ドイツに住んだ私がすすめるローテンブルク観光を120パーセント楽しむ10の方法
ドイツ

「ロマンティック街道のハイライト」としてあまりにも有名な、ドイツのローテンブルク。

町が小さいだけに「数時間の観光で十分」と思われることが多く、ほかの町から町へ行く途中に数時間滞在するという旅行者が多いのが実情です。

 

ところが実際には、ローテンブルクは小さな面積にあふれんばかりの魅力が詰まった町。日帰りではなく宿泊してたっぷりと時間を過ごせば、いっそう魅力的な表情を見せてくれます。

これまでにローテンブルクを3度訪れ、ドイツ在住経験をもつ筆者がローテンブルクを120パーセント楽しむ10の方法をご紹介しましょう。

ソクたびソクたび

市庁舎の塔から旧市街を一望

ローテンブルク旧市街の中心・マルクト広場で、ゴシック様式とルネッサンス様式の特徴をあわせもつ壮麗な姿を見せているのが市庁舎。ローテンブルクにやってきたなら、市庁舎の塔からの風景を見ずしてこの町を去ることはできません。

 

市庁舎の正面入り口から館内に入り、220段ほどの階段をのぼると、高さ60メートルの塔へとたどり着きます。そこに待ち受けているのは、360度を見渡せるローテンブルクの大パノラマ。

ガイドブックでよく紹介されるオレンジ屋根の建物が連なるマルクト広場に、豊かな緑に抱かれたかたつむりのような形をした城塞都市……日本人が思い描く「夢のドイツ」がつまった風景は、文句なしの絶景です。

きっと、いつまでも瞼に焼きつけておきたくなる素晴らしい景色に出会えることでしょう。

リーメンシュナイダーの傑作と対面

中世のテーマパークのような町並みから、ただ歩くだけでも楽しいローテンブルクですが、入場観光を加えると楽しみが倍増します。

ローテンブルクに行ったら必ず訪れてほしいのが、聖ヤコプ教会。13世紀建造の町を代表する教会で、中世ドイツが生んだ天才彫刻家リーメンシュナイダーが制作した祭壇があることで知られています。

 

リーメンシュナイダーの傑作との呼び声高い、「聖血の祭壇」があるのは教会の2階にある小部屋。

中央に最後の晩餐の場面が表現された祭壇では、人物の足の血管や衣類の質感にいたるまで、細部にわたって見事な表現力が発揮されています。

 

その出来栄えは、まさに「超絶技巧」。「人間の手でこんなものが造れるとは……」と、あんぐりと口を開けたまま見入ってしまうほど。

窓のステンドグラスから太陽の光が降り注ぎ、祭壇に陰影を作る朝の時間帯はひときわ幻想的。

正面から、横から、後ろから、さまざまな角度から神々しいまでの芸術作品を堪能してください。

聖ヤコプ教会
91541 Rothenburg ob der Tauber

中世犯罪博物館でダークな中世に触れる

ローテンブルクの密かな人気スポットが、「中世犯罪博物館」。

ドイツで唯一の法と刑罰の歴史博物館で、中世時代の法制度や懲罰などを専門に紹介する世界的にも珍しい博物館です。

 

「中世」というと、なにかとロマンティックなイメージを持たれがちですが、実際には魔女狩りや拷問などの残虐行為もさかんに行われていた時代。

この中世犯罪博物館では、身持ちの悪い女性を閉じ込めたという「鉄の処女」をはじめとする恐ろしい拷問器具や、死刑執行人のマントなど、ダークな中世を象徴する品々が紹介されています。

その一方、中世の懲罰のなかには「恥の仮面」と呼ばれる不格好な仮面をかぶらされ、広場などでさらし者にされるといったものもあり、情けない仮面の数々も展示中。

恐怖のエピソードから、今となってはちょっと笑えるエピソードまで、日ごろ触れることのないリアルなヨーロッパ中世世界の一端が垣間見えます。

中世犯罪博物館
Burggasse 3-5, 91541 Rothenburg ob der Tauber

名物菓子シュネーバルにトライ

ローテンブルクの名物が、この地域の伝統菓子「シュネーバル」。「雪玉」という名の通り、ひも状の薄い生地をボール状に丸めて揚げた、パイとクッキーの中間のような食感のユニークなお菓子です。

