北イタリアのトリノといえば、荒川静香選手が金メダルを取った2006年冬季オリンピック大会の開催地と記憶している方も多いのではないでしょうか?
日本からの団体ツアーのコースからも外れているけど、何だか名前だけは聞いたことがある街。行ってみるとトリノはゴージャスで、街中が回廊になっている街でした!
豊かな街トリノ
イタリアの有名な観光地ミラノ。そのミラノ中央駅から新幹線でわずか1時間でピエモンテ州トリノ市に到着します。実際に行ってみるととても静かで落ち着いた近代的な街。
チンクエチェントで有名なイタリア自動車フィアット社や、サッカーではユヴェントスの本拠地。工業都市なので経済的に豊かなのか、街自体は寂れておらずフランスに似た雰囲気です。
7月に行ったのですが、観光客というより地元の人が多いという雰囲気でした。
王様がお忍びでお散歩?
1861年バラバラに分かれていたイタリアが統一され、サヴォイア家の君主が国王になり、このトリノが王国最初の都になりました。
王様が濡れないようにと作られた回廊は街のあちこちに伸びています。事実、イタリア王国最後の国王ウンベルト2世(1904-1983)は、市民にまぎれ変装してお忍びで回廊を散歩していたといわれています。
サヴォイア家お気に入りだったといわれるカフェトリノ。こうしたカフェが街中にいくつもあります。王様はお散歩の最中にカフェにも行ったに違いありませんね。
興味深いのは新しい建物でもきちんと回廊が作られていること。雨が降っても濡れることがありません。夏の暑い日差しや、ピエモンテの山々から吹く風からも防いでくれます。とにかくトリノの人は雨が降っても傘は必要なさそうです!
これも歴史あるお店?とおもうなかれ、あのマクドナルドもトリノでは回廊で重厚なスタイルです。
これは、イタリア中に展開している生協COOPです。トリノのアーケードの中では、どこにでもあるスーパーマーケットもまるで格式ある老舗の食料品屋のようですね。
豪華絢爛な王宮博物館
王宮広場には、世界遺産に登録されているサヴォイア家の王宮があります。中はサバウダ美術館、考古学博物館などが入っていて、1日がかりになりそうな広さです。
トリノ王宮博物館の中でも圧巻は、王立武器甲冑展示室(ARMERIA REALE)です。バロック様式の長い廊下に武器甲冑がずらりと並んでいるので入った時には圧倒されます。
よく見てみると、1頭1頭の馬たちは本当にリアル! それもそのはず、実際の馬の剥製を使っています。手前の馬は日本から贈られた「サムライの馬」として展示されていました。他の西洋の馬と比べると一回り小さい体格です。
こちらは、1869年に明治天皇からヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に贈られた甲冑と刀。
王宮内にはヨーロッパの歴史映画の中でしか見ないような立派な王座もあります。まさに豪華絢爛です。
サバウダ美術館から見えるイタリア式王宮庭園。
聖骸布はトリノにあります
トリノのといえば聖骸布が有名です。聖骸布とは、十字架に架けられて亡くなったキリストの遺体を包んだとされる奇跡の布のこと。
上記写真はコピーです。残念ながら本物は見ることは出来ません。最後の公開は2010年だそうです。
現在は、トリノ聖ヨハネ大聖堂の奥、主祭壇の左側の聖骸布礼拝堂内に保存されています。