海を取り戻すために裁判を起こすも棄却されてしまったボリビアの悲願
ボリビア

こんにちは! 南米はボリビア在住のZICです。

ボリビアといえば南米大陸の真ん中に位置する場所にある国で、いわゆる内陸国にあたります。もともとは広大な土地を持っていたボリビアですが、少しづつ領土を失い、そして最後に海岸線を失ってしまったという悲しい歴史を持っています。

 

ボリビアに海を! ボリビア国民の悲願でもあり、今年ボリビアは海を取り返そうと行動しました。そんなボリビアと海の関係性についてご紹介します。

ソクたびソクたび

かつての広大な土地を徐々に失ったボリビア


地図を見ると分かりますが、現在のボリビアはちょうどブラジルとアルゼンチン、ペルー、パラグアイ、チリという5か国に囲まれた内陸国となっています。

 

今でも日本の国土の三倍という広大な土地を有していますが、以前は太平洋を含むさらに大きな土地を持っていました。

しかし、戦争に負け続けたことで領土を失い続け、現在に至ります。

ボリビアが歴史を通じてどんどん領土を失ったことに関して、ボリビアの現地で面白い話を聞きました。

 

ずっと昔、ボリビアの国王がブラジルの国王から綺麗な馬をプレゼントされ、感動したそうです。

そしてボリビアの国土の地図をその場に広げて、馬がこの地図に踏んだ場所をおかえしとしてブラジルにプレゼントするということがあったそうです。

 

本当ならボリビアは今のブラジルのサンパウロくらいまで領土を持っていましたが、馬が踏んだから今はブラジルのものだとボリビア人の友人が話していました。

話の真偽はわかりませんが、多くのボリビア人がそう笑いながら話します。

領土を失い続けたこともユーモアに。ボリビア人の国民性を表しているのかもしれません。

1800年代後半にボリビアは海を失う

話を歴史に戻すと、過去にボリビアは太平洋に面した国であったことがわかります。

しかし、1800年代後半に起こった太平洋戦争にてチリに敗れたことにより、ついにボリビアは海岸線を失ってしまいます。

1904年の条約によって400キロにわたる海岸線をチリに譲渡することになります。

 

それからボリビアは今に至るまで内陸国として知られています。

日本は島国なのであまりピンと来ないかもしれませんが、海がないことによって海外への輸入、輸出は他国を通して行う必要があり、大きなデメリットとなります。

 

現にボリビアの場合はチリを経由して輸出、輸入を行っています。経済活性化のためにも是が非でも海を取り戻したいということが、ボリビアの願いなのです。

ボリビアに海を! 気になる国際司法の結果は?

なんとしても海岸線を取り戻したいボリビアは、2013年にオランダのハーグにある国際司法裁判所に訴えました。

その内容は、1904年に結ばれたチリとの条約、戦争に負けたことにより海を譲渡した件は無効であり、チリに返還を求めるというもの。

そしてその判決が今年2018年の10月1日に下りました。これまでボリビアでは3月23日を海の日と定め、海を取り戻す運動を行ってきました。

 

気になる判決の結果は、チリはボリビアの交渉に応じる必要はないとのことでした。

ボリビアの訴えは全面棄却という結末に。

 

その結果チリとの関係はますます悪化し、輸出入にこれまで使用していたチリの港を、これからはペルーのイロ港に変更することを検討しているそうです。

全面棄却かつ港の移転と、散々な結果に終わった海を取り戻そう裁判の結果ですが、いつの日かボリビアに海がやってくることをボリビア人は願い続けています。そしてこれからも。

海を知らないボリビア人

今回のボリビアの海裁判は、ボリビア経済を活性化させるための海の出口が欲しいということや大統領選を有利に進めるためのねらいがあったと思われます。
しかし、ずっと内陸国に住むボリビア人にとって海はあこがれの場所です。

ボリビアに住んでいると、日本はどんな国?と聞かれて島国だとこたえると、なら海を知ってるの?と言われることがあります。
そして、すごくうらやましいとボリビア人の子供たちは答えます。海を一度も見たことがないというボリビア人の大人もたくさんいます。外国に行かなければ見ることができない海、内陸国に住むボリビア人にとって海を取り返すことは悲願であり、夢なのかもしれません。

私たち日本人にとっては当たり前のようにあり続ける海。そのありがたみを決して忘れてはいけない、そう気づかされた今回の出来事でした。

この記事を書いた人

ZIC

ZIC

南米ボリビア在住。ウユニ塩湖以外にも見どころはたくさんあり、現地から見つめた旅の情報を楽しくお伝えできればと思います。また南米各地の魅力あふれる情報もお伝えしたいと思います。

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