「ざんねんないきもの展」で生き物のざんねんポイントを知ると、もっと愛おしくなってしまった
日本

カエルアンコウ

動物好きにはたまらないシリーズ累計120万部を突破した人気書籍『ざんねんないきもの事典』『続ざんねんないきもの事典』。

いま、サンシャイン水族館とコラボレーションして「サンシャイン水族館×高橋書店『ざんねんないきもの事典』シリーズ ざんねんないきもの展」が開催されています。

今まで気にも留めなかった生物たちの意外な一面を知ることができる、とても興味深い内容になっています。一生懸命生きているけれどどこかざんねんな生物たちのざんねんポイントを知れば知るほど、その生物がより好きになってしまうから不思議です。

驚きと発見の連続だらけの「ざんねんないきもの展」は、好奇心旺盛なあなたの心をくすぐりまくること間違いなし。いつもとは違う角度から生物を観察する楽しさを存分に味わっちゃってください。

まずはじめに

入口
本特別展の会場内は主に4つのカテゴリーに分かれており、書籍に登場する生き物のほか、サンシャイン水族館の飼育スタッフが考えたオリジナルの”ざんねんないきもの”を加えた全22種のいきものが展示されています。

ひとことで”ざんねんないきもの”と言っても、ざんねんな部分は生物によってもちろん異なります。展示されている全ての生物が個性的&魅力的なので、全てを紹介したい気持ちはやまやまです。

しかし、それでは「ざんねんないきもの展」に足を運ぶ楽しみがなくなってしまうので、筆者の独断と偏見でピックアップした生物たちを一部ご紹介させていただきます。
解説
ふむふむ、なるほど。一生懸命だけど”ざんねんないきもの”って、響きだけでなんだか憎めない感じがしますよね。筆者はこの企画展が開催されるのを心待ちにしていたので、ワクワクしながら中へ。

常識をくつがえすざんねんな体を持ついきものたち

ざんねんな体
それでは最初にざんねんな体を持ついきものたちから見ていきましょう。

「デンキウナギ」

デンキウナギ
デンキウナギ
「ざんねんないきもの展」の入口を入るとまずあなたをお出迎えしてくれるのは、インパクト大の「デンキウナギ」。後ろ向きにも泳ぐことができる「デンキウナギ」は、まさかののどに肛門があるようです。
デンキウナギ
ちょっと見づらい写真で申し訳ないのですが、もしかしてこのエラの下あたりにある肌色のポッチのようなもの、これが肛門なのでしょうか?! こんなところに肛門があるなんて、確かにちょっと信じがたいです。

「ヒトデ(イトマキヒトデ)」

ヒトデ
「ヒトデ」は胃袋を口から出して食事するなんて、海洋生物好きの筆者も知りませんでした。体を少し持ち上げてすきまを作るとエビなどをおびき寄せ、胃袋をおし当て、体の外で胃液を出して消化吸収するそうです。

上から見た美しい「ヒトデ」の姿からは、胃袋がはみ出している様子など想像もできません。
ヒトデ
しかし「イトマキヒトデ」の腹面を下から覗き込んでみると、胃袋らしきものが出ていました。再生能力が異常に高い「ヒトデ」ならではのリスキーな捕食方法、大胆に胃袋が飛び出している姿を見て、自分の中でのつつましい「ヒトデ」のイメージが180°変わってしまいました。

こっそりと存在をアピール。ざんねんな生き方をしているいきものたち

ざんねんな生き方
お次はざんねんな生き方をしているいきものたち。

「マガキガイ」

マキガイ
筆者はこのサンシャイン水族館のオリジナル展示を見て、つい吹き出してしまいました。少しでも「マガキガイ」に注目して欲しいというサンシャイン水族館の飼育スタッフさんたちの切実な想いが伝わってきて、とても微笑ましくなったのです。
マキガイ
少なくとも月に2回という高頻度で水族館を訪れる筆者ですが、「マガキガイ」の存在に気が付いたことは一度もないと言っても過言ではありません。カタツムリのように長い眼柄の先端についた眼が目立つ「マガキガイ」。良く見ると実はかわいい顔をしていたりします。

