台湾の大地震で現れた秘境「忘憂森林」へ、憂いを忘れに行ってみた
台湾

山の中にぽっかりと、唐突に現れる澄んだ水辺。沼地のようなそこから生える木々はすでに枯れ朽ちて、針のようなまっすぐな姿を、空へ向かって静かに伸ばしている……。

美しく幻想的なその風景を、台湾の人々は「忘憂森林(ワンヨウセンリン)」と名付けました。憂いを忘れる森林と聞いて、ストレス社会に生きる現代人が、心惹かれぬ道理はありません。

そんなわけで悩み多き現代人の1人である私が(嘘です。楽しく生きてます笑)同じく憂いを吹き飛ばしたいであろう皆様のために、台湾は南投(ナントウ)縣にある「忘憂森林」と、その行き方をご紹介いたします。

忘憂森林ってどうやって行くの?


忘憂森林は、台湾で唯一海に面していない縣、南投縣に位置します。台北から行くのであれば、台中まで出て、そこから杉林渓行き、6871号のバスに乗る形となります。台中から忘憂森林までは片道3時間ほどで、バスの本数は1日5本ほど。最も早いのが朝6時45分発で、それを逃すと次は8時40分発となります。

早朝、始発で高鐵台中駅→台鐵台中駅(この間は移動が必要)→8時40分のバスに乗る……というのもアリですが、移動ばかりしてるとお金がかかるので、結果私はバス(統聯客運)の1620号で台中まで行くことにしました。

このバス路線だと、深夜0時台、2時台、早朝4時台発のバスがあるんですよね。値段も片道290元、往復550元とお安いですし。

1軒くらいは24時間営業の飲食店とかあるだろうとタカを括って深夜0時台のバスで出発したのですが……結果、3時間くらい歩き回ってやっと、台中駅からちょっと歩いた所に24時間営業のカフェを1軒見つけました(ただし夜間はオープン席のみ)。

台鐵台中駅の周り、深夜に到着すると結構暗いです。しかもどこも空いてないのにやたらと人がいてなんかこわい。結論として、朝一番のバスに乗りたかったら、台中への前泊をお勧めします。

そしてもう1つ! 始発である台中駅から6871号のバスに乗りたかったのですが、台中駅近くに尋常じゃなくたくさんバス停があって、どのバス停からバスがでるのかさっぱり分からない!! 他のバス会社の人に聞いても、さぁ……という答えが返ってくるばかり。

結局、台中駅から乗るのは諦め、割と分かりやすい位置にあった、第三市場のバス停からバスに乗りました(写真は第三市場の入り口。同じ通り沿いにバス停があります)。バスに乗るまでが本当一大アドベンチャーでした……。

さて、忘憂森林です!!


忘憂森林のバス停についたら、運転手さんが「忘憂森林(ワンヨウセンリン)!!」と叫んでくれたりくれなかったりするので、よくよく注意して聞きましょう。山側に茶畑が見えるバス停についたら、そこが忘憂森林です。

さて、バス停を降りたらそこが忘憂森林……というわけではありません。そこからさらに、徒歩か、バス停付近にあるお茶屋さん兼駐車場の運行する接駁車(シャトル運行の車。4WD)に乗って、さらに忘憂森林の近くまで行きます。なんで四駆の車かって、ものすごい急坂を登るから。

眺めはいいんですが、見通しがいいということはつまり道がありません(これは下りの風景ですが)。

バス停から忘憂森林までは徒歩で40分~1時間くらいだそうで、登山好きな方は運動がてら徒歩で登ってもいいかと思いますが、私は往復200元払って接駁車にのりました。マジで!!?って思うぐらい急坂を走るので、ジェットコースターに乗ってるみたいで面白かったです。

車で15分くらい登ると、忘憂森林の入り口に到着します。入り口のところにちょっとした屋台があって食べ物やらお茶やら売っています。その横を通り抜けて、忘憂森林入り口の方へ。

ここで車から降ろされるので、奥に見える建物の方へ向かいます。

建物の脇を看板に沿って進みます。

山の上で霧が多いためか足元がぬかるんだ森の中の道を歩いて行くと、目の前に唐突に、ぽっかりと空の見える沼地が現れます。そこが、忘憂森林です。

日曜日に行ったためか、結構人が多めでした。上記した通り山の上で道がぬかるんでいるため、白以外のスニーカーに運動ができる格好で行かれることをお勧めしますが、台湾人の皆様、結構おしゃれな格好で来られていました。何事も気の持ちようということですかね。

そんな感じで賑やかな場所ではありますが、相対して、目の前に広がる水面はとても静かで、神秘的な風景でした。不思議な虫の声や鳥の鳴き声、木々のざわめきも聞こえていて、自然の中に来たなぁ……と実感しました。これで人気がなかったら、多分コダマ(もの⚪︎け姫のあれ)が出てくるにちがいない。

忘憂森林
No. 3-25, Xishan Road, Zhushan Township, Nantou County, 台湾 557
公式FBはこちら

忘憂森林だけでは終わらない、付近の観光地


コダマ……ではありませんが、この忘憂森林の近くに、なんと妖怪のいる集落があります。その名も「妖怪村」、妖怪を主題にしたテーマパークです。忘憂森林に行く途中にある、溪頭というバス停の近くにあります。忘憂森林だけだとちょっとなぁ、と思ったら、こちらに寄ってみるのも良いでしょう。

こちらのテーマパークは大きく分けて、食べ物を売っているエリアと、宿泊エリアに分かれます。売っている食べ物がちょっとユニークで、ついふらふらと歩きまわって買い食いしてしまいました。

食べ歩きコレクション。

湯圓という台湾の白玉のような食べ物。目玉の中心はタピオカです。

串刺しのカステラ。出来立て熱々で美味しいです。

黒い生地のエッグタルトの中には、白玉が入っています。こちらも熱々で美味しかったです。

……まぁ、日本人観光客からするとちょっとどこかで見たことのあるような風景かもしれませんが、台湾にこんなところもあるんだ、と思って楽しんでみてもいいかと思います。

妖怪村
558 台湾 Nantou County, Lugu Township, 內湖村興產路2-3號
公式HPはこちら

自然って本当、不思議です

当初この観光地に関する情報を見たとき、「ここちょっと、メメント・モリ感あるな……」などと勝手に思っていたのですが、実際行ってみたらそんな感じはなく、美しい水辺のマイナスイオンで大いに癒されて帰って来ました。日常の風景とか仕事とか忘れるという意味では、本当に「忘憂」できたと思います。

そんな忘憂森林ですが、1999年の9月21日に発生した921大地震で、落石の影響により沼地が形成され、そこに生えていた杉の木が枯れてしまったため現在のような姿になったのだそうです。自然の力って、時として本当に奇跡のようなことを起こすものだなぁ、と実感しました。

ちなみにですがこの忘憂森林、渇水期があって、大体11月~4月頃は、水気がなくなってしまうとのこと。針のように伸びる杉の木の周りを散策するのも楽しそうですが、やっぱりお勧めは水気のある5月~10月頃です。私が訪れたのは9月でした。山の上で結構寒かったので、上着をもっていくといいですよ!

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、2017年とうとう台湾に移住しました。新北市にある大学の言語センターで1年間中国語を勉強したのち、台湾で日本語の教師として就職を果たしました。
趣味は旅行と登山と古い建物巡り。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。主な燃料はコーヒーとミントです。

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