東京・蔵前で人気を博したカフェ「茶室 小雨」。2018年に誕生し、洗練された空間と上質なスイーツ、紅茶が愛されてきました。2023年には石川県金沢市へ移転。店舗が広くなり、落ち着いた雰囲気がさらに増しました。今回はそんな「茶室 小雨」の新たな空間で、お茶とスイーツを体験してきました!
歴史と風情が息づく街
「茶室 小雨」がある橋場町は、金沢の歴史と文化が色濃く残るエリア。浅野川沿いに位置し、ひがし茶屋街や主計町茶屋街が近く、情緒豊かな景観が広がっています。商業エリアの香林坊や片町とも程近く、賑わいと静寂が共存する場所です。徒歩圏内には兼六園や金沢21世紀美術館もあり、観光の合間に訪れるのにもぴったりな場所です。
洗練された温かみ
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入口には、蔵前の店舗にもあった木目の美しい看板が。使い込まれた木の温もりが感じられる建具も蔵前のころと似た雰囲気で、どこか懐かしさを感じます。
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店内は少し暗めの色の木を基調に仕上げられ、家具の木はそれより少し明るめ。黒や金の金物、グリーンの布地と植物、全体の素材とカラーリングが良いバランス感です。アーチのデザインは形を変えながらも健在で、空間に柔らかなアクセントを加えています。
そんな空間に映える白い器と、カトラリーやお皿の縁の金色が統一感を加え、より洗練された印象。落ち着き具合と開放感のバランスに、喫茶店とバーの間のような印象を持ちました。
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建築マニアとしてキュンとしたポイントが、さらに2つありました。
一つは、店内の什器にそれぞれ装飾的なデザインがされていたこと。下の写真以外の什器にも同じように施されているので、行かれた際にぜひチェックしてみてください!
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そしてもう一つは、天井部分にあるスピーカーらしき機械。天井近い部分のものでもきちんと他の棚と同じようなデザインにする徹底ぶりに感動しました。こちらのためにコンセントが天井に設置されているのもすごい…!
この細やかさが、店内の統一感をより一層出してくれているのだなと感じました。
繊細で深い味わい
今回いただいたスイーツとお茶はこちら。
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プリン
「茶室 小雨」の定番で、人気のメニュー。
卵の風味、ほろ苦いカラメル、そしてバニラの香りが口の中で広がります。どちらかといえば固めのプリンですが、固すぎることはなく、なめらかな食感。上にのったクリームも同様になめらかで、一緒に口に運ぶと一体感が生まれ、心地よい口当たりを楽しめます。
固さとなめらかさ、甘さとほろ苦さがバランスを保ちながら共存し、シンプルながら深い味わいに感動しました。
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季節のショートケーキ(いちごと鉄観音)
時期によってフレーバーが変わるそうで、筆者が訪れたときのフレーバーは「いちごと鉄観音」。
食感はもちろんショートケーキですが、口に入れた瞬間にふわっと鉄観音の香りが広がるのが新鮮でした。いちごは甘すぎず酸っぱすぎず、控えめな香りの鉄観音との相性が良かったです。
中国茶を使った洋菓子は少し意外性を感じたものの、違和感なく馴染んでいて、そのポテンシャルを感じました。クリームもスポンジも軽やかで、全体的にふんわりと優しい印象のケーキです。
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ホットシナモンスパイスティー
鼻を近づけるとぶわあ、と押し寄せてくるシナモンの香り。口に運ぶとまず甘みを感じ、その後にスパイシーな香りが追いかけてきます。初めての味わいで新鮮でしたが、とても好みで、また飲みたいなと思いました。
濃さもちょうどよく飲みやすいのが嬉しいところ。こちらはデカフェなので、ポットで提供されるティーを気兼ねなくたっぷり楽しめます。
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これまでスイーツにはコーヒーを合わせることが多かったのですが、紅茶との組み合わせも楽しめることを実感しました。
ちなみにティーは数種類あり、定期的にフレーバーが変わるそう。何度訪れても飽きないのが嬉しいですね!
感性を満たす、安らぎの時間
広々とした店内、座り心地の良い椅子、洗練された空間、そしてこだわりのメニュー。すべてが整った「茶室 小雨」は、ただお茶を楽しむだけの場所ではなく、感性を研ぎ澄ませ、心落ち着くひとときを過ごせる場所です。
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カフェ好き、紅茶好き、そしてゆったりとした時間を求めるすべての人にお薦めしたい場所でした。金沢の歴史ある街並みに溶け込むこの場所で、特別な時間を味わってみてはいかがでしょうか。
●茶室小雨
石川県金沢市橋場町2-13 プレミスト金沢 101