トトロには裏設定がある!?噂や都市伝説をジブリマニアが暴いてみる
日本

国民的人気アニメ「となりのトトロ」ですが、トトロには奇妙な話があるのをご存知でしょうか? ウワサや都市伝説、知られざる裏設定まで、その真相をジブリマニアが検証!

トトロにスポットを当てて、ストーリーに隠された謎を、イラストを描きながらマニアックに掘り下げてみたいと思います。

本当は怖いトトロ! 海外では死神として知られている?


サツキとメイが遭遇した不思議な生き物のトトロ。「所沢にいるとなりのオバケ」というのが名前の由来と言われています。

また、トトロは北欧で伝承されている森の妖精「トロール」をモチーフにしたという裏設定もあります。「小さな子どもを攫(さら)う死神」と言うトロールの伝説から、「トトロに会うと死ぬ?」なんて都市伝説まで生まれました。

▲幸運をもたらすと言われているハート型の葉っぱ

トロールは、「気に入った人間には幸運と富をもたらし、気に入らない人間には不運と破滅をもたらす」と言われています。となりのトトロでは、「トトロに気に入られたサツキとメイが幸せな体験をする」シーンが、トロールに共通するように感じられます。

メイがトトロの名付け親?


好奇心旺盛なメイ。池にいる「おたまじゃくし」を「オジャマタクシ」と言うような舌足らずな子供です。そして、トトロを最初に見つけたのもそんなメイでした。

「トトロ」という名前は、メイの幼さゆえ口が回らなかったことで生まれました。

トトロが棲んでいる場所は心霊スポット?


トトロが棲んでいるのはサツキとメイの家の隣にある塚森という設定ですが、塚森は所沢に実在しています。幹線道路から離れた畑の中に忽然と現れる小さな森なので、知らないと辿り着くことができません。実はここ、心霊スポットとしても知られています。

▲塚森とされる白旗塚

塚森の周囲は小手指原古戦場跡とされ、新田義貞が鎌倉攻めのときに最初に鎌倉幕府軍と激戦を交えた場所とされています。塚へ登る階段の近くにある石碑には、「塚を壊した者は霊魔を受けて死に絶える」 といった内容の文字が刻まれています。このことを知った心霊マニアが、心霊スポットとして紹介するようになりました。

そんな「死の世界」を連想させる場所だからこそ、サツキとメイの影が無くなったのはトトロに出逢ったせいだから?とか、すでに死んでしまっているから?なんて都市伝説が生まれたと言えるのではないでしょうか。

▲白旗塚石碑と浅間神社の石の祠

この反響の大きさから、スタジオジブリが「背景や人の影は時間の経過を表現している」、つまり意図的に影は描いていないというコメントを正式に出す事態にまで発展しました。確かに、夕方になるにつれて影は長くなると同時に薄くなります。DVDで確かめてみると、サツキとメイに限らず村人の影も無いことがわかります。

目の焦点が合っていないトトロ


「果てしなく遠くを見ているような目にしないと、トトロの特徴が出ない」と宮崎駿監督は言っています。

トトロは「森の主(精霊)」と設定されていて、可愛らしい生き物のように描かれていますが、本来は恐れるような存在です。

そんなトトロに向かって、サツキは「メイが迷子になって見つからないの……メイを探して!」とお願いするシーンがありますが……

トトロは本来、人間と意思疎通できるかどうかも定かではありません。宮崎駿監督も、「トトロはサツキに同情して助けたわけではない」とコメントしています。

トトロっていったい何?


▲メイが描いたトトロの似顔絵

となりのトトロは「もののけ姫」と通ずるものがあります。

となりのトトロの初期設定は「むかし、トトロ族と人間の間で戦いがあり、トトロ族は戦いに敗れて姿を消したが時々姿を現していたので、オバケとかモノノケとか言い伝えられてきた。ある時、トトロ族の子孫が所沢に現れた。」でした。これはある種の裏設定と言えます。

また、「もののけ姫」の「むかしこの国は深い森におおわれそこには太古からの神々がすんでいた」という冒頭メッセージと類似しています。

▲トトロの先祖になるコダマ

また、「もののけ姫」には、森の精霊「コダマ(木霊)」が登場しますが、コダマに耳が生えて進化したのが「トトロ」だと、宮崎駿監督は言っています。日本には人が踏み入れない森がまだまだあり、そこにはコダマから進化したトトロが隠れているのかもしれませんね。

となりのトトロに都市伝説が多いのはなぜか?

