ライン川沿いに位置し、フランクフルトからも電車に乗って30分ほどで来れてしまう場所にある町マインツ。この町にある、幻想的で真っ青な教会についてご紹介します。
ドイツの古都マインツ
マインツといえば「カーニバル」の印象が強いですが、町には可愛らしい木組みの家が並ぶ旧市街や賑やかなマルクト、活版印刷技術を発明したグーテンベルクの博物館など、他にも様々な見どころがあります。
特に教会の数は沢山。大小様々の個性的な教会がいくつもあり、ライン川に架かる橋の上方は町の上ににょきにょきと立っている教会の塔が見えます。
幻想的な「青の世界」聖シュテファン教会
そして数ある教会の中でもひときわ注目を浴びているのが、10世紀に建てられた聖シュテファン教会。丘を登った先にあるこの教会ではなんと、幻想的な「青の世界」を見ることができるのです。
教会の入り口の扉も、ドアノブが魚で可愛いですね。まるでここが「深海」への入り口とでも言っているかのよう。皆が触るので、魚の模様が半分消えてツルツルになっています。
中に入るとそこには神秘的な青な世界が広がり、本当に海の中に居るかのような気分になります。加えて青い色のせいでしょうか、何だかリラックスできるような、不思議な感覚を筆者はここで感じました。
巧みなステンドグラスが作り出す青い世界
この青い世界を作り出しているのが、シャガールの作り出したステンドグラスです。
シャガールは1985年に亡くなりましたが、その死までに彼はこの教会前方にある9つのステンドグラスを完成させました。つまり、ここにあるステンドグラスは彼の遺作となるのです。
聖書に出てくる登場人物やできごとをテーマに、異なる青色を巧みに使ってステンドグラスが描かれています。分かりやすい物ですと、写真向かって左の一番下にはアダムとイヴの誘惑シーンが描かれています。
内部全体が真っ青な教会ですが、マリア様の前だけは「青の世界」ではない特別な空間になっていました。床に反射したステンドグラスが美しいですね。
教会の後ろでは、ステンドグラスのポストカードをはじめとするお土産類が販売されています。また運が良ければ、パイプオルガンの演奏を聴くこともできますよ。
中庭には美しい回廊もあります。ここを静かに歩くだけでも、心が洗われるような気持ちになります。
今となってはマインツ観光の目玉として多くの観光客が訪れるシュテファン教会ですが、祈りを捧げに来ている人ももちろんいます。彼らの祈りの邪魔にならないよう、訪れる際には話し声などが大きくならない様に気をつけたいものです。
他の人を配慮する気持ちを持ちながら、神秘的な世界を楽しんでください。