台湾で景勝地といえば太魯閣(タロコ)渓谷!台北から日帰りで行く方法
台湾

それは、(旧正月前の)年の瀬も迫った1月25日のこと。ともに言語センターで中国語の勉強をしているクラスメイトから、1本のラインを受け取ったのが全ての始まりでした。
「花蓮(ファーレン)の太魯閣(タロコ)渓谷へ行かない?」

花蓮とは、台湾の東部にある県のこと。太魯閣渓谷はその花蓮にある、大理石の岩盤と澄んだ川の流れが美しい大渓谷。台湾で人気の観光地のうちの一つで、台湾で中国語を勉強する際使用する教科書の一つである『実用視聴華語3』の中で、アメリカのグランドキャニオンと対比(※匹敵とは書いていない)する形で取り上げられている台湾有数の景勝地です。

そんなわけで新北市の大学に通う女子3人で、台湾の人気の景勝地、花連の太魯閣へ日帰り旅行に行ってまいりました!

台北駅から太魯閣渓谷までの交通

台北から花蓮の太魯閣渓谷に行くためには、まずは台北の大ターミナル駅である「台北車站(台北駅)」まで出、そこから台灣鐵路乗り換える形となります。バスでのルートもありますが、こちらは途中の羅東(ルオドン)というところで電車に乗り換える必要があります。

台湾鉄道は予め席を予約しておこう

台北から花蓮までは2時間から3時間かかるので、座っていけるように予め席を予約しましょう。台湾鉄道のウェブサイトから席を予約することができます。日本語のサイトもありますよ! 乗車券の価格が高いほど早く到着します。
もちろん駅で切符を購入することも可能です。

※台湾で台鉄の席を予約をした場合
オンライン決済をするか、前日までに現地のセブンイレブンで支払いを済ませましょう。現地支払いの場合のやり方は日本と概ね同じで、店内にあるチケット支払い用の機械(ibonといいます)のタッチパネルを操作してレシートを排出させ、レジに持っていって支払いを済ませましょう。

地下鉄から乗り換える方法

台北は地下鉄が発達している都市で、市内の有名観光地へはこの地下鉄に乗れば大体辿りつくことができます。ただし呼称は「地下鉄(ディーシャーティエ)」ではなく「捷運(ジエユン)」。その捷運に乗って台北車站(台北駅)に着いたら、M1出口に向かいましょう。地上にでることなく、電車に乗り換えることができますよ。

台湾鉄道に乗ったら

捷運から台鉄に乗り換えたら、予約した座席の車両と座席を確認しましょう。偶に予約したはずの席に人が座っていることがありますが、予約している人がいることが分かると、「ここの席予約してる?」と聞いて速やかに席を譲ってくれます。予約している席なのに!と、目くじらをたてたりしないように……。

ちなみにこの台湾鉄道の中では、お弁当を食べたり飲み物を飲んだりすることができますが、捷運では飲食が禁止されています。うっかりものを食べたり飲んだりすると罰金を取られてしまいますので注意してくださいね。

花連(ファーレン)駅に到着

花連(ファーレン)駅に到着したら、駅から出てロータリーの左手の方にあるバス乗り場でチケットを買います。花連から太魯閣渓谷行きのバスは、行きは7時から15時まで1時間に1本程度の間隔でシャトルバスが出ています(まれに増便あり)。

バスのチケットは通常の片道ずつ購入するタイプのものと一日乗り放題250台湾ドルの切符があります。複数箇所を見て回ろうとすると足が出てしまう場合もあるので、何箇所か行きたい場合は乗り放題切符を購入しましょう。

切り立った大理石の白い岩と青々と澄んだ水が美しい、太魯閣渓谷

さて、太魯閣(タロコ)にはいくつか見所となるポイントがありますが、バスの本数に限りがあるので、くまなく見て回りたい場合は、車やタクシーを利用する必要があります。

今回我々はバスを利用したので、見所ポイントを絞って見てまいりました。訪れたのは、砂卡礑(シャーカーダン)、長春祠(チャンチュンツー)、燕子口(イェンズコウ)の3箇所です。

砂卡礑で、大理石の庇の下を歩いてハイキング


バスに揺られて山道を進んでいくと、長いトンネルを抜けた先に、大理石でできた真っ白い橋が見えます。

橋が見えたら、その橋から行くができる観光ポイントが、砂卡礑(シャーカーダン。台湾の訛りもあるので、人によってはサーカーダンに聞こえるかも)歩道です。橋の旅行側に階段があって、そこから川沿いまで降りることができます。片方は降り口で片方は登り口です。

橋の上の獅子の飾りは、全部が違う顔をしているのだそう……ですが、帰ってきてから知りました。残念。

橋から歩道の方を見ると、切り立った崖の麓の方に、1本の窪み状の線のようなものが見えます。よくよく目を凝らして見ると、その線の部分を、人が行き来しているのがわかります。そう、この崖の麓の部分、崖の一部がえぐれたようになっていて、その下を人が通ることができるんです。