もともとは、300~400年前から結婚式などの特別な機会に食べられていたお菓子でしたが、現在ではローテンブルクにある専門店やベーカリーでいつでも気軽に買うことができます。

 

ローテンブルクのあちこちで見かけるシュネーバルですが、特におすすめなのが、今もシュネーバルを手作りしているスイーツショップ「Walter Friedel」と家族経営のベーカリー「Striffler」のもの。

通常サイズのシュネーバルは、こぶしほどの大きさ。初めて見るとそのサイズに驚いてしまうかもしれませんが、本物のシュネーバルは、サクサクした軽い食感で、見た目よりもずっとあっさりとしています。

いずれのお店もイートインスペースがあるので、フレッシュなシュネーバルを店内でいただきましょう。

6週間ほど日持ちするシュネーバルは、お土産として日本に持ち帰ることも可能。ただし、もろく割れやすいので、お土産にするならしっかりとした箱入りのものがおすすめです。

Walter Friedel
Markt 8, 91541 Rothenburg o.d.T.

Bäckerei Striffler
Untere Schmiedgasse 1, 91541 Rothenburg o.d.T.

一年中クリスマス気分を味わう

もはやローテンブルクで必見の観光スポットと化しているお店が、「ケーテ・ヴォールファールト(Käthe Wohlfahrt)」。

世界で初めて年間を通じてクリスマス用品の販売を始めた店で、日本でもよく知られた存在ですが、本店はここローテンブルクの「クリスマスビレッジ(Weihnachtsdorf)」なのです。

お店の前に停まっている、プレゼントを満載した赤いトラックは格好の写真撮影ポイント。

店内にはさらなるメルヘン世界が広がっており、巨大なクリスマスツリーにクリスマスピラミッド、動くぬいぐるみの家などがつまった空間は、魔法のクリスマスワールド。

クリスマスのオーナメントはもちろん、人形やクリスマスピラミッド、キャンドルやペーパーナプキンにクッションカバーと、ありとあらゆるクリスマス用品が並ぶ光景は圧巻です。

買い物をしなくても一見の価値あり。店の奥には「ドイツ・クリスマスミュージアム」があり、アンティークの貴重なクリスマスツリーやオーナメントなどを展示しています。

※通常、内部の写真撮影は禁止ですが、特別に許可を得て撮影しています。

Käthe Wohlfahrt Weihnachtsdorf
Herrngasse 1, 91541 Rothenburg o.d.T.

城壁の上を歩く

ローテンブルクは、旧市街の周囲をぐるりと城壁が囲む城塞都市。ところどころに設けられた階段をのぼれば、無料で城壁の上を歩くことができます。

一部下の道を歩く区間もありますが、歩ける部分だけで全長約2キロの城壁ウォークは、ちょっとした運動に。

一周する時間がない人は、一部だけを歩いてみるのもいいでしょう。

毎日世界各国から大勢の観光客が訪れるローテンブルクですが、城壁の上を歩く人は意外にも多くはありません。

そのため、城壁の上は比較的空いていて、本物の中世都市にタイムスリップしたかのような趣が味わえます。下の道を歩くときとは視点も変わるので、きっと新しい発見があるはず。

地元女子が集まるキュートなカフェに潜入

観光客向けのカフェやレストランが多数あるローテンブルク。ですが、ここでは観光客よりもむしろ地元女子の支持を集めるとっておきのカフェをご紹介しましょう。

 

それが、「Einzigartig」。

旧市街のはずれ、観光のメインルートから外れているために、観光客はあまり多くない穴場的存在のカフェです。

ローテンブルクらしく、木組みが印象的なピンクの建物の中は、アンティーク調にまとめられたハイセンスでキュートな空間。こんなに可愛い店内で、おいしい自家製ケーキとともに過ごすくつろぎタイムは最高です。

