スペインの世界遺産の中でも最も有名で予約を取るのが難しいと言われているのが、グラナダにあるアルハンブラ宮殿。イスラムの文化を残す建築物でまさにアラブの世界。
その内部は、質素な外観からは想像できないほど細かい優美な装飾で飾られ、まさに秘密の楽園といった感じです。今回はこのアルハンブラ宮殿を徹底的にご案内しましょう!
広大なアルハンブラ宮殿をどう回る?
アルハンブラ宮殿は実は敷地が広大なため、ゆっくり見学すると半日は必要です。
時間制の予約入場は赤い色のPalacios Nazaries(ナサリエス:ナスル王宮)のみなので、それ以外の時間を使って水色のGeneralife(ヘネラリフェの庭園)やオレンジ色のAlcazaba(アルカサバ)を訪れると良いでしょう。
入口は右下のpabellon de accesoと書かれているところでバスなどの駐車場、チケット売り場、売店があります。
こちらがチケット売り場の近くにある入口。係りの人がバーコード入りのチケットをチェックします。敷地内にはいくつかチケットのチェックポイントがあるのでなくさないようにしましょう!
入口を入るとこのようなまっすぐ伸びた糸杉の遊歩道が続きます。森林浴を楽しみながら進んでいきましょう。
水と花の楽園 へネラリフェの庭園
まずはアルハンブラ宮殿の中でも一番高台にある夏の離宮として使われていたへネラリフェへ行きましょう。外観はこのようにかなり質素。外と中のギャップがイスラムの建築の特徴でもあり、そこがとても面白いんです! 想像以上の世界が待っています!
イスラムのアラブの民は「水」への憧れが強く、至る所に噴水があります。心地よい水の音に癒されます。綺麗に刈り取られた緑のアーチも素敵ですね。
この水の曲線も芸術的。視覚と聴覚で楽しませてくれるんです。
1年中、綺麗な花が咲き誇るのもここの魅力。11月の時点でもたくさんの色とりどりの花が出迎えてくれました。
とても整備されています。さすが世界遺産。
足元にもぜひ注目してください。モザイクのように石で装飾されています。
ヘネラリフェは少し高台にあるので対岸を見下ろすような感じです。パラドールの建物やアルカサバの建物が一望できます。
グラナダの町もこんな感じで一望できます。
こちらが夏の離宮として使われていた建物。中はやはり素敵な水の噴水。季節によってはお花の種類も増えます!
この水の曲線が私は大好きです! アラブの王様はこの水に癒されたんでしょうね……。
テラスからは町を一望。
窓は細かい優美なイスラム装飾。あの質素な外観からは想像つきませんよね。優雅さを演出してくれます。
メインのナスル王宮へ途中、人気のパラドールでぜひ休憩を!
奥に見えているのは、現在宿泊施設のパラドールになっているサンフランシスコ修道院。世界遺産のアルハンブラ宮殿に宿泊することも可能なんです! パラドールとは昔の歴史ある修道院やお城、宮殿などを改装したいわゆるホテルのこと。このアルハンブラ宮殿内のパラドールは世界遺産の中にあるということもあり、一番人気だとか!
こちらがパラドールの入り口。人気があり部屋数が少ないので予約を取るのは難しいですが、カフェやレストランが中にあるので休憩に使うことができます。
中に入っていくといかにも歴史ある建物が!
ここにはレコンキスタ(国土回復運動)を完結させたあのイサベル女王が最初に葬られたお墓の跡があります。現在はグラナダの大聖堂に眠っています。
静かなパティオを囲むように客室があります。
こちらがレストラン。モダンに改装されています。雰囲気もお食事もサービスも良いのでおすすめです!
こちらはレストラン横のテラス。5月頃になると紫色の藤の花がとても綺麗です。
遠くに見えているのはへネラリフェの離宮です。
アルハンブラ宮殿はとても広いので少なくとも3時間は必要。ちょっと休憩しながら……という方にはおすすめの場所です。
宮殿の心臓部、ナスル王宮でイスラムの芸術を堪能!
さぁ、アルハンブラ宮殿の心臓部、ナスル王宮に行きましょう。イベリア半島における最後のイスラムの王朝であるナスル王宮には歴代のイスラムの王様が贅をつくした空間の中で夢のような時間を過ごしていました。こちらはアラヤネスの庭園。
ここでも「水」は欠かせない要素。噴水の形も面白いですね。
一番有名なのはこのライオンのパティオ。偶像崇拝禁止のイスラム教なのにここにはライオン! 不思議ですね。
イスラム装飾芸術のすばらしさを実感できます。
寄木細工の技術も素晴らしい!
偶像崇拝が禁止されているイスラム教。装飾は草花やアラビア文字です。
タイルの装飾も模様がそれぞれ違い、見ていて飽きません。
馬蹄形のアーチがイスラムっぽい。どこを切り取っても絵になります。
見てください! この細かい装飾。タイルと漆喰装飾の見事なコラボ。まさに楽園ですよね。
まるで星空のような天井。アラブの王様は床に寝そべってこの天井を眺めたのでしょうね。
天井まで埋め尽くされた細かい装飾。思わずため息が出てしまいます。アブラハムが修行をしていた洞窟をイメージしたんだとか……。
珍しく1か所だけステンドグラスを使った装飾もありました。ぜひ見つけてみてください!
ナスル王宮のテラスからアルバイシン地区がこんなに綺麗に見られました! いわゆるグラナダの旧市街地区です。
こちらはサン・ニコラウスの展望台。アルバイシン地区の高台にありここはアルハンブラ宮殿を一望する絶好の場所として人気です。
これがアルハンブラ宮殿の幻想的な夜景。サン・ニコラウス展望台からの眺めです。宮殿というよりかは城砦といった感じですよね。
時間があれば先端のアルカサバへ!
通常、アルハンブラ宮殿で訪れるのはへネラリフェとナスル王宮のふたつですが、時間があればぜひ先端の一番古い部分でもあるアルカサバを訪れてみてください。チケットは共通券なのでここも入ることができます。アルハンブラ宮殿はこのように船の形をしているといわれます。アルカサバは一番船の先頭にあたる部分です。
ことらがアルカサバの入り口。ナスル王宮の先にあります。5月にはこのような紫のお花がとても綺麗! アルカサバは城砦という意味でその名の通りアルハンブラ宮殿を守る砦として使われていました。
旗のあるあたりがアルカサバ。アルハンブラ宮殿の先端部分です。
このアルカサバは階段で塔に上ることができます!
上からはお天気がいいとグラナダの旧市街、背後にあるシエラ・ネバダ山脈を見渡せることができます! ぜひ体力に自信のある方は訪れてみてください!
いかがでしたか? スペインで最も人気のある世界遺産で、入場制限があるため最近はチケットを入手するのが難しくなってきているといわれています。訪れたからにはぜひイスラム芸術の素晴らしさと絶景を楽しんでください!
アルハンブラ宮殿のHPはこちら