足下に清流の青々と美しい流れを見下ろしながら、大理石の庇や緑の木々の天井の下を通ってのんびりハイキングを楽しみましょう。

「東西横貫公路」の工事中に亡くなった人たちを祀る「長春祠」


太魯閣に足を踏み入れるにあたり、最初に「東西横貫公路」と名前のついた門の横をバスで通り抜けます。

この「東西横貫公路」は、公路、つまり道路の名前を表示してあるのですが、実はこの花連と台中を結ぶ大切な道路でもあるのです。長春祠(チャンチュンツー)は、その道路を作るにあたり亡くなった方の慰霊のために建てられた廟なのです。

私たちは時間の関係で廟を遠景で廟を眺めたのみになるのですが、廟の前で大きくうねる川の流れがとても印象的なポイントでした。清流が美しくアールを描く様は、まさしく大自然のつくりだす芸術とでもいうべきでしょうか。

ちなみにこのポイント、砂卡礑からトンネルの中を抜けて歩いて行くことができますが、バスは戻りのバスしかありませんのでご注意ください。私たちは砂卡礑からここまで歩いてきたので、一度入り口である太魯閣バス停に戻り、そこから燕子口行きのバスに乗り換えました。

切り立った崖の合間をツバメが飛び交う、燕子口


燕子口(イェンズコウ)はその名の通り、この辺りにツバメが多く巣をかけるためについた地名です。大理石の絶壁にいくつか穴があいていて、その中に燕が住んでいる……ということらしいのですが、真偽のほどは謎らしいです。

穴に燕が住んでいるいないはともかくと、迫力のある大きな岩崖に、幾層にも重なるように描き出された大理石の模様と、澄んだ川の流れの美しいスポットです。

またこの辺りの道路の特徴なのですが、岩山をじかにくりぬいて道路を通しているので、1つトンネルに入ると、まるで洞窟の中にでも入ったような雰囲気を味わうことができるのです。ダンジョンを冒険してるみたい。

このトンネルをくぐり抜けた先の岩壁に、「飛燕迎賓(軽やかに飛びまわる燕が来客を迎えもてなす)」という言葉が赤い文字で書いて有ります。ぜひ探してみて、その後渓谷を飛び交う燕の姿を眺めてみてくださいね!
(ただし、私たちは冬に行ったので、燕の姿はあまり見れませんでしたが……)

旅行後に知ったのですが、このエリア、雨が降った日の翌日などは、落石が発生するのだそうです。なので、燕子口から少し手前の場所には、ヘルメットの無料貸し出し所もあるらしいのですが、知らなかった私たちはそのまま観光に向かっていました。
今後旅行される皆さんは、きちんとヘルメットをかぶって行かれてくださいね。

せっかく花連にきたのだから、夜市にも寄って行きましょう

さて、3箇所をのんびりみて回るとそろそろ帰りのバスを気にしなければいけない時間になってしまいます。燕子口からのバスは花蓮まで直通しますので、そのままバスに揺られて花連の駅まで戻りましょう。

もちろんそのまま電車に乗って台北に戻ってもいいですが、せっかく花連にきているので、花連の駅の周りも少し観光していきたいですよね?と、いうわけで、私たちはそのまま電車には乗らず、花連の「東大門夜市」に赴くことにしました。

実は私たちが花連を訪れた1月27日は、台湾の除夕(チューシー)、日本でいうこところの大晦日になります。ですので、夜市のお店が全部開いているというわけではなく、人もちょっと少なめでした。それでも夜市のお店が開き始める夜の6時を過ぎると、徐々に人も増えてきます。

いつもならひといきれにごった返す人気の夜市も、人が少なかったので、のんびり楽しめむことができました。
屋台に並んでいるのは、火鍋に海鮮、碳烤(串焼き)、蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)、豬血糕(もち米に豚の血を加えて固めたもの),地瓜球(サツマイモの揚げドーナツ)、麻糬(もち)などなど。

買ったその場で熱々のうちにかぶり付きながら、目と頭では次に何を食べるか考えながら周りの屋台を観察、というのが夜市の効率的な周り方ですよ!

碳烤(串焼き)は、ボールに自分の食べたい串を選んでいれて、お店の人に焼いてもらいます。

ふわふわした卵に小粒の牡蠣が入った蚵仔煎(牡蠣のオムレツ)。個人的に台湾に行くなら絶対に食べる一品。

麻糬(もち)のお店には、芸能人がこの店を訪れた形跡が。日本を離れているとモチが恋しいです。

この夜市への行き方ですが、花連駅で「花連客運」とかいてあるバスの、1123、1126、1128、1129、1131、1132、1133、1136、1139、1141、105バスのいずれかに乗って、「花連總站」で下車しましょう。乗るときに「夜市(イエシー)」と主張すると、運転手さんが下車のポイントを教えてくれますよ。

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、2017年とうとう台湾に移住しました。新北市にある大学の言語センターで1年間中国語を勉強したのち、台湾で日本語の教師として就職を果たしました。 趣味は旅行と登山と古い建物巡り。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。主な燃料はコーヒーとミントです。

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