あと5年で無くなる?台湾の奇岩だらけのスポットへ行ってみた
台湾

女王の頭、燭台、象、妖精のサンダル、きのこ、お姫さま、豆腐……、皆さんはこれらの単語を聞いて、何を思い浮かべますか? ウォルト・ディズニーが描いた夢の国? でも夢の国に豆腐のレンガでできた家なんてあったかしら……?

この連想クイズの答えを知るためには、台湾の野柳(イエリウ)地質公園へ行く必要があります。公園があるのは、台湾は新北市、萬里というところ。

海に面した小さな岬に、このクイズの答えがあるのです。不思議な単語の羅列を解明するために、さぁ、野柳へ旅立ってみましょう!

1.野柳ってどうやって行くの?

野柳は新北市の海際に位置しますが、じつはこの新北市、範囲がとても広いです。MRTのブルーライン、板橋(バンチャオ)には新北市の市政府(お役所)がありますが、板橋が新北なら、レッドラインの端にある淡水だって新北市。

MRT路線図では一見南と北に向かっているように見えるのに、路線図の中心あたりは台北市で、端の方は新北市って、ちょっと不思議ですよね。

さて、そういうわけで台北からタクシー以外で野柳へ行くなら、台北からなら台北車站(台北駅)から1815番のバスに乗るか(忠孝復興駅や忠孝敦化駅からも乗ることができます)、淡水からなら862番のバス、板橋からなら953番のバスで行くのがいいでしょう。

もしくは一度基隆まで出て、そこから台灣好行に乗るか、高架橋の麓のファミリーマートのあたりにあるバス停から、790番か862番(淡水からのバスの逆走)のバスに乗ります。

ちなみに私は新莊(イエローラインの端の方。やっぱり新北市 笑)の方に住んでいるので、1803番のバスで基隆まで出て、そこから790番に乗り換えました。

ただし1000番台のバスは長距離が多いせいか、1日あたりの本数が大変少ない場合もあるので、事前にインターネットでバスの本数を調べることをお勧めします。バスの番号と「公車(バスのこと)」という単語ですぐ出てきますよ。

2.緑のトンネルを抜けると、そこはワンダーランドでした


バスを降りて10分ほどてくてく歩いて行くと、やがて野柳地質公園の入り口へたどり着きます。公園とは言いますが、きちんと門があって、そこで入場のチケットを購入する必要があります。

チケット代80元を支払って、公園の中に入ります。ええ、なんてったってワンダーランドですからね……! 同園は朝8時から夕方5時まで開園となります。

チケットをもぎってもらい、早速公園の中へ。しばらくはこんな感じの道を進みます。暑い日差しに優しい緑のトンネルです。

少し行くと視界が開けて、青い海と、まるで海から斜めに突き出たような岩かべが見えてきました。さぁ、レッツ野柳探索!

岬の麓すぐのあたりに、「かわいいお姫さま」と「燭台石」という2つの看板が見えます。そう、連想クイズの中にあった単語です。看板の指し示す方に進んでみるとそこには……

はい! お姫さまです(ばーん)!

……どこが?と思ったそこのあなた、心の目でよく見てください……! 秀でた額に、丸い顎、後頭部にはお団子にした髪の毛。首を伸ばして、ちょっと上を向いているような感じ…。ほら、だんだんお姫さまの横顔に見えてきたでしょう?

まるでお姫さまの胸像のような岩、この岩は、人が作ったものではありません。地殻運動や海蝕、風蝕の影響を受けて、自然とこの形になったものです。

上の説明はちょっと無理があったかもしれませんが、自然にできたものと考えると、とてもよくできたお姫さまの形だと思いませんか?

そう、野柳地質公園には、こうした自然の妙というべき形状をした岩がたくさんあるのです。

ちなみに燭台石は、お姫さまから向かって左側にずーっと進むとあります。結構端の方。

同じ自然の力で作られた岩の形でも、石の質によって、形作られるものがそれぞれ違います。台形の燭台もまた、まるっこくて可愛いでしょう?

