プラド美術館で見逃したくない、教科書に載ってる有名作品の展示場所はここです!
スペイン

2016年の10月に就航したイベリア航空のおかげで、スペインのマドリッドには乗り換えなしで直行で行くことができるようになりました! これはスペイン好きの私には喜ばしいことです。今回はマドリッドを訪れた方は必ず行くであろう、世界の名画が集まるプラド美術館で見逃せない作品をご紹介します!

1時間で回れる見どころ満載ルートをご紹介!

prado museum
こちらがプラド美術館の地図。これは0階。いわゆる日本でいう1階にあたります。見どころはこの0階と1階に集中しています。
チケット売り場は一番左にありますね。ここでチケットを買ったらへロ二モスの扉(地図の真ん中より左)から入場しましょう。

注意事項

入場の際に簡単な手荷物のX線検査があり、リュックサックやA4版以上の大きなカバンは預けないといけないのでご注意ください。
内部の写真撮影は禁止です! 今回の絵の写真は私が売店で買った「プラド美術館」の本からのものです。
 
中に入ると広い空間になっていて、左奥にお手洗い、正面奥にはミュージアムショップ、カフェがあります。まずはエレベーターで1階に上りましょう。

prado museum 2
こちらは1階の地図。エレベーターで上がってくると10Bの部屋の隣りに出てきます。濃いえんじ色のお部屋がいわゆるスペイン絵画が展示してある場所です。
スペインに来てやはり見てほしいのはエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤのスペイン3大巨匠の作品! プラド美術館にはたくさんの作品が展示してあるので1日でも足りないくらい。でも観光で訪れた場合は1日も費やしていられない! そんなあなたに1時間で見られる見逃せない作品をご紹介していきましょう!

トレドで活躍したエル・グレコ

ギリシャのクレタ島で生まれたエル・グレコ。実はこれは「ギリシャ人」というあだ名で、本名は「ドメニコス・テロトコプーロス」。絶対に覚えられないですよね。だからあだ名がついたのですね。彼は晩年スペインの世界遺産の街でもあるトレドでたくさんの作品を残しました。
彼の作品は主に8B,9B,10Bのお部屋にあります。

プラド美術館
これは「ある騎士の肖像」。エル・グレコの作品の特徴はこの手。中指と薬指がくっついた奇妙なポーズですよね。

プラド美術館
そして、人体が引き伸ばされたような描き方。どれも8頭身以上ですね。そしてこの筋肉の描き方はあのミケランジェロの影響を受けているんだとか。さらに、暗い色彩の中にも鮮やかな青、赤をポイントで使います。これもエル・グレコの作品の特徴です!
この作品は「キリスト復活」。彼の作品は宗教画がほとんどです。

「画家の中の画家」スペイン黄金期の画家 ベラスケス

エル・グレコの作品を見たら12番の部屋に向かいましょう。ここは楕円形の大きなお部屋で17世紀のスペイン画家、ベラスケスの作品があります。
プラド美術館
こちらが有名な「ラス・メニーナス」(女官たち)。このひとつの作品だけで1時間は語れると言われるほど様々な見方があります。
真ん中のマルガリータ王女は単体で描かれることもあります。あのピカソもこれを真似て作品を残しています。
マルガリータ王女の奥に鏡があり、その中に映っているのはベラスケスが仕えていたフェリペ4世とそのお妃の肖像画。つまり、この作品をみている私たちがいる場所にこの国王夫妻が立っているという位置関係になります。その国王夫妻を描いているベラスケス本人は、一番左に絵筆を持ってこちらを見ています。国王夫妻のデッサンをしているお部屋でマルガリータ王女とその女官たちが戯れている……そんな空間を描いているんですね。同じ時間と空間を共有しているかのような絵です!

18世紀の宮廷画家 ゴヤ

続いては32番のお部屋へ。ここには18世紀にカルロス4世の宮廷画家として活躍したゴヤの作品があります。
プラド美術館
こちらは「カルロス4世の家族」。
この作品も様々な人間ドラマがあり、その物語を知るとなお一層面白さを感じることのできる、ゴヤの有名な作品です。カルロス4世は国王なのになぜか右端で、代わりに真中に堂々と描かれているのはお妃のマリア・ルイサ。これでふたりの力関係が分かりますね! そしてこのふたりの間に描かれているかわいらしい男の子はなんとこのマリア・ルイサの愛人の子供だとか! カルロス4世はよっぽどのお人よしですね。お妃の顔を見ても恐妻家というのがよく分かります。
ゴヤは「見たままに描く」ということをモットーにしていて、いくら国王夫妻といえども美男、美女には描かなかったとか。
そのゴヤ自身ももちろんこの絵の中にいます。そうです! 左奥の上。少し暗い中にこちらを見ている人がいますね。

プラド美術館
続いて36番のお部屋へ。こちらには有名な「着衣のマハ」「裸婦のマハ」の2点があります。マハとはスペイン語で美女のことを言います。18世紀当時、裸婦を描くことは禁止されていたのですが、お金持ちや、権力のある人は裸婦の作品を隠し持っていたとか。実際にこの裸婦の作品を持っていたのは先ほどのマリア・ルイサの愛人でもあったゴドイという人だそうです。
この作品よく見ると顔だけあとで付け加えたような不自然さがありますね。首がないからかな……。

プラド美術館
階段を降りて、0階の65番のお部屋に行きましょう。
ここにはゴヤの「マドリッド 1808年5月3日」という作品があります。フランスの侵攻に対抗したマドリッド市民が銃殺されるシーンが描かれています。
時間に余裕があれば67番のお部屋を覗いてみてください。ここにはゴヤの晩年の作品があります。晩年は耳が聞こえなくなり情緒不安定になったということもあり狂気に満ちた暗く、気持ち悪い作品になっています。同じ画家とは思えないほどでこの部屋は「黒い部屋」と呼ばれています。同じ画家の作風の違いを感じるにはぜひこの部屋に立ち寄ってみてください。
 
このまま順路に沿って行くと最初の入り口の空間に出てきます。最後にミュージアムショップに立ち寄ったりして約1時間くらいになります。この他にもイタリアやフランドル絵画も充実しているので、カフェで休憩を取りながらじっくり1日美術館で過ごすのもいいですね!

el museo Prado プラド美術館
プラド美術館のHPはこちら
Paseo del Prado, s/n, 28014 Madrid, スペイン

この記事を書いた人

小春日和

小春日和旅行コンシェルジュ 現役添乗員

これまで約200回、50か国以上を旅してきた大の旅好き。社会人になってからスペイン語も習得し、スペインはもちろん、イタリア、ポルトガル、フランス、イタリア、中南米が特に詳しいです。 東京と京都に拠点をおき、国内も時間のある時は車でドライブ。常に何か面白いものはないかとアンテナをはっています!かわいらしい小物やお菓子が大好きです。

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