毎日毎日暑くてジメジメしていてもうイヤ! と、筆者が逃げていくのは奥日光。標高1200mから1500mの高原に広がる奥日光は下界とは別天地の涼しさ。東京の気温よりも約5度〜10度も低いんです。しかも、明治中期より国際避暑地として栄えた奥日光には、絶景や涼感スポットや文化財も目白押し! 東京から約3時間でアクセスできる涼しさ別天地の避暑地を、日光大好き筆者がバリアフリー情報を交えてお届けします。。
涼しさ&絶景なら奥日光三名瀑の滝巡り!
70を超える滝があると言われる日光市。中でも奥日光の三名瀑「華厳ノ滝・竜頭ノ滝・湯滝」は、涼しさも美しさも抜群。
人気No1は、やっぱり「華厳ノ滝」!
三名瀑の一番人気は華厳ノ滝。日本一高い標高にある湖・中禅寺湖から流れ落ちる落差97mの壮麗な滝です。滝の全貌を見るには「華厳滝エレベーター」で100m降り、さらに階段を下って観瀑台へ。華厳ノ滝を囲む簾状の美しい滝は十二滝。華厳ノ滝の反対側には涅槃の滝の滝もあるのでお見逃しなく。観瀑台は真夏でも肌寒いくらい! 華厳ノ滝は午後になると逆光になるので、午前中に訪れたいスポットです。
エレベーターを使わずに華厳ノ滝を観たい時には、地上の観瀑台へ。この見瀑台からは、滝を上から見下す展望になります。
☆バリアフリー情報:エレベーターで降りる観瀑台は長い階段があり、車いすは不可。地上観瀑台は車いす可。
●華厳の滝(日光旅ナビ)
●華厳滝エレベーター
華厳ノ滝は水量を調節している!?
壮麗で迫力のある華厳ノ滝! しかし、2024年の華厳の滝には異変が・・・。実は2024年7月末現在、昨年の秋からの水不足で華厳滝ノ水量が少ないんです。え? なんで? 昨年からの水不足が影響するの? って思いますよね。
実は華厳の滝は中禅寺湖の端にある「中禅寺ダム」から落ちる滝。華厳ノ滝は中禅寺湖の水位によって落水量が違います。平均では毎秒平均約1〜3tの水が流れ落ちますが、現在は昨年からの水不足で0.3t(2024年7月20日現在)。
逆に台風の後などで中禅寺湖の水位が上がると落水量が増え、2018年の台風の後には毎秒55tもの落水量になったんですよ。やせっぽちの華厳ノ滝か、でぶっちょの華厳ノ滝か、落水量によって滝姿が変わるのもレアですね!
詩情あふれる優美な「龍頭ノ滝」
写真好きに人気のフォトジェニックな滝は龍頭ノ滝。滝壺付近の大きな岩が滝の流れを左右に分けて滝壺に流れ込みます。この滝は、滝を分ける岩が龍の頭に、左右2本の白い滝が龍の鬚に見えることから「龍頭ノ滝」と名付けられました。
流れが分けられる前の滝姿は、滝上から眺められます。滝上には駐車場もバス停もあるので便利です。
滝上から滝壺の観瀑台までは「龍頭ノ滝園地」が整備され、滝の流れに沿って歩けます。ここは、ぜひ歩いてほしい絶景&涼感スポット。
滝壺の観瀑台がある「龍頭之茶屋」は、美味しいメニューが目白押しのグルメスポット。滝を見ながらイートインで気軽においしい食事や甘味を楽しめます。
☆バリアフリー情報:滝上から龍頭之茶屋への散策路「龍頭ノ滝園地」は車いす不可。龍頭の茶屋と観瀑台までは、龍頭の滝駐車場から短い急坂を上りますが、車いすでもアクセス可能。
マイナスイオンたっぷり! 湯滝から戦場ヶ原へ
日光三名瀑の中で、ことさらダイナミックな滝は「湯滝」。
湯滝駐車場か観瀑台に向かって歩いていくと、滝の音が轟轟と聞こえてきます。マイナスイオンがバシャバシャと降り注ぎ、暑い日にはこれがたまらなく気持ちいいのです!
