日本発の意外なあれもドイツ人の日常に浸透!ドイツで「ニッポン」を探す
ドイツ

海外で人気の高い日本製品といえば、車や電化製品などが定番ですが、ドイツで生活しているとほかにも日本製品や日本発のブランドを見かけ、「ドイツでこれを売っているんだ!」と意外に思うことがあります。
ドイツ在住の筆者が、アジアショップではなく、一般のスーパーなどドイツ人がごく日常的に利用するお店で見つけた「ニッポン」を感じさせる商品の数々をご紹介します。

ソクたびソクたび

しいたけ

ドイツで見つけたニッポン

日本では江戸時代ごろから栽培されはじめたという、しいたけ。ドイツのスーパーでもそのまま「Shi-take」として売られています。

ただしどこのスーパーでも置いているというものではなく、ある程度の規模のお店にしかなかったり、同じお店でも時期によってあったりなかったりと供給は安定しているとはいえません。

 

ちなみにこのしいたけはドイツ産。ですが、ドイツで安く買えるマッシュルームなどのキノコに比べると、値段は倍ほど。

ドイツのスーパーで「Shi-take」を見つけた瞬間は心が躍ったものの、すっかり安いマッシュルームを買うのに慣れてしまい、なかなか手が出せずにいます。

Hokkaido(かぼちゃ)

ドイツで見つけたニッポン

秋になると、ドイツ各地のスーパーの店頭に並ぶこのかぼちゃ。その名も「Hokkaido(北海道)」といいます。

見た目は一般的な日本のかぼちゃとは少々異なりますが、甘さやホクホクした食感は日本のかぼちゃにそっくりなような……。

 

このHokkaido、幼少期を札幌で過ごしたドイツ在住日本人が、1990年代のはじめに北海道の品種をドイツに持ち込んだのがはじまりだといいます。れっきとした北海道とのつながりがあったのですね。

こちらのHokkaidoかぼちゃもドイツ産。さほどメジャーではないしいたけとは違い、ドイツでは「かぼちゃといえばHokkaido」というくらい有名で、そのおいしさから高い人気を誇っています。

日本茶

ドイツで見つけたニッポン

とにかくビールのイメージが強いドイツですが、実は隠れたお茶大国。

とりわけハーブティーやフルーツティーの種類が豊富で、スーパーに行けば日本では見かけないようなさまざまな種類のお茶がずらりと並んでいます。

 

そんななかに必ず見つかるのが日本茶。ドイツの国民的お茶ブランド「TEEKANNE」をはじめ、さまざまな現地ブランドが日本風の緑茶やほうじ茶、抹茶などを売り出しています。

それらは必ずしも本来の意味での「日本茶」ばかりではなく、現地のメーカーがつくった「日本をイメージしたお茶」である場合もあるのですが、ドイツのお茶愛好家のあいだでは、日本茶や日本風のお茶が浸透していることは間違いありません。

 

特に注目したいのが抹茶。抹茶はドイツで買うとかなり高価ですが、地方都市の庶民的なスーパーの棚にも抹茶が並んでいるのは驚くばかりです。

近年ドイツでは抹茶ブームが到来しつつあるといわれており、ベルリンなどの大都市では抹茶カフェが複数開店しているのみならず、ドイツの一般的なカフェでも抹茶を使ったドリンクのメニューがあったり、スーパーやドラッグストアなどでパック入りの抹茶ラテが売られていたりします。

 

ドイツで抹茶人気が高まっている理由は、なんといっても健康効果。抹茶は抗酸化力のある健康食品として認知されており、健康意識の高い人々を中心に人気を集めています。

ヤクルト

ドイツで見つけたニッポン

ドイツでよく知られている日本ブランドの筆頭に挙げられるのが、ヤクルト。

意外と知られていませんが、ヤクルトは世界30ヵ国以上で販売されている超国際的商品です。ドイツでヤクルトの販売が始まったのは、1997年のこと。ドイツで売られているヤクルトは日本製ではなくオランダ製です。

 

日本以上にさまざまな乳製品が手に入る乳製品大国ドイツでも、ヤクルトはしっかりとスーパーの棚をキープ。

ドイツは基本的に日本よりも乳製品が安く買える国でありながら、ヤクルトの値段は日本以上……。つまりほかの乳酸菌飲料に比べヤクルトがとても高く見えるのですが、それでも一定の地位を築いているのはすごいといえるのではないでしょうか。

