タイ王国の特集

知る人ぞ知る、カンティーニ美術館で。シルヴァ特別展のプレミア・レセプションの様子とは?
フランス

フランスの美術館は、大小さまざま。

公的に創られた近代的なものから、画家や彫刻家個人の住まいやアトリエがそのまま財団になっていたり、個人の蒐集品が邸ごとそのまま寄贈されていたり。

どちらも、たいていが未成年の子どもは無料だったり、月に1度は全ての人に無料開放だったり、大きな美術館では、ノクターンと呼ばれる週1度の夜遅くまでの開館日を設けているので、足を運びやすいからでしょうか。美術館は、とても身近な存在です。

 

たとえば、「今、公開中のあの映画面白いよ。観た?」というのと同じ感覚で、「今、開催中のあの特別展すごくいいらしいけど、もう行った?」という会話になったり。

新しい特別展の始まるときには、映画の公開を待っているような、ちょっとわくわくした感覚があります。

だから、inauguration(プレミア・レセプション)は、とても楽しみにしていることのひとつ。一般公開前日に見られるというのは、1番乗り気分でやっぱり心弾むのと、何より、活気あるその雰囲気が大好きです。

 

ちょうど、始まったばかりのMusée Cantini(カンティーニ美術館)のCIRVA(シルヴァ特別展)での様子をご紹介しますね。

Inauguration(イノギュラシオン)プレミア・レセプションの愉しみ

フランスの場合、プレミア(前日公開)に、誰でも入れることも多々あります。でも、その場合は、先着順の入場システムで、整理券が配られることもない上、一般入場開始時間が夜遅いので、長い間行列しないといけないのが難点。かなり混雑するのが常ですが、本当に心待ちにしていた人とか、誰より早くというよりは、無料なのが魅力でという声をよく耳にします。

だから、家族や友人知人、大人数でわいわいとというグループも。行列は苦手・嫌いというフランス人たちのはずなのに、アート・イヴェントに関しては例外のようなのは、Nuit Blanche(ニュイ・ブランシュ)でもご紹介した通りです。面白いですよね。

その一般プレミアの前にあるのが、inauguration(プレミア・レセプション:テープカットやスピーチから始まる儀礼の後のカクテルと見学)。こちらは、多くの場合、市長や文化大臣・国会議員などが主賓で、招待客のみ。

カードの封筒だけを渡すこともあれば、身分証明書で確認する場合もあります。
さて、中へ。

こちらが、知る人ぞ知るMusée Cantini(カンティーニ美術館)

小さいけれど、よく知られているMusée Cantini(カンティーニ美術館)。マルセイユでは知らない人のいないといわれるJules Cantini(ジュール・カンティーニ氏。氏についての詳細は、また改めて。マルセイユにとっては美術芸術の偉人のひとりです)の元邸宅と多大なコレクションによるものです。

17世紀に造られたこの建物は、もともとは地中海系の漁業海運会社として始まったもので、後に市長となった一族の所有を経て1888年にJules CANTINI(ジュール・カンティーニ氏:1826年-1916年)の邸宅となりました。

 

彫刻家であり美術愛好家だった彼のモダンアートのコレクションはかなりのもので、美術館としては小さなこの3階建ての邸ではもちろん入りきらないほど。他の美術館に貸し出されたり、専用倉庫に保管されたり。だから、常設展示は、折々入れ替わるのもサプライズな愉しみでした。子どもが小さかった頃の、冬のお天気の悪い日の過ごし方のひとつ

 

昨年、コンセプトが一新され、館内全てが企画展示になりました。今回は、CILVA(シルヴァ。こちらについては、追ってまた。文化庁により1983年にマルセイユに創られたガラス・アート専門機関です)によるもの。

入り口を入ってすぐのホールを抜けると、周りの建物に囲まれた中庭があります。フランスでよくあるスタイルですね。

こちらが、(本物の)マルセイユ市長(TVドラマシリーズではドパルデューで有名ですが)のJean-Claude GAUDIN(ゴダン氏)。数々のイノベーションや改革を進めてきている一方で、街角の八百屋さんで、車から降りて気軽にみかんを数個買うような、気さくな方です。ある大統領候補者が、パンの値段を尋ねられて知らなかったのとは対象的なエピソード。小銭を出して、自分でちゃちゃっと支払っていました。

美術展プレミアのドレスコードは、リラックス。

個人主義のフランス。モードも職業に係わらず、それぞれ自分スタイルを持っている人がほとんどです。こうした美術展やモダンアートのプレミアなら、平日の18時からという設定が多いので、仕事帰りにそのまま来る人も多いから、格別華やかなこともないし、とても個性的。

いつも通りの人もいれば、わざわざ着替えて帽子にピンヒール、という人も。要は、自分が心地よく過ごすために来る、というスタイルです。

これが、ガストロノミーだったり宝石や特別豪奢なテーマだったりすると、招待状自体にドレスコード(男性はブラックタイ、女性はロングドレスで、など)が書いてあるんですが、多くの場合、本当にカジュアル。ただ、髪や爪の手入れに余念がないのがひと目でわかる人を多く見かけます。

ね? スーツの男性も、スカートの女性も少ないでしょう?

秋冬は全体的にダークカラーで、差し色にスカーフやストールを使うといのは、パリもマルセイユも同じ。ただ、マルセイユでは、夏は、真っ白や明るい色使いを身にまとう人が多くなるんですけど。

 

こちらは、TVインタビューを受けているCIRVAの代表Mme.Isabelle REIHER(マダム・レイエ。左)。

『Une Maison de Verre』

そんなCIRVAの作品たちから、特に目についた3点はこちら。

9月24日まで半年開催。場所は、ルイ・ヴィトン ブティック正面です。

Musée Cantini

COMPORTEMENT 服装より大切なこと

Bise(ビズ。頬と頬を重ねてする挨拶)がポピュラーなフランス。初対面でも、友達の友達なら気軽にビズ、家族の友人や友人の家族もそう……と思いきや、意外と多いのが「握手」の機会なんです。

ルーティンにはなっていない仕事で、公的場面で、私的繋がりだけれどそうくだけてはいない集まりで、などなど。まずは、握手から始まります。そうして、その時の空気感次第では、「(そんな堅苦しいことしてないで)ビスにしましょうか?」と続くことも、モチロンあるんですけど。

「握手には、人となりが出る」という分析が語られてもいるフランス。服装より大切なのは身のこなし。とても印象に残ります。

……確かに、日本でもお辞儀のしかたひとつで違いが出ますよね。挨拶いろいろ、でも、大切さは同じ。

この記事を書いた人

ボッティ喜美子

ボッティ喜美子仏日通訳翻訳・ジャーナリスト

フランス在住。東京で長らく広告・PR業に携わり、1998年に渡仏。パリとニースで暮らした後、2000年からパリジャンの夫の転勤で南米ブエノスアイレスへ3年、出産も現地で。パリに戻り、地中海の街マルセイユへ転勤して13年。南仏拠点で時々パリの実家へ、家庭優先で仕事しています。Framatech社主催の仏ビジネスマン対象のセミナー『日本人と仕事をするには?』講師は10年目(年2回)。英語・スペイン語も少々。

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