湯滝の観瀑台から階段を下っていくと、湯滝が川となって流れていく「湯川遊歩道」に、さらに進むと戦場ヶ原に出て、赤沼や小田代ヶ原へのハイキングコースにつながります。
湯川沿いの散策は、水面に映る緑と木漏れ日がめちゃめちゃキレイ!
戦場ヶ原や小田代ヶ原まで歩くと変化に富んだコースを楽しめますが、湯川沿いをほんの少し歩くだけでも、涼しく美しい渓流と森林浴を楽しめますよ。
☆バリアフリー情報:湯滝駐車場から観瀑台は少々道は悪いものの車いすを押して行けます。しかし、その先の湯川散策、戦場ヶ原ハイキングは車いす不可。
国際避暑地日光の面影を残す「中禅寺湖」を涼しく満喫!
中禅寺湖は日本一標高の高いところにある湖(湖面標高1296m)。約2万年前に男体山の噴火によって川がせき止められて湖となりました。イタリアのコモ湖にも似た美しい風景は、明治中期より昭和初期まで多くの欧米の要人たちの心を捕らえ、海岸には各国大使館の別荘や大使の別荘が立ち並び、ルアーフィッシングやヨット遊びなど避暑地文化が花開きました。現在はフランス、ベルギー大使館別荘が現役で使われており、旧英国大使館別荘と旧イタリア大使館別荘は、英国大使館別荘記念・イタリア大使館別荘記念公園として公開されています。
風を受けて湖上遊覧「中禅寺湖クルーズ」
絶景&涼しさを、歩かずにしてGetしたい方は、船の駅中禅寺を出発して「菖蒲ヶ浜ーイタリア大使館別荘記念公園 ー 歌が浜」を巡る、中禅寺湖一周の遊覧クルーズがおススメ。湖上の爽やかな風を受けながら中禅寺湖の魅力を堪能できます。
トレッキングでしか行けない八丁出島、上陸禁止の聖地・上野島も、すぐ横を船で遊覧できます。遊覧船はクーラーが効いた船内席の他に、甲板に出ることもできます。
☆バリアフリー情報
遊覧船の船内席は車いすでも乗車可能。貸し出し用の車いすも用意されています。甲板は車いす不可。
中禅寺湖遊覧船の大使館別荘記念公園で下船すれば、桟橋から徒歩約3分で「イタリア大使館別荘記念後編へ楽々アクセス! 歌が浜駐車場、または中禅寺立木観音のバス停からは木立の美しい湖畔の散策路を歩き、英国大使館別荘記念公園経由で約15分で到着します。
上の写真は「イタリア大使館別荘記念公園」。この建物は昭和3年にイタリア大使館別荘として建てられたもので、平成9年まで歴代の大使が使用していました。設計は外交官であり著名な建築家でもあったアントニン・レーモンド。内装・外装共に杉皮張りの壁の美しさに目を見張ります。イタリアのコモ湖にも似た中禅寺湖の美しい景観を窓辺から楽しめる造りになっています。
英国大使館別荘記念公園の建物は、英国人外交官のアーネスト・サトウが個人別荘として建てたもので、後に英国大使館別荘として2008年まで使われていたものを整備・復元したもの。アーネスト・サトウは日光を愛し、英文のガイドブック「日光案内」を刊行し、広く日光を海外に紹介し、日光が国際避暑地となる種をまいた人物。中禅寺湖の絶景を望む2階の英国文化交流室「南4番Classic」では、駐日英国大使館シェフの監修を受けたスコーンと紅茶のセットも楽しめます。
湖畔からは、湖面に夕日が煌めく中禅寺湖の夕暮れも楽しめます。涼しさも一段と増して爽やかです。
☆バリアフリー情報:英国大使館別荘・イタリア大使館別荘共に1階は見学可。2階は見学不可。両館共に車いす用駐車場あり。英国大使館別荘とイタリア大使館別荘を繋ぐ散策路は車いすでは通行不可。
●英国大使館別荘記念公園(日光自然博物館)
●イタリア大使館別荘記念公園(日光自然博物館)
奥日光の二大パノラマは外せない!
