その昔、出羽三山の奥宮とされ「語るなかれ」「聞くなかれ」と戒められた霊場があると聞いて行って来ました。その名は「湯殿山神社」。
出羽三山とは
出羽三山は「羽黒山」「月山」「湯殿山」のことを指しており、山岳修験の場として知られている場所です。
本殿や社殿はなく、お湯が湧き出る茶褐色の大きな岩があり、その周辺は写真撮影もできないとのことによりあまり多くの人に知られてはいませんが、江戸時代には全国からの参拝者で賑わった場所でもあります。
積雪のため、開山期間は5月頃~11月までとなっており、非常に短い期間の間しか訪れることが出来ません。
5月に行ってきました
行ったのは5月中旬だというのに、こんなにも雪が残っていてびっくり! その昔千日修行と言って、下山を許されず真冬でも雪の中修行に励んだ方が多くいる場所とは到底思えません。
駐車場へ到着。湯殿山レストハウスから歩いて本宮へ向かうか、有料の送迎バスを使う事もできます。ちなみに送料バスは片道200円、往復300円でした。
なかなか写真では伝わりにくいのですが、鳥居の大きさと迫力が凄い! 神聖視されていた山だけあって、神々しい感じが伝わってきました。
途中水が流れている場所があったり、自然あふれる景色を見ながら上へ上へと登っていきます。
山姥の顔が見えにくいのですが、非常に恐い顔をしていました。一緒に行った子供たちが恐がるほど!
高台に行けば行くほど、景色が非常に綺麗です! もし余力があればぜひ歩いて本宮まで向かってほしいと思います。
湯殿山本宮へ到着
ここは疑死再生の生まれ変わりを祈って、その昔は多くの行者が修行に来た場所とされております。女性は入ること自体を禁止され、男性のみが入れる場所でした。今でも半年以上雪に閉ざされる山深い場所でもあります。
ここでお祓い料500円を払い、ひとがた(人の形をした紙)とお守りを頂きます。お祓いを受け、息を3回吹きかけた後は、水の中へ流します。
ここから先は写真撮影禁止なのでお見せすることはできませんが、なんとも綺麗な神聖な場所でした。言葉で説明するのは難しいのですが、巨大な霊巌は土足禁止なので靴も脱ぐ必要があり裸足でご神体に触れることが出来ます。
写真としての記録はありませんが、不思議と頭の記憶には残る別世界でした。
その後は「湯殿山注連寺」へ。
湯殿山神社から車で30分もかからない場所にあり、その昔出羽三山が女人禁制の時は、女性のための湯殿山参拝所として信仰を集め賑わった場所でもあります。
空海様より開創されたと言われており、鉄門海上人様という即身仏を見学することが出来ます。
またここは作家森敦が注連寺での体験を描いた「月山」の舞台でもあり、館内を見学するためには大人500円の入館料が必要ですが、興味深い天井画や歴史についての説明などもあり、充実した内容となっております。
湯殿山神社は行ってみないとわからない、他にはない経験が出来る場所です。これを是非きっかけに訪れてほしいと思います。