冬の冷気には身も心も震えてしまいますよね。でもその反面、集中力が高まり、本の世界に思い切り没頭できる季節でもあるように思います。
とはいえ・・・「自宅に引きこもっていては健康的ではない。でも人であふれる場所へは行きたくないな・・・」と複雑な思いに揺れるあなたに、この秋冬にオススメの! 都心より閑静な武蔵野エリアにある3軒のブックカフェをご紹介します!
ジブリの世界観を大事にした「図書喫茶カンタカ」
まず最初にご紹介したいのが、西東京市と埼玉県所沢市の境目・秋津にある「図書喫茶カンタカ」です。実はこのエリアはジブリアニメ「となりのトトロ」の舞台でもあります。宮崎駿監督が愛する、「武蔵野の豊かな自然」という世界観を体現したのが、この「図書喫茶カンタカ」なのです。ジブリファンには聖地と言っても過言ではないでしょう。
西武線所沢駅東口から徒歩10~15分ほど。こじんまりとしたブックカフェに慣れている身からすると、2階建てで存在感のあるカフェでした。店内は広く、壁一面に並ぶ書籍は圧巻でまるで図書館のよう。
冒頭でお伝えした通り、武蔵野の自然―トトロの世界をコンセプトにしていることから、本棚にはジブリ関係書籍はもちろんですが、環境問題、社会学、SDGs関連のタイトルが目立ちます。
コンセントのある座席も多いので、長時間作業をすることも可能です。ナチュラルテイストのインテリアのおかげか、アットホームな居心地の良さを感じながら、読書や作業に集中できますね。
今回、筆者は朝1番のモーニングの時間帯にお邪魔しました。ドリンクオーダーで無料のトーストサービス。しかもこのトーストの焼き具合といい、バターの溶け具合といい、「絶品という言葉をここで使わずしてどこで使うのだ!」というほどおいしかったです。
ヘルシーなランチも大人気。お昼時はどこからともなく人が集まり、席も埋まるので早めの時間に入店して、本を読みながらランチタイムを待つのがオススメです。
●図書喫茶カンタカ
東京都東村山市秋津町3-30-6
国分寺の名店「胡桃堂喫茶店」
2軒目は歴史と文化の街、国分寺にあるブックカフェです。
JR国分寺駅北口から5分ほど歩くと、2階建てのレトロな建物が目に入ります。
本好きに限らず、カフェ好きならきっと中に入ってみたくなる店構え。
2階へ続く階段を上ると、本好きなら心躍らせて足を止めてしまうことは間違いなし! びっちり本で埋まった本棚を眺めながら、長居を決意することになるはず。
さらに出版事業「クルミド出版」も展開していることから、ほかでは見られない珍しい本も手に取れます。今回筆者もクルミド出版の本を読んでいたのですが、思わず涙腺が緩んでしまうような、心に刺さる言葉と出合うことができました。
ブックカフェは、本を読むだけではなく、本と出合える「サードプレイス*」なのだと改めて思いましたね。
*サードプレイス:アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが提唱する「自宅や職場以外の心地よい時間を過ごせる第三の居場所」
レトロな空間の中でカフェの書棚から選んだ本に没頭する時間は乙なものでしたが、さらに店員さんの接客がとても丁寧で拝力あふれていたのもポイントが高いですね。
胡桃堂喫茶店は、ただの「本があるレトロカフェ」ではなく、スタッフが皆プロフェッショナルとして働く名店という印象を受けました。人気店なのも頷けます。
●胡桃堂喫茶店
東京都国分寺市本町2-17-3
読書を愛する大人のための隠れ家「ブックカフェDen(デン)」
そして最後は、「ブックカフェ Den」を大人の読書好きの方に強く推します!
京王線「西調布駅」から徒歩10分弱。品川通り沿いにひっそりと佇む、瀟洒な一軒家を目指しましょう。それこそまさに「大人のための、本に埋もれる隠れ家」ともいうべきブックカフェDenの正体なのです。
お店のホームページによると、「Den(デン)とは、小さな書斎、隠れ家 、巣ごもり穴という意味です」とのこと。
そう、ここは、読書好きなら憧れる、「本籠もり」を叶えてくれるブックカフェなのです。オーナーご自身も無類の読書家で、ご自宅1階部分をブックカフェに改装されたそうです。
「いらっしゃいませ」
扉を開くと、上品で優しい響きのオーナーの声が筆者を迎えてくれました。
洋風の調度品と、壁一面の背の高い本棚に並ぶ蔵書―
まるで欧州貴族の秘密部屋のような別世界に舞い込んだかのような心地がしました。
気になる本を取り出し、おいしい紅茶とケーキをいただきながら、ページをめくる・・・
誰にも邪魔されない、至福の時間を過ごすのに最高の環境です。
カフェでは定期的にコンサートなどのイベントも開催され、常連さんで賑わっているそうです。読書好きの常連さんに愛されるのもカフェだというのが伝わってきますね。
正直隠れ家なので、秘密にしたいところなのですが、若者で賑わう町には足が向かない大人の読書愛好家にこそオススメします!
●ブックカフェ Den
東京都調布市上石原2-22-3
書を捨てず、ブックカフェへ行こう
本好きならばブックカフェなる場所には、一度は赴いたことがあるのではないでしょうか。ここ数年間、ブックカフェはちょっとしたブームのようです。
そもそもブックカフェとは、「カフェ+閲覧可能な本」という付加価値をつけた営業形態を指します。また、書店が生き残りを賭け、戦略として店内にカフェスペースを設けるケースも増えてきているところ。最近は電子書籍の台頭により、相次いで全国の書店が閉店に追い込まれてしまっているので、大人の読書愛好家として、書店やブックカフェに通うことで「紙の書籍文化」の維持に貢献できたら良いですよね!
・・・なんてちょっと小難しいことを語ってしまいましたが、もちろんただ本を読み、本と出合うために、気軽にブックカフェへ足を運んでいただけたら嬉しいです。