こんにちは、ライターの新田です。突然ですが、東京駅を探検したことはありますか? 「東京駅は単に乗り降りする駅では……」と思った方、それはあまりにもったいない! 今回は東京駅の見所を紹介します。
東京駅は壮大な美術館?
東京駅は美術好きな方にとってはたまらない空間だと思います。まずは東京駅にある美術品と美術館を紹介しましょう。
東京駅中央通路、郵便ポストの隣にある彫像は彫刻家・圓鍔勝三氏の作品「仲間」です。圓鍔勝三氏は1905年、広島生まれ。日本を代表する彫刻家です。保存状態はよくありませんが、存在感抜群の銅像です。
次は山手線・京浜東北線5番線・6番線ホームに行きましょう。横浜方面にはこのような優美な柱が見られます。
この柱は1914年、東京駅開業時のもの。大半は取り替えられましたが、2本だけ大切に保存されています。まるでギリシャ彫刻のような凝ったつくりになっています。
東京ディズニーランドへのアクセスでお世話になる京葉線の地下通路には巨大なステンドグラスがあります。
この作品の題名は「天地創造」、サイズは横9m、縦5mです。作品を目の前にすると、教会にいるような気分にさせてくれます。
「天地創造」の近くにはこれまた巨大なレリーフが。これは「R.T.Oレリーフ」という不思議な名前が付けられています。レリーフが誕生したのは第2次世界大戦後のこと。進駐軍が利用した待合室に設置されました。
「進駐軍の目を驚かすような意匠を施すことはできないだろうか」そのような想いでつくられたそうです。当時の日本人の心意気を感じることができる作品といえるでしょう。
さて、中央通路には「仲間の像」がありますが、地下中央通路には「銀の鈴」が設置されています。初代「銀の鈴」が設置されたのは昭和43年のこと。現在の「銀の鈴」は4代目にあたります。
ところで、東京駅には本格的な美術館があることを知っていましたか? それが丸の内北口にある「トーキョーステーションギャラリー」です。
「トーキョーステーションギャラリー」は3階建てです。私が訪れた日はベラルーシ生まれのユダヤ人画家、シャガールの展覧会が行われていました。
シャガールは絵画は知られていますが、彫刻作品が展示されるのは珍しいこと。みなさん、興味深そうにシャガールの作品を鑑賞していました。
なお「トーキョーステーションギャラリー」でじっくりと作品を鑑賞したい場合は最低でも1時間は欲しいところです。
悲劇の舞台にもなった東京駅
東京駅では2名の総理大臣が暗殺されています。1人目は「平民宰相」で有名な原敬首相です。原敬首相は1856年生まれ。もともとは武家の出身ですが、20歳に分家して「平民」籍になりました。
1918年、平民初の首相として原敬内閣が成立。同時に、初の本格的な政党政治内閣でした。しかし、1921年11月4日、原敬首相は暴漢に襲われ、亡くなりました。
2人目は浜口首相です。浜口首相は1870年生まれ。1929年に浜口内閣が成立しました。浜口内閣はロンドン海軍軍縮会議を結び、これが暗殺の原因になりました。
なお、原敬首相暗殺現場は丸の内南口の券売機横、浜口首相暗殺現場は「仲間の像」の近くにあります。
鉄道ファンなら訪れたいスポット
最後に鉄道ファンおすすめスポットを紹介しましょう。1つ目は「ゼロキロポスト」です。写真は中央線の「ゼロキロポスト」。ここから中央線がスタートします。こうして見ると、なかなか可愛いですね。
2つ目は丸の内地下南口にある「動輪の広場」です。この動輪は東京駅に乗り入れていたC62-15型蒸気機関車のもの。直径は1.75mにもあり、なかなかの迫力です。