、いつでも利用が可能。「98度の温泉がいつでも利用可能ってどういうこと?」と思われるかもしれませんが、この荒湯でのお楽しみは温泉卵作り。
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湯つぼには番号が標された釘がついていて、この釘に自分の卵をぶら下げて温泉卵を作るのです。番号があるので放置していても基本的には大丈夫なのですが、最近ではシステムを知らないインバウンドの方々も増えつつあるので、万が一のことを考えて目の届く場所で出来上がりを待つのがおすすめです。
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荒湯近くにはベンチが設けられていますので、そこに座ってマイ温泉卵を楽しむのもアリですね。
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温泉卵よりも時間がかかりますが、時間がある人は鳴門金時もおすすめです。ちなみに食材は荒湯そばのお土産店で売られていますが、実は徒歩1分ほどのデイリーヤマザキが安くておすすめ。ちゃんと湯つぼ用にネットと紐もついていますよ。私はいつもデイリーヤマザキ派。
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荒湯の湯つぼは観光客が楽しむために整備されたものではなく、地元の人々の生活の一部となっています。早朝は地元の人が野菜を茹でる様子を目にすることができるかもしれませんよ。
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ちなみに卵を茹でる湯つぼと、アクが出るような葉野菜を茹でる湯つぼは、場所が分けられています。
温泉街のイチオシグルメ
湯村温泉があるのは但馬牛で知られるエリア。荒湯から徒歩3分ほどの場所にある但馬ビーフはまだ本店のコロッケは、湯村温泉では外せないおすすめのお店!
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但馬牛を使っているので味が濃厚。それでいて162円というプチプライス(2024年3月現在)。しかも作り置きせず、1個でも注文を受けてから揚げてくれるんです。但馬牛も安く販売しているので、本当なら購入して帰りたいくらいです。
2023年にオシャレなお宿が誕生
昔ながらの旅館が多い湯村温泉ですが、2023年にワークスペース併設の現代的な旅館「湯村温泉 緑屋」がオープンしました。
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佇まいは旅館ですが、館内は現代の生活スタイルに合わせて快適に過ごせる空間になっています。特に若い人で、「昔ながらの旅館がちょっと苦手」、「ベッドじゃないと落ち着かない」という人にはピッタリ!
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ラウンジはワークスペースとしても使えますし、館内にはミーティングルームも完備。ワーケーションにもおすすめですよ。
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宿泊者は、庭園デザイナー石原和幸氏プロデュースの庭園を独り占めできる貸し切り露天風呂も無料で利用できます。
もし湯村温泉でワーケーションするなら、緑屋のような現代生活に合わせた設備が整っている新しいお宿が良さそうですね。
●湯村温泉 緑屋