奥日光の絶景といえば「明智平展望台」と「半月山展望台」。お天気に恵まれたなら、ぜひ訪れてほしい場所です。標高も一段と高くなるので涼しさも抜群!
中禅寺湖と華厳の滝の大絶景! 明智平展望台
明智平展望台は、中禅寺湖と湖の端の中禅寺湖ダムから落水する華厳の滝を1つに眺められる唯一の場所。男体山と日光の山々の眺めも素晴らしいです。明智平展望台へは第2いろは坂(上り)の途中にある明智平からロープウェイ3分でアクセスできます。
※いろは坂は一方通行なので、登りの第2いろは坂からしかアクセスできません。
※明智平ロープウェイは車いす不可。
●明智平ロープウエイ(日光旅ナビ)
鳥の目で見る大絶景! 半月山展望台
こちらの写真は、明智平と双璧をなす奥日光の大絶景「半月山展望台」。まるで鳥になって眺めるような景色を楽しめます。約2万年前、噴煙を上げた男体山。溶岩が流れ川を堰き止めてできた中禅寺湖、ラムサール条約登録湿地でもある戦場ヶ原、美しい八丁出島を一枚の絵のように眺められる展望台はここだけ!
展望台へは、中禅寺スカイライン終点・半月山駐車場から30分程の山道を登ります。距離は片道約30分弱と短いものの、かなり急な坂になるので歩きやすい靴と服装で出かけてくださいね。途中には自販機もないので飲み物も必携です。奥日光は午後に雷が鳴ることも多く、また、中禅寺スカイラインは17時〜翌朝7時まで閉鎖になるので、17時にはゲートを出られるように早めに戻ってくださいね。
半月山駐車場へのアクセスロードでもある全長7.5キロの「中禅寺湖スカイライン」も絶景を楽しめる涼感ロード。中禅寺湖を眼下に見ながらぐんぐんと標高をあげていきます。半月山駐車場の手前にある「中禅寺湖展望台」の眺めも素晴らしいのでぜひ途中下車を!
☆バリアフリー情報:中禅寺湖展望台は車いすも可ですが、座ったままの位置からでは湖の景観は望めません。半月山展望台は不可。
●半月山展望台(日光旅ナビ)
※2024年の半月山行バスは10月1日から11月10日のみ運行。
時刻表リンク
奥日光最奥の地! 湯の湖&奥日光湯元温泉
奥日光に行っても、中禅寺湖と華厳の滝を見て帰ってしまう人も多いのですが、ぜひ奥日光に一泊してゆっくり楽しんでほしいのが「奥日光湯元温泉」。湯の湖の美しい湖畔散策と共に、日本で4番目に濃い硫黄泉も楽しめます。
日帰り入浴は、「日光山温泉寺」の薬師湯がおススメ! 日光山温泉寺は、世界遺産「日光山輪王寺」の別院。日光開山の祖、「勝道上人」が、788年にこの温泉を発見し、病苦を救う薬師瑠璃光如来様をお祀りしたのが始まりの歴史ある寺院です。
温泉寺に隣接する薬師湯は泉質抜群の泉質。含硫黄‐カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・炭酸水素塩泉。泉温は71.4℃。加温なし、加水有、完全かけ流しの温泉を楽しめます。源泉温度が熱いため加水をしないと入れませんが、日本で4番目に濃い硫黄泉なので、効能は十分!源泉は透明または薄いエメラルドグリーンのお湯ですが加水をすると、緑がかったにごり湯に変わります。入浴後には待合室のお座敷で、お茶と「日光甚五郎煎餅」のサービスがあり、こちらも楽しみです。
涼しさ別天地奥日光へ!
奥日光は関東屈指の涼しい避暑地。東京よりも5度〜10度ほど涼しい別天地です。東京から東武日光駅または、JR日光駅まで約2時間。中禅寺湖周辺までは東武日光駅からバスで1時間弱で着きます。詳しくは下記リンクからお確かめください。
●東武バス日光地域・夏の時刻表
●日光のお得な切符情報