 

値段が高めでも売れるのは、生きて腸内に到達する乳酸菌、シロタ株の健康的なイメージによるところが大きいようです。

甘いもの好きが多いドイツ人には、味も好評。ただし、「1本のサイズが小さすぎて思いっきり飲めない」と少々残念に思っている人も少なくないようです。

キッコーマン(醤油)

ドイツで見つけたニッポン

ドイツでは、醤油といえばまず「キッコーマン」です。それは、日本料理レストランのみならず、中華料理店やタイ料理店など、ほかの多くのアジア料理レストランでもキッコーマンの醤油がテーブルに置かれているから。
それだけに、ごく普通のスーパーで見かけることも少なくありません。

 

日本の醤油ブランドのなかでも特にキッコーマンが有名なのは、オランダに工場があることと関係しています。1990年代以降、ヨーロッパでの醤油需要の伸びや製造・運送コストの上昇などから、キッコーマンはオランダに自社工場を設立し、現地生産を始めることを決めました。

 

そのため、ドイツで見かけるキッコーマンの醤油の多くがオランダ産。ドイツ在住日本人のなかには、「味が違うから日本産でないと」という人もいますが、筆者は特に気にならないので普段ドイツで使っている醤油はオランダ産のキッコーマンです。

 

Hoogezand Sappemeer(ホッヘザンド-サッペメア)市にあるキッコーマンのオランダ工場は、見学もできるのだそうです。日本の味がヨーロッパでも受け入れられているのは、なんだか嬉しいですね。

MIKADO(ポッキー)

ドイツで見つけたニッポン

日本では知らない人がいないくらい有名なお菓子といっても過言ではないポッキー。日本の国民的お菓子ポッキーは、ドイツでも売られています。

ただし、その商品名は「ポッキー」ではなく「MIKADO」。

 

日本人からすると若干うさん臭さを感じなくもないネーミングなので、一瞬「ポッキーのまがいものか!?」と思ってしまうかもしれませんが、1982年にグリコがフランスで設立した合弁会社が発売している、れっきとした本物。パッケージにはちゃんとグリコのロゴも入っています。

 

気になる名前の由来ですが、細い棒の山を崩さないように一本づつ引き抜いていくゲーム「MIKADO」の竹ひごに形が似ていることに由来しているのだとか。

このMIKADOはドイツでもかなりメジャーな存在で、小規模なスーパーでもしばしばその姿を見かけます。お店によって品揃えは異なりますが、現在ドイツではミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、キングチョコの4種類のMIKADOが発売されています。

 

日本と比べヨーロッパでは甘いチョコレートを好む人が多いことから、MIKADOの味は日本のポッキーよりも全体的に甘め。MIKADOを見つけたら、日本のポッキーと食べ比べてみてはいかがでしょう。

おかき

ドイツで見つけたニッポン

ドイツのスーパーで、スナックのコーナーやドライフルーツ・ナッツ類のコーナーにさりげなく並んでいるのが、日本風のおかき。写真のものはタイと中国で製造されたもので、日本製ではありませんが、パッケージには「ARARE」「KOBE」などの日本語がローマ字で印字されています。

 

ほかにも、ドイツのナッツメーカーが発売している「JAPAN MIX」なる商品も。ドイツで暮らし始める前は、ドイツの普通のスーパーにおかきが売っているなど思いもしませんでした。

餡を使った和菓子など、日本のお菓子のなかにはドイツ人には受け入れられにくいものもありますが、はっきりとしたしょうゆ味や塩味のおかきは、多くのドイツ人に好まれています。ドイツの一般的なスーパーでは売っていませんが、「柿の種」などもドイツ人に高評価。

インスタントラーメン

ドイツで見つけたニッポン

手間なく手軽に食べられる日本式のインスタントラーメンはドイツでも人気があります。アジアショップなどではなく、ドイツの普通のスーパーで幅をきかせているのが、日清食品のインスタント麺の数々。

 

