金沢滞在中は、ホテルの朝食を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。カフェ好きの方なら、ホテルは素泊まりにして地元カフェのモーニングもいいですね。今回、ご紹介するのは最も金沢らしいと言っても過言ではない朝食です。兼六園の中にある料理屋で、炊き立てごはんと素材の味を引き立てた繊細な日本料理で上質な朝を迎えましょう。
加賀百万石の名園・兼六園
金沢中心部に位置する兼六園は、日本三名園の一つに数えられる廻遊式の庭園で、何代もの加賀藩主により長い月日をかけて造園されました。兼六園といえば、脚が二股になっている「徽軫灯籠(ことじとうろう)」や、雪吊りの景色があまりにも有名。
この美しい庭園の中に、今回朝食でお邪魔する「兼六亭」があります。つまり、歴代藩主たちが造り上げた兼六園の中で、優雅に朝食をいただけるというわけです。
兼六園に入園
兼六園には複数の入口がありますが、兼六亭へは桂坂口が便利です。
桂坂口付近の兼六園の外側には何軒か料理屋や茶店が連なっていますが、兼六亭があるのは園内なのでチケットを購入する必要があります。兼六亭は桂坂口の入口を入って右方向にあります。
庭園に溶け込む佇まいの兼六亭
兼六亭があるのは、兼六園の見どころのひとつである日本最古の噴水前。歴史あるお店ですが、綺麗に手入れされている雰囲気です。
実はコロナ禍の2022年に改装し、「殿様のおもてなしを今に伝える」を新たなコンセプトとしてリニューアルオープンしたのだとか。
兼六亭はとにかく立地と空間美が素晴らしい! お殿様も眺めた日本最古の噴水が目の前に見えるカウンター席がおすすめですよ。
朝食はWebから予約がベスト
朝食は「炊き立て土鍋ごはんの治部煮膳(3,000円)」と「香り立つ加賀棒茶のおかゆ膳(2,000円)」の2種。「当日のご利用もご相談ください」と看板にありますが、予約はWebからできるので、事前予約しておくのが安心です。お一人からでも予約できますよ。
私はWebから予約して、「カウンター席希望」とコメントを入れておきました。混雑具合によっては希望が通らないこともあると思いますが、この日は人が少なかったので希望が叶いました!
炊き立て土鍋ごはんの治部煮膳の朝食
今回予約した「炊き立て土鍋ごはんの治部煮膳」は、季節の野菜と地魚、郷土料理の治部煮、炊き立ての土鍋ごはん、食後のスイーツとお抹茶がセットになったもの。
何ともお上品…。京都の美意識とも通ずるものを感じます。
ちょうど寒ブリの季節だったので、お魚はブリ。このブリがとにかく美味! 3,000円の朝ごはんで出るレベルじゃないですね。
金沢に来たなら一度は治部煮を食べておかないと。わさびは全部入れるとちょっと多いので、少しずつ溶かして自分好みの量を調整してみてくださいね。
このお味噌汁が超絶品! いったい何が入っているのか?? お店の方に聞いてみたところ、まだ20代の料理長が作っているとのこと。化学調味料は使わずに素材の旨みだけでここまで…という味わいです。
お店を出てから知ったのですが、料理長は京都の「美山荘」で修業を積んだ方だったようで。どうりで繊細で素材の味をダイレクトに感じるはずですね。とにかく美味しかったぁ。
あと、炊き立ての土鍋ごはん! 朝からおかわりしてしまう美味しさ。粒が立っているとはこのことですね。おにぎりにして持って帰りたいほどでした。
食後はお抹茶と加賀棒茶の羊羹。このお茶碗も実は素敵な仕掛けが。飲み終わった後に見込みに金沢の今の季節を感じられる素敵な画が!(お茶碗は違うものの可能性あり)
これだけの内容と景色で3,000円(税込み)。え? 安すぎませんか? 「香り立つ加賀棒茶のおかゆ膳」なら2,000円なのでお財布が気になる人はこちらでもいいかも! 私の隣のインバウンド客は飛び込みで「加賀棒茶のおかゆ膳」をオーダーしていましたよ。
●兼六亭
石川県金沢市兼六町1-20