3.野柳地質公園のメイン、女王の頭


今回なぜ野柳地質公園に来たかというと、目的はこれに他なりません。お姫さまがいらっしゃるなら、もちろん女王様だっておわします。というわけで、野柳のメイン、「女王頭(女王の頭)」!

つんと上向いた鼻に、すっきりした顎のライン。高く巻き上げた髪に、繊細でたりなげな細い首。本当に、自然が作ったとは思えない、美しい容です。

こうした首が細い形状の岩は、総合して「きのこ岩」とよばれています。女王の頭も、このきのこ岩の一種。他にもいろんな形のきのこ岩があります。もちろんどのきのこ岩の頸の部分も、自然の侵食によって作られたものです。

驚くべきことにこのきのこ岩がたくさんあるエリア、普通に立ち入ることができます。

人ときのこ岩が並んでいると、まるで小さくなる薬を飲んだ不思議の国のアリスにでもなった気分です。みんな楽しそうに大きなきのこ岩の麓で写真を撮ってました。

さて、今回私が女王頭を見に来た理由は、実はもう1つあります。先ほど、「きのこ岩」の頸の部分は自然の侵食によって形造られた、と説明しましたが、この自然の侵食、もちろん現在も進行しています。なんたって、自然のすることですからね。

細い頸が更に侵食されてさらに細くなると……どうなるか想像がつきました? この期限が、あと大体5年ほどと言われているそうです。本当に、早めに観に行くことをお勧めします!

4.野柳、超高難度スタンプラリー

上の記事で「女王頭」「俏皮公主」「燭台石」など名前の付いた岩をいくつかご紹介いたしましたが、この野柳にはもちろん、その他にもたくさん名前のついた岩があります。

というわけで、今回私が写真を撮影してきたものを、下記にいくつかご紹介いたしますね。(チケットの裏に小さく岬の地図が書いてあって、それを元に該当するであろう岩を探してきました)

1.「菠蘿麵包(ボールオミェンバオ)」


麵包ってなんのことかというと、食べ物のパンのことです。そして菠蘿は、パイナップルを指します。

パイナッポーパン……?と聞くとおもわず首を傾げてしまうかもしれませんが、中国語のパイナップルパンって、日本語でいうところのメロンパンです。メロンパンって聞くと、ああ確かに!って思うでしょう?

2.「仙女鞋(シェンニューシエ)」


仙女、とは言いますが、これは中国語でフェアリーを指します。なので英語での名前表記は「Fairy’s shoe」になっています。妖精の靴と名付けられていますが、結構でっかいです。

靴のサイズから逆算すると、台湾の妖精さん、結構大きくていらっしゃいますね……海際から覗くような形で見ることができます。足元に注意してみてくださいね。

3.「大象(ダーシャン)」


文字の通り、象を指しています。頭は海の方を向いていて、鼻を使って水浴びをしている……らしいです。心の目で見てください。「仙女鞋」がある岩のすぐ隣に位置していますよ。こちらも足元に気をつけてくださいね。

4.「ゴリラ、もしくはキスをするスヌーピー」


これは監視員さんから聞いたのですが、この丸く穴が空いている岩、それだけでもちょっと特殊で面白いですが、穴ではなくて岩の部分を注視してみると、スヌーピーがチュッとキスをしているように見えるんです。

最初に見たときはさっぱり気づかなかった…

また角度を変えてみると、ゴリラにも見えるそう。なるほど、言われてみれば、両腕を地面につけているゴリラのようにも見える、かな……? しつこいですが、心の目で見てください(笑)。

5.「龍の頭」


これは近くに居た観光客さんが喋っていたのをちらっと漏れ聞いたのですが、地質公園内にはチケットの裏やパンフレットで紹介されている以外にも、たくさん名前のついた岩があるのだとか。

これはそのうちの1つ、龍の頭。反対側からみると目と口もちゃんとあるみたいです……が、ちょっと奥の方に位置していたのと、雨が降ってきてしまったので反対には行けませんでした。