日本では誰もが知っている「出前一丁」は、ドイツでは「DEMAE RAMEN」として販売されています。

ヨーロッパにおける日清食品の本部はドイツに、工場はハンガリーにあるため、基本的にヨーロッパで販売されている日清製品はハンガリー製です。ヨーロッパの出前一丁は、写真の「香辣麺」のほか、シーフード、チキン、カレーなど10種類ほどがあるとか。

 

お店によって品揃えにはバラつきがありますが、ドイツのスーパーでは出前一丁以外にも、カップヌードルや焼きそばなどの日清食品のインスタント麺を買うことができます。

ペン

ドイツで見つけたニッポン

ドイツのドラッグストアの文房具コーナーで「ドイツにもこんな可愛らしいカラーペンがあるんだ!」と思ったら、日本メーカーの「ぺんてる」の商品だったことがありました。

ヨーロッパではドイツ製のペンは高品質とされていますが、コストパフォーマンスでいえば100円のペンでも驚くほどなめらかに書ける日本製品に軍配が上がるように思います。

 

ドイツでよく見かける日本製のペンは、ゲルインクペン。ドイツではシャープペンシルを使う機会が少ないので、売られているのはほとんどインク式のペンです。

最近では「消えるペン」として日本でも一躍人気になったフリクションシリーズもよく見かけます。今のところ、消えるペンの市場は日本ブランドの牙城のよう。先日、近所のドラッグストアでドイツ人女性がフリクションの替え芯をまとめ買いしている様子を見て、にんまりしてしまいました。

茶器

ドイツで見つけたニッポン

筆者がドイツにやってきて意外に感じたのが、日本の茶器の存在感。さすがに普通のスーパーには置いていませんが、お茶の専門店に行くと高確率でショーウィンドーに日本の茶器がディスプレイされています。

 

特に人気があるのが、南部鉄器などの鉄製のポット。ヨーロッパではこうしたものが「エキゾチックでおしゃれ」なようで、日本風でもアジア風でもない現地のカフェで、日本の茶器が使われていることがあります。

 

ドイツでは日本からの輸入品は2~3倍の値段になることが多いので、日本製の良質な茶器ともなれば数百ユーロを超えるものも珍しくありません。

しかし、ドイツを含めヨーロッパのお茶好きのあいだでは、鉄器ならでは重厚な存在感や、独特の質感、割れずに長持ちするといった点が評価され、人気を集めているようです。

なかでも、ヨーロッパ市場のニーズに応えるべく、赤や青などのカラフルな鉄器のポットも発売している「岩鋳(いわちゅう)」は、ヨーロッパでは南部鉄器の代名詞的存在。

「高くてもいいものを買って長く使いたい」と考える傾向にあるドイツ人の価値観に、ちょうど日本の鉄器がマッチしたということなのでしょう。

 

ドイツのお茶愛好家は、南部鉄器で紅茶やハーブティーも飲むなど、「日本の茶器だから日本茶を飲まないと」といった固定観念にとらわれずティータイムを楽しんでいます。

ドイツで見つけたニッポン

日本の自動車や電化製品は世界で高い評価を受けていますが、ドイツで暮らすようになって、日本人も気づいていない意外な「ニッポン」が現地の人々の生活に浸透していることがわかりました。

台湾やタイなどのアジア諸国に比べると、日本という国は遠い存在であるドイツですが、それでもあちこちで日本発の商品やブランドが健闘している姿を見ると嬉しくなります。

ヨーロッパで進化する「日本の美」

ヨーロッパでの人気を受けてか、南部鉄器などは日本でも近年その価値が再評価されているようで、若い女性向けと思われる淡い色合いのものや、モダンなデザインのものも増えています。日本の伝統品は素晴らしいと思いますが、昔のままでは必ずしも使い勝手が良くなかったり、欧米化した今の日本の家には合わなかったりします。

海外で人気が出ることでデザインが洗練され、現代の日本人にとっても魅力的な商品になり、日本でも再評価される。そんな好循環が起こっているのはとても嬉しいこと。筆者自身、日本を離れることでかえって「日本の美」を再認識しました。

ドイツ人が日本の伝統品を生活に取り入れている様子を見ることは、「洋風の空間にいかにうまく和の要素を溶け込ませるか」という点でとても参考になります。今では、和洋をミックスさせた和モダンな家に住むことが将来の夢です。

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

チャンネル

チャンネルをもっと見る