こんにちは、ライターの新田です。今回はJRが販売している「秋の乗り放題パス」を使った大阪→東京、鈍行(在来線)の旅をお届けします。
「秋の乗り放題パス」とは毎年JRが秋に販売している切符。連続3日の間、全国の在来線を走る普通列車(快速列車も含まれる)に乗車できます。
価格は7,710円です。それでは、大阪→東京の旅をレポートします。
「新快速」から「新快速」へのリレー
スタートは大阪9時発の新快速・長浜行き。新快速に乗り米原駅を目指します。この日は土曜日ということもあり、車内は大混雑。京都駅までは座れませんでした。
JR西日本の新快速は130km/h運転なので、本当に快適です。「このまま東京まで行ってくれたらなあ」とつい思ってしまいます。
「新快速」は速さも自慢ですが、車内も快適です。転換クロスシートなので、のんびりとくつろげます。ボーッとしているうちに米原駅に着きました。
米原駅からは「新快速」豊橋行きに乗り換えます。「新快速」豊橋行きが出発するホームへは階段を上がらなくてはいけません。
早歩きで、なんとか座席を確保。それなりの体力が求められます。10時30分、豊橋に向けて「新快速」が走り出しました。
岐阜駅で窓側の座席に座ることができました。高層ビルを見かけるようになると、名古屋駅に到着。ここで大半の乗客が入れ替わります。
名古屋を過ぎると少しずつ乗客が降り、のんびりとした雰囲気が漂います。JR東海の「新快速」も快適なクロスシート。そして、鮮やかな青色が本当に目に染みます。
12時40分、少し遅れて終点の豊橋駅に入線。大阪駅からの「新快速」リレーは豊橋駅で終わりました。さあ、ここからが勝負です。
熱海駅までのガマン
豊橋駅から熱海駅まではロングシートの普通列車が基本です。しかも、列車によってはトイレがありません。東京~大阪鈍行の旅はここからが勝負です。
豊橋駅からは「普通」浜松行きに乗ります。浜松行きはラッキーなことにクロスシート。JR初期にデビューした快速型列車に乗り込みます。
豊橋駅から乗ること約35分、13時19分に浜松駅に着きました。
浜松駅ホームで13時29分発「普通」興津行きを待ちます。やってきたのはトイレなしのロングシート車。「ついにロングシートが来たか……」という感じです。
ここからはスローペースで鈍行の旅を楽しみましょう。ところで、浜松駅から外国人の比率がグッと高まります。そして、ドアが閉まってから発車するまでのテンポがワンテンポ遅いのです。
「幹線」に乗っているといよりは「ローカル線」に乗っているような感じです。
「熱海行き」に乗り換えるために、途中の静岡駅で降車。
静岡駅は静岡県を代表する駅ですから、多くの乗客が降りました。列車から降りると、14時52分発の「普通」熱海行きが待っていました。
同じくロングシートですが、新車のためきれいなトイレが付いています。トイレがあるかないかで、安心度がまったく違うものです。
長い丹那トンネルを過ぎると、16時9分に熱海駅に到着。本当に「やれやれ」という感じです。熱海駅からはJR東日本管内になります。
熱海駅から東京駅までは快適なグリーン車で
熱海駅からは上野東京ライン直通「普通」小金井行きに乗車します。ところで、JR東日本管内を走る「普通列車」にはグリーン車が連結されています。
「秋の乗り放題パス」であっても「グリーン券」を購入すれば乗車可能。長距離移動の場合はグリーン車を利用することをおすすめします。
「グリーン車」は一般的な特急の普通車と同じ仕様です。熱海行きのロングシートとリクライニングシートは雲泥の差、本当に快適です。
ところで、大阪~東京間で最も景色が美しいところは根府川駅だと思います。根府川駅から見えるのは太平洋。思わず、途中下車したくなります。
なお、上り列車よりも下り列車のほうが美しい景色が見られる確率が高くなります。写真は下り列車からの景色。
横浜駅を過ぎいよいよラストスパート。並行して京浜東北線や横須賀線が走るため、東海道線の「普通」は快速並になります。横浜駅を出ると川崎、品川、新橋しか止まりません。
18時7分、ようやく東京駅に到着。大阪からの9時間7分の旅が終わりました。今回、大阪~東京鈍行の旅を14年ぶりにやりましたが、達成感があります。
ぜひ、飛行機や新幹線では味わえない鈍行の旅を堪能してくださいね。