彼らが飼育スタッフさんたちから大人気な理由は、水槽に入れておくと大好物の藻やコケを食べ、気がつくと勝手に掃除をしてくれているからなんだとか。地味だけど人知れず頑張っている彼らは、水族館の縁の下の力持ち的存在なんですね。

「アオジタトカゲ(ハスオビアオジタトカゲ)」

アオジタトカゲ
「アオジタトカゲ」は敵におそわれると、口をパカリと開けて「シューシュー」と音を出しながら青い舌を見せて敵をいかくしますが、実際は悲しくなるほど相手からのリアクションはありません。

そのため、仕方なく巣穴ににげ帰るしかないようです。想像するとかなりシュールな光景です。ちなみにこちらもサンシャイン水族館オリジナル展示です。
アオジタトカゲ
ざんねんながら「ハスオビアオジタトカゲ」の青い舌を見ることはできませんでしたが、最近爬虫類に関心を持ち始めた筆者にとっては、彼はなかなか気になる存在です。しかも顔が結構タイプです。

昼行性で雑食性の「アオジタトカゲ」はつるつるした鱗と筋肉質で固い体を持っていますが、体のかたちが似ていることからあの幻の「ツチノコ」と間違えられることもあるようです。

役に立つのか立たないのか?ざんねんな能力を持ついきものたち

ざんねんな能力
「ざんねんないきもの展」全体を通して個人的に一番面白かったのは、ざんねんな能力を持ついきものたちのコーナーでした。

「カエルアンコウ」

カエルアンコウ
これまたサンシャイン水族館のオリジナル展示に、今度は私の大好きな「カエルアンコウ」が登場です。

泳ぎが苦手な「カエルアンコウ」は、胸びれと腹びれが変形した手足を使ってのそのそと海底を歩きます。その姿はまるでカエルのようですが、なんとカタツムリほどのスピードしか出ないそうです。
カエルアンコウ
もはや魚なのかどうかも怪しい見た目が特徴の「カエルアンコウ」。サンゴ礁や岩に紛れてしまうと、探すことすら困難だったりします。
カエルアンコウ
カエルアンコウ
「エスカ」と呼ばれる疑似餌を頭部に持っている「カエルアンコウ」は、この「エスカ」を使用して獲物をおびき寄せ、いっしゅんで丸飲みにするという特技を持っています。

私はこの日偶然「カエルアンコウ」の餌づけタイムに遭遇することができましたが、普段の動きがものすごく遅いだけに餌を食べる瞬間のスピードを目の当たりにして、自分の目を疑いました。しかも食いつきっぷりもかなり豪快です。

「シマリス(シベリアシマリス)」

シマリス
「シマリス」はふさふさのしっぽを上手に使って木の上でバランスをとったり、毛布がわりに抱えて眠ったりしますが、引っぱられるとかんたんに切れる上に再生はしません。はしゃいでしっぽを持つと地獄絵図が広がることにもなるので、注意が必要とのこと。
シマリス
ペットとしても大人気の「シベリアシマリス」ですが、この見た目にはしっぽがマストな気がします。しっぽがかんたんに抜けるのは敵におそわれたときにしっぽを捨てて逃げる防御方法のひとつだといわれてはいるものの、再生しないならばその防御方法を使えるのは一生に一度ということになりますね……。

「カメレオン(パンサーカメレオン)」

カメレオン
カメレオン
「カメレオン」がまわりに溶け込むように体の色を変化させるのは有名な話ですが、実はそのときの気分で色が変わることのほうが多いようです。

「カメレオン」の種類によって変わる色はちがうものの、変化する色が彼らの気分と深く関係しているなんて、感情をかくしきれないその素直さに親しみが持てます。
カメレオン
かくれんぼの達人なはずの「カメレオン」が、せっかく森の緑にまぎれていたのに、おこって赤くなったとたんに敵に見つかってしまったなんてことがあるとかないとか。もしかして意外と不器用なのかもしれません。

