「共産趣味オタク」とはなにか?

こんにちは、ライターの新田です。最近、共産主義時代を「趣味的に」楽しむことがブームになっています。この現象は一般的に「共産趣味」と言われています。

今回は「共産趣味」にスポットを当てたいと思います。

そもそも「共産趣味」とは何か? 


多くの方が「共産趣味」と聞いても「?」マークでしょう。「共産趣味」とは冷戦期に存在した共産主義国家、現存する共産主義国家の文化を楽しむことを指します。

具体的には、ソビエト連邦や東欧諸国(チェコスロバキア、ポーランド、ユーゴスラビアなど)の政府機関が作ったプロパガンダソングやポスターなどを収集したりすることです。

現存する共産主義国家ですと朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が人気ですね。北朝鮮は現在でもプロパガンダソングを作り続けているので、マニアがそれらを収集しています。オールドファンですと、北朝鮮からの日本語放送(朝鮮の声)を聞く方も多いですね。

このように書くと「家に閉じこもる暗い趣味」と思われるかもしれません。しかし、そうとも限りません。

東京や大阪には共産主義時代のグッズを集めた雑貨屋がいくつかあります。共産主義時代に作られたプロパガンダ的な雑貨を手に取りながら、店主と話すのは実に楽しいことです。

また「共産趣味」を標榜する女性モデルや声優も出るようになりました。もしかすると、近い将来、コミケのように「共産趣味」に関する大体的なイベントが行われるかもしれませんね。

私は「音楽」「建築」「博物館」派? 


ウクライナ・キエフにて

「共産趣味」と書きましたが、世の中にある多くの趣味のように楽しみ方はいろいろ。おそらく、人によって「共産趣味」に対する考え方は違うと思います。

私は共産主義時代のプロパガンダソングを聞くこと、共産主義時代に建てられた建築物を見ること、共産主義時代に焦点を当てた博物館を訪れることが好きです。

まず、共産主義時代のプロパガンダソングから。どの国もそうですが、プロパガンダソングを聞くと元気と勇気が出てきます! 事実、受験や就職活動の面接前はプロパガンダソングを聴き続けて「緊張」を克服しました。

特にオススメなのがユーゴスラビアのプロパガンダソング。リズムが独特というか、バルカンチックですね。

ポーランド・ワルシャワにある文化科学宮殿

次に共産主義時代の建築物。国土が狭く平野が少ない日本では考えられないような迫力満点のスタイルが特徴です。ただし、こういった迫力のある建築物はスターリン期(1950年代半ば)まで。それ以降は、ローコーストの「箱物」が建てられるようになりました。

しかし、中には実用性度外視の近未来的なデザインも見られます。「こんなデザイン、不便ではないのかな……」とあれこれ考えながら見るのもおもしろいですよ。

チトー像

最後の「博物館」はもしかすると「共産趣味」からは少し外れるかもしれません。近年、ヨーロッパを中心に共産主義時代にスポットを当てた博物館が次々にオープンしています。共産主義時代の生活から共産主義政権が犯した犯罪的行為の解説まで、実に様々。

私は共産主義時代にスポットを当てていれば、どんな博物館でも訪れるようにしています。資本主義世界とはまた違った世界や価値観が垣間見られるからです。

共産趣味者は共産主義者ではない 


スロベニア・リュブリャーナにある「現代史博物館」。

よく「共産趣味者=共産主義者」と思っている方に出会います。しかし、必ずしも共産趣味者が共産主義を好んでいるわけではありません。事実、私は全く共産主義を支持していないわけですから。趣味と政治は別物なので、共産主義時代の文化そのものを楽しめばいいと思います。

ただし、過度に共産主義時代をネタにして笑いものにするのは良くないと思います。実際に、その時代に生きて、今でも共産主義を支持している方は存在しているのですから。

そして、共産主義政権に弾圧された人々のことも忘れてはいけません。そのような暗い側面もあった、ということも心の片隅に置いておきましょう。

私自身も趣味としての共産主義時代と歴史としての共産主義時代との関係について、試行錯誤している最中です。

この記事を書いた人

新田浩之

新田浩之鉄道&中東欧旅行研究家

1987年生まれ。神戸市在住。専門は鉄道と中東欧です。国内では鉄道系イベントの取材、国外では中欧、東欧、ロシアの歴史スポットを訪ね歩いています。チェコアンバサダー2018

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