ジョージアのワインは土製の甕(かめ)を地中に埋めて醸造するというので、飲んできた
ジョージア

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アジアとヨーロッパの交差点といわれるジョージア。1991年にソ連から独立したこの国は、隣国のアゼルバジャン、アルメニアと合わせて「(南)コーカサス地方」といわれます。

古代オリエント文明の舞台でもありました。日本ではあまり知られていませんが、ジョージアを含むコーカサス地方は、ぶどうの原産地域です

そのため、ワイン作りもここが発祥の地といわれています。

ワインの楽園、ジョージア

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ジョージアに行って驚いたのは、とにかくワインが安いこと! ビールより安いんです!

散策中に立ち寄ったカフェでは、ビールが7ラリ(約350円)だったのに対し、ワインは5ラリ(約250)円! お茶を飲む感覚です。
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その安さにうれしくなって、日本でもやったことのない「ワイン×アイスクリーム」という贅沢な組み合わせにチャレンジ。至福のひと時でした。

しかも、アイスクリーム自体がとってもおいしい! 冷えた金属製の器に入れられているのも感激です。
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こちらは夕食で利用した、ワインセラー風レストラン。泊まったホテルの前にあったので何となく入ったのですが、シックでいい雰囲気でした。
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同行の友人とグラスワインを1杯ずつ頼むと、「デキャンタのほうがお得だよ」と言われ、そちらを注文(写真奥)。2人とも強くないので、すべて飲み干せなかったくせにベロベロです。

ユニークなワイン作り

そんなジョージアワインですが、作り方がちょっと変わっています。

一般的に、ワインといえば樽で醸造します。しかしジョージアのワインは、土製の甕(かめ)を地中に埋め、その中でワインを発酵させ、貯蔵しています!
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甕の首部分だけが、地上に出ていますね。このワイン専用の甕を「Kvevri(クヴェヴリ)」といいます。
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クヴェヴリの全身(?)はこんな感じです。これは公園に設置されたモニュメントですが、実物はこの2倍ほどの大きさです。

発祥の地だけあって、ジョージアのワイン作りは7,000~8,000年前から行われていたといわれます。古代からのクヴェヴリ製法を守っていることが評価され、2013年、ジョージアワインはユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。

上の写真はレストランの貯蔵用クヴェヴリなので小さめですが、地方のワイナリーでは、人が余裕で入ってしまうほどの大きなクヴェヴリでワインを作ります。

ワイナリーだけでなく、自宅の庭にクヴェヴリを埋め、自分たち用のワインを作る家庭も多いそうですよ。
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こちらの瓶に入った琥珀色の液体は、山あいのカズベキ村に行ったときに泊まった、宿の自家製ワイン。渋さと甘さの両方が感じられる味でした。
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首都トビリシの街を歩けば、至るところにワインバーやワインレストランがあります。
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クヴェヴリ製法の素朴さから、ジョージアワインの味は素朴で力強いともいわれますが、種類がとても豊富なので、フルーティーでスイートなものから辛口、重めのものまで、お好みのものが見つかるはずです。
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ワインボトルのラベルにも、クヴェヴリが描かれたものがたくさんあります。
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ジョージアワインは、ワインボトルも魅力。主流はやはりガラス製の瓶ですが、陶器の瓶が比較的多く、発祥の地にふさわしいオリエンタルで朴訥とした雰囲気を醸し出しています。飲み終わってもコレクションしたくなりそう。
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クヴェヴリを形どったお土産もたくさんあります。この置物は、片手に乗るほどの大きさ。転がらないように台つきなんて、気が利いてますね。かわいくてデスクに飾っています。

ジョージアワインに出会うには

今回の旅行では時間がなくて行けませんでしたが、ジョージアでもとくにワイン作りが盛んなのがカヘティ地方です。

ワイナリーがたくさんあり、トビリシからも観光ツアーが出ています。ワインがお好きな方は、ジョージア旅行の際には、ぜひ足を延ばしてみてくださいね!

私のようにワイナリーに行けないけど、都市部でクヴェヴリが見たい!というときは、レストランで「クヴェヴリはありますか。見せてもらえますか」と聞いてみましょう。レストラン側から案内はしませんが、頼めば快く見せてくれました。

ジョージアワインは、日本でも輸入食材店やちょっと専門的なワインショップで見つけることができるので、探してみてください。でもやっぱり、現地で味わうのが一番ですけどね!

この記事を書いた人

合楽 仁美(らく)

合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

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神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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