本当においしい紅茶はどれだ!?ティーマニアがイギリスのティーバッグを飲み比べ!
イギリス

イギリス紅茶

イギリス土産の本命といえば、やっぱり本場の紅茶。特に気軽に飲めるティーバッグは、幅広い相手への贈り物として喜ばれます。ところが、いざ現地に行ってみると、数多くの紅茶ブランドがひしめき合っているために、どれを選べばいいかわからなくなってしまうことも……。

そこで、常に30種類以上のお茶を自宅にストックしているティーマニアの筆者が、イギリスの人気7ブランドの紅茶を飲み比べ、本当のおすすめをご紹介します。

定番人気のアールグレイティー

イギリス紅茶
今回飲み比べを行う紅茶として選んだのは、定番人気のアールグレイティー。紅茶にベルガモットの精油で香りをつけたフレーバーティーの一種で、その名は2代目グレイ伯爵、チャールズ・グレイに由来するといわれています。

飲み比べにアールグレイを選んだのは、ほとんどの紅茶メーカーが製造を行っている定番人気であること、またブランドによって味や香りに違いが表れやすいためです。

筆者自身、慣れないころはアールグレイが苦手でしたが、いつからか独特の風味が大好きになりました。

トワイニング(TWININGS)

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価格:50個入り3ポンド

日本でもおなじみのトワイニングは、300年以上の歴史をもつロンドン生まれの老舗紅茶ブランド。その歴史は、1706年に誕生した世界初の紅茶専門店「ゴールデンライオン」にはじまります。本格的な味わいながら、スーパーマーケットで買える手軽さとお手頃価格が魅力。

トワイニングのアールグレイティーは、ベルガモットの爽やかな香りを特徴とするアールグレイのなかでも、独特の香りがはっきりと出ています。どっしりとした深い香りと味わいは、安価ながら紅茶好きを満足させてくれるクオリティ。甘いお菓子と一緒に、あるいは朝ガツンと目を覚ますために飲みたくなります。

フォートナム&メイソン(Fortnum & Mason)

イギリス紅茶
価格:25個入り4.25ポンド

高級紅茶ブランドとして世界にその名を馳せるフォートナム&メイソン。実は紅茶専門店ではなく百貨店なのですが、売上のほとんどが紅茶やティーグッズ、お茶菓子で占められています。150年以上にわたって英国王室御用達の認定を受けているだけあって、店構えもパッケージも優雅そのもの。

フォートナム&メイソンのアールグレイティー(クラシック)は、カップに鼻を近づけてみても、それほどベルガモットの香りを強く感じることはありません。実際に飲んでみると、口の中に独特の芳香がふんわりと広がります。

軽く、透明感のある上品な味わい。さわやかな飲み口が特徴でアールグレイ初心者にもおすすめです。逆に「アールグレイ独特の香りが大好き!」という人には少々物足りないかもしれません。ほっと一息つきたい午後に飲みたくなるような紅茶です。

ハロッズ(Harrods)

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価格:20個入り4ポンド

日本でもよく知られている老舗高級百貨店のハロッズ。もともとは紅茶商からはじまったこともあり、紅茶はハロッズの定番人気商品となっています。

ハロッズのアールグレイティーは、ベルガモットがほのかに香る程度で独特の香りは強くありません。飲み口は重めでどっしりしていて、どことなくプーアル茶を彷彿とさせるような風味があります。

フォートナム&メイソンのような透明感はなく、にごりのようなものを感じ、「値段の割に洗練されていない」というのが正直なところ。ハロッズのネームバリューは魅力的かもしれませんが、筆者がこちらのアールグレイティーをリピート買いすることはまずないでしょう。

東インド会社(East India Company)

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価格:20個入り4.5ポンド

18世紀のボストン茶会事件など、歴史の教科書にも登場した東インド会社。その歴史はなんと400年! 紅茶好きならずとも、一度はその名を耳にしたことがあるはずです。

東インド会社のアールグレイティーは、1873年、植物学者のサ・ジョージ・スタントンがオレンジ風味のブレンドティーを作ったことにはじまります。当時はミカン科のネロリオイルを使用していましたが、現在はネロリオイルと同じミカン科のベルガモットオイルをそれぞれ1パーセントずつ使用しているとか。

アールグレイ独特の香りはそれほど強くありませんが、一般的なアールグレイとは少し違う、花のような香りがほのかに感じられます。深くまろやかな味わいで上質感があり、やや重めの飲み口。口にするとオレンジのようなフレッシュな酸味をかすかに感じます。後を引く独特な風味の残る、ちょっと個性的な味のアールグレイです。

ウィリアムソンティー(williamson Tea)