スヌーピーのあたりから岬の岩壁の方をみると、奥の方に見つけることができますよ。

6.「豆腐岩」


「女王頭」があるところとは別のエリア、岬の先の方にあたる小高い丘を登って行った先で見ることができます。

高いところから眼下に海を望む形なのですが、くっきりと四角く切りそろえられた岩を見ることができますよ。棋磐石、とも呼ばれています。本当に、どうやったらこんな切り込みが入るのか……。

7.「瑪伶鳥石」


石の英語名はMarine bird rockなので、海鳥の形の石ということでしょう。鳥が翼を広げているような姿をしていますね。

この石があるのは、豆腐岩が見える方の階段とは逆側の階段の方になります。売店を通り過ぎてちょっと行くと、階段の先にある岩のてっぺんにこの石を見ることができますよ。

8.眺めのいい場所


この岬、ほとんどの観光客は手前のエリアのみ観光して帰ってしまうのですが、実際は階段があって、岬のもっと先の方まで行くことができます。先端の方までいくと、珠石と呼ばれる石や、二十四孝山と呼ばれる岩なども見ることができる……

らしいのですが、いかんせん「ここが⚪︎⚪︎の岩です! 」というような表示がないので、見つけることができませんでした。行けそうな道は一通り歩いたのに……

唯一たどり着くことが出来たのが、野柳の燈台でした。燈台の麓には石のテーブルがあるのですが、そこに腰掛けるとちょうど、眼前に海を眺める形となります。

なかなかにいい景色で、久しぶりにカメラのパノラマ機能を使って写真を撮ってしまいました。本当に人が来ないので、静かに海を眺めるのにぴったりの場所です。

5.石は石でも


野柳地質公園でさらにもう1つ特筆しておきたいのが、岩肌に露出している化石たちです。この化石、一箇所だけではなく、岩場のいたるところで見つけることができます。たまに気づかなくて踏んづけてしまうくらいです。

「可愛いお姫さま」と「女王の頭」のあるあたりにたくさんありますので、ぜひ大きな岩を見るだけでなく、足元も注意してみてみてください。足をあげたらそこに、花びらのような模様の化石が鎮座しているかも。

野柳地質公園
No. 167-1, Gangdong Road, Wanli District, New Taipei City,
公式HPはこちら

女王頭を見るための道路は、一方通行、逆走禁止です

写真を撮ると四角い画面の中に収まってしまうため小さく見えてしまいがちですが、実際に野柳に行ってみてみると、どの岩も結構大きくて立派です。自分より背の高い不思議な形の岩が立ち並ぶ姿は、私たちを本当に、どこか不思議な国へ迷い込んだような気分にさせてくれます。

名前のある岩のほか、名前のない岩たちもたくさんありますので、一つ一つ眺めて連想ゲームしながら、のんびり公園内を散策してみてくださいね。

また今回の野柳での楽しい出会いといえば、監視員のおじさんに私が日本人だとばれた時に、「ドウロ、イッポウツウコウ、ギャクソウ、キンシ、この日本語は聞いて分かるか」と聞かれたことでしょうか。うんうん分かると答えながら、一体どこの道路が一方通行で逆走禁止なのかと聞いてみると、女王頭の写真を撮るために設置された木道とのことでした。

観光客がスムーズに女王頭の写真を撮るために木道は一方通行になっていますので、うっかり逆から進まないよう気をつけてくださいね。監視員さんに「ドウロ、イッポウツウコウ、ギャクソウ、キンシ!(結構勢いはあるけど別に怒っているわけではない) 」と言われてしまわないように……。

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、最近とうとう台湾に移住しました。昼は大学の語学センターの学生、夜は新米の日本語教師として、日々つつましく生活しています。 趣味は旅行と登山。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。そんな具合に歩きまくっている最中に見つけた美しい光景を、拙い文章力ながら、皆様にお届けすることができれば幸いです。

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