タイのチェンマイに行った時、チェンマイ付近の山岳地帯に住んでいる少数民族を訪れる機会がありました。その少数民族とは、首にリングを巻いている首長族(カレン民族)。
彼らの暮らしを垣間見て、シャイだけどとても素敵な笑顔の子供達に会ったり、素敵なお土産を買ったりと、楽しみました。
チェンマイ付近には少数民族の村がたくさんある
タイのチェンマイの山岳地帯には、少数民族が住む村がたくさんあります。その村を回るツアーもたくさんあります。私たちは、象に乗った後に首長族の村を訪れるツアーを申し込みました。
首長族の村に行くとまず、看板と門が目に飛び込んできました。バスを降りて村の中に入っていきます。
この村は以前はもっと山岳地帯にあったそうですが、彼らの生活保護のため、そして観光客が来やすいようにという観点から移動して来たのだそうです。
なお、彼ら少数民族たちは、国からの補助金のほか、自分たちが作った民芸品の売上や観光客の入場料によって生計を立てているようです。
村の入り口近くにはお店が立ち並び、たくさんの民芸品が売られていました。
リス族の女性
首長族ではない他の民族の人々もいてお土産を売っていました。私はリス族の女性が売っているポーチを買いました。
カラフルな布がパッチワークのように縫い合わさってあるデザインのポーチです。とても賑やかな色合いです。今でもペンケースとして活躍しています。
ガイドさんからの説明
村の入り口でまず首長族についての説明を受けます。ガイドさんによると、彼らはもともとミャンマーの山岳地帯に住み、50年ほど前に移動してきた民族(カレン族)だそうです。赤い口紅と首に巻いているリングが女性の特徴です。
リングを巻いている民族はアフリカにもいますが、彼らが1つ1つ独立しているリングを使っているのに対し、チェンマイの首長族の人たちは、1本の長い金属を首にくるくる巻きつけていきます。
首に巻く専門の人がいて彼女たちの首に巻きつけていきます。金属は今でもミャンマーから輸入しているとのことです。
大人の女性も子供達も首に巻きつけています。子供が首にリングをするかどうかは、子供が5~6歳の頃に本人の気持ちを聞きながら親が決めるのだそうです。
リングをすることにした子たちは、11歳になった時に、この先も続けるかどうかを自分で決めるのだそうです。
ただ、大人になってしまうと頭の重さに首が耐えられなくなり、リングを外すことができなくなります。特に50歳を過ぎると絶対に取れないのだそうです。
よく見てみると、人によって首の長さが違います。これは、その人の身長や体重次第なのだそうです。頭の重さに首がどれだけ耐えることができるのかということなのでしょうか?
大人の女性だけでなく、子供達も口紅を塗ってちゃんとお化粧をしてとっても綺麗です。みんなとても素敵な笑顔です。そんな若い女の子たちに「写真を撮っていい?」と聞くと、シャイな笑顔で頷いてくれました。
カレン族の人が機織りしている、素敵なスカーフ
そんな女性たちはせっせと機織りをしています。多分昔から伝わってきたと思われる独特の方法で丁寧に仕事をしています。
比較的年配の人も、若い人も作業していたので、きっと子供の頃から教わるのだろうと思いました。
作業場の前で色々な種類の布が売られていました。カラフルなストールは、どれもとても魅力的でしたが、特に特徴的な織り方をしたストールに興味が湧きました。
糸の大部分が織り込まれずに残された状態になっているのです。そんなデザインの織物は初めて見ました。
面白かったのでお土産に購入しました。また金色の糸を練りこんである織物もとても豪華だったので購入しました。素敵な笑顔の女の子と一緒にパチリ。
一方、男性陣たちは……
よくみるとせっせと働いているのは女性陣だけで、多くの男性陣は座っていました。ガイドさんによると首長族の男性はもともと兵士なのだそうです。
中には粉挽きをしている人もいました。テコの原理を使って棒で粉を挽きます。この様子は小鹿田焼きの見学をした時に見た、土を細かく砕く原理とよく似ていました。
男性陣は私たちが見えないところで農作業などを頑張っているのでしょうが、多くの人は座っていたので、ちょっと退屈そうにも見えました。
ミャンマーからタイに移動してきて……
ミャンマーから移動してきたので、ミャンマーの山岳地帯で生活していたのとは違う苦労も見られるようです。
例えば、タイの気候の暑さ。暑いタイの気候のせいで首につけてあるリングが熱くなってしまい首を火傷してしまうこともあるのだそうです。
子供の頃、首長族のことをテレビで見て、「いつか行ってみたいな」と思っていました。その時は、まさか本当に行くことができるとは思っていませんでした。実現できて本当に嬉しかったです。
いつもピカピカに磨き上げられ、大切に手入れされたリング。文化を大切に守っていく中で色々な苦労があったと思います。それでも大切に守ろうとしていることに感動しました。