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価格:50個入り2.69ポンド

象がシンボルのウィリアムソンティーは、140年以上の歴史をもつ家族経営の紅茶メーカー。日本での知名度は高いとはいえませんが、ケニアに自社農場をもち、茶葉の栽培から選別、ブレンドのすべてを一貫して自社で行っている紅茶ブランドとして知られています。一貫した自社生産のため、高い品質のわりに値段が手頃と評判。箱入りのティーバッグはスーパーでも買うことができます。

ウィリアムソンティーのアールグレイティーは、強くはないものの後を引くフレッシュなベルガモットの香りが心地よい一品。深い味わいではありますが、同時に洗練された透明感も感じられ、重くなく、非常にバランスの取れた味わいです。値段を大きく上回る満足感が味わえる、コストパフォーマンスの高さは見事。

ウィッタード・オブ・チェルシー(Whittard of Chelsea)

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価格:25個入り4.5ポンド

1886年にチェルシーで創業した老舗の紅茶ブランド、ウィッタード・オブ・チェルシー。写真のアールグレイティーは無地に近いシンプルな箱入りですが、可愛らしいプリントが施された箱入りのものも多く、パッケージの可愛らしさでも人気を集めています。お茶の種類が多く、試飲したうえで購入することができるので、自分のお気に入りを見つけやすいでしょう。

ウィッタード・オブ・チェルシーのアールグレイティーは、ベルガモットの香りは控えめで、まろやかでコクがある優しい味わいです。重さと軽やかさのバランスがとれた飲み口ではありますが、アールグレイ好きならもっとはっきりとした香りを求めたくなってしまうかもしれません。

飲みやすいのですが、ある意味ではあまり特徴がないともいえ、どうも割高感を覚えてしまったというのが正直なところです。

クリッパーティー(Clipper tea)

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価格:80個入り3.25ポンド

日本でも輸入食品店で見かけることのあるクリッパーティーは、1984年に創業した新しいお茶ブランド。日本買うと少々お高めですが、イギリスではスーパーで大箱で売られている大衆ブランドです。フェアトレード&オーガニックの製品づくりにこだわり、紅茶だけでなくハーブティーやフルーツティーの生産にも力を入れています。ナチュラル&アートな雰囲気の可愛らしいパッケージも人気。

クリッパーティーのアールグレイティーはみずみずしくフレッシュで軽い飲み口が特徴。強い香りではないものの、口に含むとしっかりとしたベルガモットの香りが広がり、爽快な味わいが楽しめます。この安さでこの味とは、驚かずにはいられません。

ズバリおすすめはこれ!

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自分の普段使い用に、あるいはバラマキ土産におすすめなのが、ウィリアムソンティーとクリッパーティーのアールグレイティー。

より深い味わいがお好みならウィリアムソンティー、ライトで爽やかな味わいがお好みならクリッパーティーと、好みに合わせて選んではいかがでしょうか。

香りが芳醇なトワイニングのアールグレイティーも捨てがたいのですが、日本でも簡単に手に入るため、せっかく現地で購入するなら日本ではあまり見かけないもののほうがいいですよね。

特別なひととき用、あるいはワンランク上のお土産として購入するなら、ありきたりではない個性が光る、東インド会社のアールグレイティーがおすすめ。本格志向の人にはきっと喜んでもらえることでしょう。

※味に対するコメントはあくまでも筆者の感想であり、感じ方には個人差があります。また、商品価格は筆者が購入したときの価格であり、購入店や時期によって変動する場合があります。

イギリスで紅茶を買う際の注意点

イギリス紅茶
「イギリスは紅茶大国なんだから、デパートやスーパーに行けばさまざまなブランドの紅茶が一度に手に入るはず」、そう思われるかもしれませんが、意外とそうではありません。

デパートやスーパーで手に入るブランドはごく一部で、ここで紹介したブランドでいえば、トワイニングやウィリアムソンティー、クリッパーティーなど。しかし、店舗によっては、プライベートブランドの紅茶しか置いていないスーパーもあるので注意が必要です。

フォートナム&メイソンや東インド会社、ウィッタード・オブ・チェルシーなどは直営店舗で購入する必要があります。(フォートナム&メイソンは空港でも取り扱いあり)そのため、さまざまなブランドの紅茶を手に入れたいなら「帰国直前にまとめて買おう」などとは考えずに、路面店などを見つけたときに都度買っておいたほうが確実です。

せっかくイギリスで本場の紅茶を買うなら、ショートブレッドやティーケーキなどのお茶菓子も合わせて購入してみてはいかがでしょう。日本に帰国してからもイギリス風のティータイムが楽しめますし、お土産として人にプレゼントする場合でも、お茶菓子とセットならいっそう喜ばれるはずです。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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