初めてのシルクロード旅に「新疆ウイグル自治区」をおすすめする5つの理由
中国

シルクロード。その甘美な響きに憧れる人も少なくないはずです。

シルクロードは、東は中国・西安から、旧ソ連の中央アジア(「〇〇スタン」の国々)、中東、コーカサス地方、トルコを経てローマまで通じるルートです。古くから中国の絹をはじめとし、アジアとヨーロッパの物や人が行き交いました。

シルクロードの醍醐味は、何といってもアジアとヨーロッパの文化が程よく混ざっているところ。その「混ざった感」を味わえる地域でおすすめするのが、中国の新疆ウイグル自治区です!

新疆ウイグル自治区とは

新疆ウイグル自治区は中国の北西部にある、中国の自治区のひとつ。主要民族はトルコ系のウイグル族で、47の民族が暮らしています。イスラム教を信じる人が多く、東西文化の融合を感じられる地域です。

旅好きの中でもメジャーな地域ではありませんが、ここをおすすめする理由があるんです!(以下、データは2016年旅行当時のものです)

1.中国なのでビザ不要

シルクロードが通る地域は、中央アジアや中東など、入国にビザが必要な国が多いです。しかし新疆ウイグル自治区は中国領土内なので、入国や滞在については、北京や上海などとまったく同じ。

日本のパスポートを持ち、滞在期間が15日以内であればノービザで入国できます。

2.漢字が使える

上でお伝えしたように新疆ウイグル自治区は「国」としては中国になるので、中国語、つまり漢字(中国で使われる簡体字)が使われています。

駅や道路、店の看板などは、ウイグル人が使うウイグル文字(アラビア文字と似ている)と漢字が並んで表示されています。中国語が話せなくても、漢字で筆談すれば旅行程度の意思疎通はなんとかなります!

筆談で戦った痕跡です(笑)。

旧ソ連の中央アジアなど、シルクロードエリアでは英語が通じにくいことがほとんど。キリル文字やアラビア文字は、アルファベットすら読めないですよね。

その点、新疆ウイグル自治区で漢字が使えるのは、日本人にはとても心強いですね(ただし中国も、英語はかなり通じにくいです)。

3.意外に治安が良い

「中国の新疆ウイグル自治区」というと、少し地理に詳しい人は「危なくないの?大丈夫?」と聞いてきます。

なぜなら2009年、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで、少数民族による大規模な暴動があったからです。少数民族が多数を占める自治区という性質上、中国当局と関係が微妙になる時期もないとはいえません。

しかし今は落ち着いていますし、荷物のセキュリティチェックは厳しいですが(これは中国全体の方針)、私が2016年に街を歩いた限り、不穏な空気を感じることはありませんでした。

むしろ昨今の世界情勢を見ると、比較的安全に旅ができる地域と言えるかもしれません。

4.意外に日本語ガイドが多い


シルクロードといえば、砂漠にたたずむ王国の遺跡はハイライト。でもそういう場所は街から離れ、車をチャーターしないと行けない場合がほとんどです。

そんな時は、車と運転手の他に日本語ガイドをつけるといいですよ。知識がなければ、遺跡なんてただの石や砂! ガイドの有無は観光の満足度を左右します。「こんな中国の奥地に、日本語ガイドがいるの?」と思われそうですが、意外にいるのです。しかも少なくありません。

というのも1980年、NHKで「シルクロード」シリーズが放送され、日本で爆発的なシルクロードブームが起こりました。その後、新疆ウイグル自治区への日本人旅行者が急増。その影響で、現地で日本語を懸命に勉強して、日本語ガイドになる人が少なくなかったそうです。

2016年に私が訪れたときは、ウルムチ、クチャ、カシュガルの3都市で1人ずつ日本語ガイドがつきました。遺跡だけでなく、街の情報も教えてくれたので助かりました。

カシュガルでお世話になったウイグル人のガイドさんです(中央)。きれい。日本人がいかに「平たい顔族」なのか、わかります(笑)。

その前年、クロアチアに行った時は「日本語ガイドが少なく手配が難しい」と旅行社に言われ、英語ガイドになりました。それを思えば新疆ウイグル自治区は、日本人案内の歴史が根づいている印象でした。

気になる料金ですが……私は宿泊代や都市移動の列車代なども含めたパック料金で支払ったので、正確な金額はわかりません。ただ、セダンタイプの車と運転手、日本語ガイドを1日チャーターして1万円ちょっと。高くても2万円で収まるはずです。2~3人で行けば、高くない金額ですね。

この料金予想は、往復航空代を除く宿泊代、国内移動代(列車、車)、観光地入場料、ガイド料を含めた料金が、18日間で27万円だったことに由来します。日本人スタッフがいる、西安の「西安中信国際旅行社」で手配しました。ご参考までに。

ガイド歴10年以上で本当に日本語が上手なのに、日本に行ったことがないガイドがいたのも涙ぐましいところ。ここ数年、日中の政治摩擦の影響で日本人観光客が減っているそうなので、行ったら喜んでくれますよ!

5.やっぱり親日

世界中の多くの国や地域がそうであるように、新疆ウイグル自治区も親日です。

日本人は中国で多数を占める漢民族と外見が似ているため、はじめは大した反応をされませんが、こちらが「ヤポン(ウイグル語で日本)」と名乗ると、「おお!ヤポン!」と言って、外国からの客人を歓迎してくれます。

カシュガルの観覧車に乗ったときの、チケット売り場のおじさん。旅の中で、「ヤポン」と名乗った時の反応がいちばん大きかった人です。

ウイグル人は陽気で穏やかな人が多く、しつこい客引きもほとんどいません。新疆ウイグル自治区は、とっても旅がしやすくシルクロード初心者におすすめの地域です。

新疆ウイグル自治区

ここから、シルクロード旅を始めよう

新疆ウイグル自治区は、シルクロード全体でいえば東側。
東から西に進むにつれ、民族や文化が変化するのを見ることができます。東端の西安、敦煌も合わせて旅をすると、その変遷ぶりをいっそう感じることができますよ。

初めてシルクロード旅行をするなら、新疆ウイグル自治区を含む中国から始めてみてはいかがでしょう。
その次は中央アジア、その次はイラン……と、少しずつ地図を色で塗りつぶす楽しみも味わうことができます。

この記事を書いた人

合楽 仁美(らく)

合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

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神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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