:バルト三国、それもエストニアのグルメと聞いて、一体どんなお料理を想像されますか?
ソビエト占領時代に伝わったロシア料理も美味しいけれど、せっかくならエストニアでしか味わえないグルメを満喫したいもの。
中世の面影を色濃く残すエストニアの首都・タリンでは、ハンザ同盟全盛期の中世料理を味わえるんです。
中世の雰囲気も味わえる中世料理レストラン「オルデ・ハンザ(Olde Hansa)」
レストランオルデ・ハンザ(Olde Hansa)は、町の中心地にある中世風レストランです。
内装はハンザ同盟全盛期のタリンの裕福な商家をイメージしているそうで、雰囲気たっぷり。店員さんたちも中世風の衣装を身につけ、中世風の演出を交えつつサーブしてくれます。
なんといっても嬉しい事に、こちらのレストランには日本語のメニューがあるんです!
何しろ中世風なので、メニューを読んだだけではどんなご飯が来るか良く分かりませんけど……中世風なのでもちろん写真なんてありません。勘を信じて頼むしかない!(日本語で注文しても通じます)
こちらのレストランは専門の歴史家を相談役に迎え、本格的な中世を再現している為、メニューの後半には参考文献がびっしりと記載されており、読み応えもあります。
写真のメニューは、お手頃なワンプレートの肉料理「中世レヴァルの饗宴」。レヴァルはタリンの中世ドイツ語名です。豚と牛のサイコロステーキ、ザワークラウト(ドイツ風キャベツの漬物)、豆のペーストのパイ皮包み、サワークリームの盛り合わせです。飲物は中世風ビール(蜂蜜入りの黒ビール。自家製)と、サービスのベリーのリキュールでした。
肝心のお味の方ですが、スパイスが効いており食べやすく仕上がっています。レヴァル(ドイツ語名)を名乗っているだけに、ドイツ風の味付けです。
店内はトイレや水場まで中世風に、それでいて使いやすく工夫されており、見所たっぷりです。
レストランオルデ・ハンザの場所を見つけるのは簡単。写真のような服装の店員さんを市庁舎の周りで探してみましょう。
また、オルデ・ハンザは市庁舎にも支店があり、こちらはカフェになっています(冬季休業)。がっつりした中世料理はちょっと……という時でも、十分雰囲気を楽しめます。
タリンの風景を見渡せる城壁カフェ「コヴィックダネボルグ(Kohvik Dannebrog)」
なんとこちらのカフェがあるのは、街を囲む城壁の上。城壁の中に作られた狭くて急な階段を、張られたロープを頼りによじ登ると……城壁の上からは海まで見張らせる素晴らしい展望。
苦労してよじ登る甲斐があります。カフェは戸外だけではなく、城壁から塔の中にも続いています。塔の中のカフェも中世そのもの、重厚な石造りで雰囲気たっぷりなので、冬場も暖かくお茶を楽しめますよ。
Luhike Jalg 9, Tallinn 10130, Estonia
営業時間:9:00~23:00
おすすめデザート・カマを味わえるレストラン
「ヴァナエマ・ユーレス(Vanaema Juures)」
商人、そして城の人々の気分を味わった後には、伝統的な農民のデザートで締めてはいかがでしょう。
今はデザートとして楽しまれているカマ(Kama)は、チーズのような濃厚なヨーグルトに、小麦などの穀物の粒を混ぜた食べ物。
中世の頃から、時間のない農民が畑でも気軽に食べられる栄養食として賞味されていました。エストニアは酪農が盛んで、乳製品には自信のある国。
濃厚なヨーグルトは、カスピ海やエーゲ海の味にも負けていません。さらには普通のヨーグルトよりも栄養もたっぷりと来れば、毎朝食べたくなってしまう味になるかも知れませんね。
そんなカマに挑戦してみるなら、おすすめは「ヴァナエマ・ユーレス(Vanaema Juures)」。日本語訳の「おばあちゃんのところ」という名前にピッタリの、こじんまりしたレストランです。
ケラーのような暖かい半地下のレストランは、優しいカントリー調の内装。ここで食べられる伝統の家庭料理も、中世から脈々と続くエストニア料理の一端ですね。
まとめ
エストニアのタリンで味わえる中世料理はいかがでしたでしょうか?
まだ日本からは行きにくいエストニアですが、フィンランドからならフェリーで2時間半程度。美しさ、清潔さ、そして中世からの遺構を残す町並みは一日では勿体無い程。そんな町並みにぴったりの中世料理、ぜひとも満喫して下さい。