イタリアで多発中の「踏み絵詐欺」の現場の撮影に成功!
イタリア

ヨーロッパではこの時期、観光のハイシーズンであるため多くの外国人がイタリアを訪れます。

楽しい旅行中に気をつけておきたいのは、ハイシーズンと共に現れるスリや置き引きなどの泥棒達。

 

最近ではなかなか表に出ない新しい手口もあります。その中でも今回は近年多発している「踏み絵詐欺」についてお伝えします。

イタリア旅行前にご一読ください!

 

詐欺グループの見張り役の注意を引かないように写真を撮っているため、遠目からの画像が多くなることをご了承ください(顔を一部加工してあります)。

踏み絵詐欺って何だ?

春になると旅行シーズン到来です。観光国であるイタリアは、大体3月〜11月頃がハイシーズンにあたります。

2017年の外国人観光客数は約6,000万人。

 

イタリアは芸術品のような古い建築物がそのまま保存され、観光客は感激もひとしお。でも、そんな美しい建築物の下で軽犯罪も多いのがこの国。

よくガイドブックやネットに書かれているスリや置き引き以外に、近年多発している踏み絵詐欺があります。

 

7、8年前から謎のイタリアの風景や人物などが印刷された絵を売る男たちが増えてきました。

彼らはイタリア人ではなく、アラブ語圏の国か北アフリカ人だと思われます。

数年前まで彼らは、モニュメントやレストランから出てくる観光客に絵を直接売っていました。

私の経験では一枚10ユーロくらいから始まり、団体旅行のグループの誰かが買うと、値を下げて3ユーロくらいにまでなっていました。そのため購入者間でトラブルになったこともありました。

日本人はほぼ買いませんが、買う外国人観光客もいるようです。

 

ところが、近年は形を変えて悪質な詐欺を行うようになりました。

手口は、雑踏の中や人が沢山通る場所にわざと絵を並べ、絵を踏ませて因縁をつけ、お金を脅し取るというものです。

 

「絵を踏んだから買い取れ!」と言って、100〜200ユーロを請求されます。

警官のパトロールのスキを見て、観光客がちょうど沢山通る場所に絵を並べ始めます。

 

警官が来ないか見張り役が常に警戒しチェックしています。

 

売人の方は誰か踏まないか足元をチェックしています。

 

こちらの通りは狭い道から急に開けた場所にあるので、みんなが夢中になって上を見上げる場所。

ちょうど踏まれやすい曲がり角に絵を置いて獲物を待ちます。

 

もし踏んでしまった場合、添乗員やガイド付きの観光客は適切に対応できますが、個人で動いていると、脅されて口論になることもあります。その結果、内出血の跡になるほど腕を掴まれたり、ホテルまで2人組に跡をつけられる事もあります。

 何故、知られていないのか?

①まず、被害者が被害にあったという自覚が全くない!

街の中には、イーゼルや椅子を用意して似顔などを売っている人が沢山いますが、彼らは合法の職業です。

つまり許可を貰って政府に税金を払っている人たちです。なので警官が来ても逃げません。

 

しかし、石畳の上で直接絵を売る人は違法です。そんな内情、観光客にはなかなかわかりませんよね。

観光役はその区別がつかないため、「絵を誤って踏んでしまった!」と、申し訳ない気持ちでお金を払う人が沢山いるのです。

②自覚がないから警察に行っていない

日本人が脅されたケースを沢山知っています。

個人で来たある日本人観光客は、「200ユーロだったところをお金がなく50ユーロにしてもらった! ラッキーだった〜!」と喜んでいたことも。

 

違法で売っているものにお金を払った自覚が全く無いため、表に出ないのです。

③被害にあったけど警察に行けない

脅されて怖い思いをした。でも旅行中は時間もないし、お金も戻らない。しょうがないと諦めてしまう人もいます。

警官と不法労働者のいたちごっこ

地べたで絵を売る彼らのグループには、警察が来たら急いて撤収できるように必ず見張り役がいます。

警察は時々パトロールに来ますが、来たときにはもぬけの殻状態。

彼らはすぐに荷物をまとめて逃げていってしまいます。

警察が来るまで物陰で潜む3人。現行犯でないとなかなか捕まりませんし、非常に用心深いです。

 

少し前にパトカーではなく、なんと自転車で来た覆面警察官が取り押さえた「大捕物」を目撃しました。

数日は静かでしたが、今ではまた同じように売っています。

写真を撮っている間にも獲物?が。

どうやら観光客の若い男性とトラブルになり、その父親のような人がお金を払っていました。

 

このように表に出ないケースが非常に多いので要注意です。

対策方法を考えよう

まず、当たり前ですが自覚を持って近づかなければ大丈夫です。

子供連れの観光客は特に注意してください。子供が踏んだ!と言って因縁つけられたケースが何度もあります。

 

もし、トラブルになったら大声を出す、そして近くにいる警察官やパトカーを探しましょう。

最近はテロへの抑止力として主要モニュメントには陸軍の兵士も出ていますので、片言英語やジェスチャーで良いので助けを求めるのが最良だと思います。

とにかく自覚を持って気をつけておくのが大事です。

旅行中は楽しい思い出だけ持って帰ってくださいね!

その他のケース

街中に机を出して、声をかけて署名運動する人たち。

服には許可証のようなものをつけていています。

前を通る人の国の言葉で、「署名をお願いします!」と言っています。

しつこく言ってくるため言葉がわからないふりして無視したら、悪態をつかれてしまいました。

その気がない方は注意してくださいね。

この記事を書いた人

ゆきとさな

ゆきとさなフィレンツェ県公認ガイド

旅行業界で20年以上働いています。旅行の度にコロコロシステムが変わるイタリアですが、できるだけ最新の情報を心掛けます。歴史と魅力が沢山の国イタリアに来て下さいね!

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