少しかわいそう……。ざんねんな名前をつけられてしまったいきものたち

ざんねんな名前
最後にご紹介するざんねんな名前のいきものたちは、全てサンシャイン水族館オリジナル展示となっています。名前はかなりいきものたちの特徴を的確にとらえていますが、当の本人(生物)たちにとってみたら不本意かもしれません。
オジサン
顔が「おじさん」のように見えることから名前がつけられた「オジサン」。
イラ
「イラ」と名づけられたこの魚の語源は、つかまえるとかみついてくる「すごいイラついている魚」という意味からきています。
ボロカサゴ
脱皮しても常にボロボロの皮膚を身に着けている「ボロカサゴ」。
出口
気がつけばあっという間に出口に到着してしまいました。終わってしまって寂しい気持ちもありつつ、心は充実感で満たされていました。

限定グッズ&ケーキも楽しめる

コラボカフェ
「ざんねんないきもの展」開催期間中は「ショップ アクアポケット」にてざんねんないきものたちグッズの販売や、「カナロア カフェ」にて展示しているいきものをモチーフにしたオリジナルケーキの販売を行っています。ただし利用される場合は別途水族館入場料が必要となります。

「ざんねんないきもの展」が私たちに教えてくれること

この展示を通して学んだこと、それはいきとしいけるものは全て何かしらのマイナス部分や欠陥を持っているけれども、だからこそより輝いて見えるということです。

「ざんねんないきもの展」ではその代名詞となるようないきものたちを展示していますが、ここでは全てのいきものが主役でした。存在すら知らない生物でも実はなくてはならない存在だったり、みんな大好きな人気者でも欠点があったりと、いきもののの世界も人間の世界と一緒です。

今回スポットライトを当てた”ざんねんないきものたち”はほんの一部にすぎませんが、筆者はユニークないきものたちにすっかり心奪われてしまいました。「ざんねんないきもの展」は摩訶不思議ないきものたちの独自の世界を、私たちに垣間見せてくれました。

「サンシャイン水族館×高橋書店『ざんねんないきもの事典』シリーズ ざんねんないきもの展」
開催場所 東京都豊島区東池袋3−1 サンシャインシティワールドインポートマートビル屋上 特別展会場
開催期間 2017/11/10(金)~2018/04/08(日)
開催時間 10:00~18:00
※水族館の営業時間に準じ変更になります。
※11/24(金)~2018/3/10(土)の期間中の金・土曜日は20:00まで営業
※12/22(金)~25(月)の期間は21:00まで営業
※最終入場は終了30分前。
入場料金 600円
※水族館本館ご利用の方、及び年間パスポートをお持ちの方は400円
※対象施設・イベントをご利用の方は400円(詳しくは公式HPへ)
「ざんねんないきもの展」イベント情報はこちら

あなたがいちばん印象に残っているいきものはどれ?

どのざんねんエピソードも手堅く面白い「ざんねんないきもの展」ですが、人によって印象に残るいきものは違うはずです。私は"「カメレオン」の色が気分で変わる"というエピソードがいちばん衝撃的でした。この事実を知った後、急に「カメレオン」のことをもっと知りたいと思うようになりました。この展示の思惑にまんまとハマってしまった気がします。せっかくなのであなたも、こだわりの一種を見つけてみては?

この記事を書いた人

Makiko Suga

Makiko Suga海洋生物の素人スペシャリスト/動物&自然オタク/世界中の秘境地&穴場スポットマニア

幼少期に有名なイルカの研究家と運命的な出会いを果たす。以来海洋哺乳類に魅せられ、海洋生物学者への道を志すが挫折。その後は海洋生物とは無縁の生活を送っていたが、2015年に海洋生物の宝庫であるカナダに留学。あるクジラとの出会いが自分の人生を変える。子供の頃の夢を追い続けながら世界に目を向けている永遠の旅人。得意分野は自然、動物関連だけにとどまらず、多岐にわたる。

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