このカフェは雑貨ショップも兼ねていて、マグカップやポストカードなど、気に入った商品は購入することもできるので、お土産探しにもいいかもしれません。

Cafe Einzigartig
Galgengasse 33, 91541, Rothenburg, Bavaria, Germany

夜警ツアーに参加する

中世ヨーロッパには、敵の襲来や火事などをいち早く知らせ、町を守った「夜警」が存在していました。

かつて6人の夜警がいたというローテンブルクには、今も一人だけ夜警が残っています。本来の意味での夜警ではなく、観光客向けのガイドではありますが。

現在、ローテンブルクでは、黒いマントをまとった夜警が夜の町を案内する「夜警ツアー」が開催されています。冬期は休業となりますが、マルクト広場から20:00から英語のツアー、21:30からドイツ語のツアーがスタート。

日中の喧騒が嘘のようにひっそりと静まり返り、オレンジ色の光が石畳を照らす夜のローテンブルクには、昼間にはない情緒がたっぷりです。

プレッツェル作りを体験

「ドイツパンといえばプレッツェル」というほどに有名なプレッツェル。ローテンブルクには、そんなプレッツェル作りを体験できる場所があります。

 

ローテンブルクきってのフォトスポット、プレーンラインの近くに位置する家族経営のベーカリー「Striffler」では、マイスター資格をもつ職人に教わりながら、プレッツェル作りに挑戦できます。

プレッツェル作り体験は、原則として月~金曜日の平日に体験でき、一人から実施可能。メールまたは電話(英語可)で体験希望日の3日前までに予約が必要です。

料金は一人8ユーロ(1~5名の場合)で、所要40~50分とお手軽。プレッツェル独特のハート形を作るのは意外に難しく、思った以上に奥が深いことがわかるはずです。

体験の詳細はローテンブルクの電子パンフレット(英語)の9ページ目にて。

Bäckerei Striffler
Untere Schmiedgasse 1, 91541 Rothenburg o.d.T.
e-mail:jstriffler1@gmx.de

絶品アップルチップスをゲット

ドイツ屈指の観光地だけにさまざまなショップがあるローテンブルクですが、一度は試してみてほしいのがアップルチップス。

オーガニック加工食品の専門店「レーベ・ゲズント・ラーデン(Lebe Gesund-Laden)」では、ローテンブルク近郊で採れたリンゴを使った無農薬のアップルチップスを販売中。

ここのアップルチップスは、砂糖を加えていないのに驚くほど甘くフルーティで、一度食べると止まらなくなってしまうほどのおいしさなのです。

 

最も小さいサイズのアップルチップスは120グラムという手ごろな量ですが、それでも一袋に7個ものリンゴが使われているとか。自分で食べるのはもちろんのこと、重くないので家族や友人へのお土産にもおすすめです。

Lebe Gesund-Laden
Untere Schmiedgasse 17,91541 Rothenburg o.d.T.

宿泊することによって、短時間の滞在ではできないさまざまな経験ができるほか、朝・昼・夜と、時間ごとに変わるローテンブルクのさまざまな表情にも出会えます。それは、数時間町を歩くのとはまったく異なるローテンブルク体験。

 

この町に宿泊してゆったりと時間を過ごすことで、ローテンブルクがもつ魅力の幅の広さと奥の深さに気づくことができることでしょう。

ローテンブルクは、いつも、何度でも、おとぎの世界にいざなってくれる場所なのです。

3度目のローテンブルクはまったく違った体験に

筆者がローテンブルクを訪れたのは3回。そして、ローテンブルクに初めて宿泊したのは3度目のことでした。初回と2度目もかわいい風景に囲まれて大満足の旅となりましたが、3度目で初めて宿泊してみて、この町が思っていた以上に奥の深い町だということに気づきました。

小さな町ながら、教会やミュージアムが複数あり、ドイツでも有数の観光地ながら、そこには地元の人々の生活があり、タウバー渓谷の豊かな自然に囲まれてもいる。朝や夜には団体ツアー客の姿は消え、ひっそりとした中世都市の情緒を漂わせている・・・

日帰りでも楽しめるローテンブルクですが、「この町の本当の魅力は宿泊してのんびりと滞在してこそわかるものだ」と、その魅力に深くハマったのです。
3度目のローテンブルクはまったく違った体験に

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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