このようにとなりのトトロは、海外のトロールをモチーフにしているため、「トトロは死神」といった「死のイメージ」が付きまといがちです。観ている人によっては不気味な雰囲気を感じ取ってしまうのかもしれません。

事実、宮崎駿監督はトトロを通して「自然の怖さ」を描いているのだと思います。例えば、狭山丘陵に限らず、日本の森林は、暗くて怖く感じることがあります。どこからともなく「ケモノの気配」を感じることもあります。

このような森や林の雰囲気が「怖い」という感覚は、日本人の「アニミズム」、つまり「自然に対する、ある種の尊敬の念」だと宮崎駿監督はコメントしているようです。

以前、幼い娘を連れてハイキングしていた時、大人にとっては怖くなくても、純粋で敏感な子供にとっては「コワイ!」と反応してしまう対象であることを思い出しました。

マニアックなジブリファンとして、これまで「となりのトトロ」に限らず、宮崎駿アニメからは「自然の怖さ」や「生と死の世界」について、一貫したメッセージのようなモノを感じていたので、裏設定を知ると腑に落ちます。

裏設定がウワサや都市伝説を生む仕組み


▲傘を持ったトトロ

ウワサや都市伝説が生まれるメカニズムを知る、わかりやすい裏設定の例を紹介しましょう。

トトロが傘を貸してもらって喜ぶシーン。観る人の多くは「雨に当たらず喜んでいるトトロ」と受け止めたかも知れませんが、喜んだ理由は他にあったことを知っていましたか?

実は宮崎駿監督は「頭上の木の枝から垂れる雨で、“ボトンッ”と傘が音をたてて鳴ったら、トトロは傘をすてきな楽器だと思って喜ぶかもしれない」と想像を膨らませたようです。


▲自然の中に突然現れる規制線

例えば写真のように、手つかずの自然がいっぱいある狭山丘陵を歩いている時に、「立ち入り禁止」の規制線を見たらどんなイメージを持つでしょうか? 単純に「ここは入れないんだね!」と思うのか、「何か事件や事故があったのかな?」と思うのかによって、次にとる行動や気持ちが変わってきます。

▲下りの明るく見える道と上りの薄暗く見える道の分岐点

先ほどの「トトロが傘を持って喜ぶシーン」を取り上げてみても、裏設定を知っているかいないかによって受け取りかたは違っています。宮崎駿監督のアニメには裏設定があるからこそ、観る人によって違う印象を持ち、ウワサや都市伝説が絶えないのだと思います。

トトロの存在は境界線?


自然の動物からしたら、人間は好き勝手に振舞う傲慢な動物に映るかもしれません。人間は住む場所が足りなくなったら、森林を切り開いて宅地にしたり、利便性を求めて鉄道や道路を造ったり山を切り崩したりしています。

宮崎駿監督は、トトロや真っ黒クロスケのようなキャラクターを使って、自然を破壊する人間界に警告しているのではないかと感じます。特にトトロは、自然界の領域と人間界の境界線を表す存在のように感じます。

マニアックなジブリファンとして、ストーリーに隠された裏設定までしっかり感じ取れる人間になりたいなあと思います。私たちは、人間に都合の良い整備された森では無く、何の変哲もない狭山丘陵でケモノの気配を感じながら、彷徨ってみる時間が必要なのかもしれませんね。

トトロの森を抜けると天空の城ラピュタの城壁塔モデル?

トトロの森を抜けて、山の稜線に沿いに進むと、鬱蒼とした森の中に忽然と現れる建築物。観た瞬間に、「天空の城ラピュタのストーリーに登場する城壁塔みたい」と思いました。空中海賊「ドーラ一家」の、ドーラが操縦するフラップターという乗り物にパズーが逆さにぶら下がり、すり抜けながら塔の上にいるシータを救出するシーン……あの塔です。妄想しすぎですかね。
トトロの森を抜けると天空の城ラピュタの城壁塔モデル?

トトロの森のはずれにある展望台

この記事を書いた人

MAKIJI

MAKIJI

秋田生まれ東京育ち。中年デビューのスピリチュアル系フリーライターとして、都市伝説でウワサされる神秘的なエリアをotaku感覚で追いかけます。日本人が忘れかけている魅力的なスポットの隠された謎を一緒に紐解きしませんか?五感をフル活用した情報であなたの背中をそっと後押したいと思います。

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