マニュアルのオープンカーで紅葉の日光いろは坂に行くと、坂道発進と寒さでやられる
日本

秋が深まるにつれて紅葉前線も南下してきますが、今回は紅葉が見頃の日光いろは坂をご紹介します。秋の気配を満喫すべく先日愛車で走ってきました。

日光いろは坂とはどんな道か?


日光いろは坂は日光市馬返と中禅寺湖畔を結ぶカーブの多い坂道で、下り専用の第一いろは坂と登り専用の第二いろは坂に分けられています。

この2つの坂に存在するカーブの数を合計すると「いろは」と同じ48ある事からいろは坂と呼ばれているのですが、坂の合計がちょうど48になるように工事をしたようです。

一方通行の道路であるためUターンができず、また途中に抜け道がないので一旦渋滞にはまると大変なことになります。(特に上りの第二いろは坂)

栃木県を代表する紅葉の名所であるため秋になると大変に混雑し、特に週末には通過するのに4~5時間かかることもあるそうです。

紅葉が見頃の日光いろは坂をオープンカーで満喫計画

ところで「デートで彼氏に乗ってきてほしくない車」というアンケートをすれば、軽自動車や痛車と並んで必ずベスト5に入ってくるのがオープンカーです。

実は私が普段乗っている車もオープンカーである6速MTのマツダ・ロードスターなのですが、決して無駄にカッコつけようとしている訳ではありません。

「MT車・走りが楽しめる・安い」という私の車選びの3条件を満たすものがもはやロードスターしかないのです。カッコつけることが目的ではないため、車に乗る場合の99%以上屋根は閉めています。

ところでオープンカーの真価が最も発揮できるのは実は秋から冬であることを皆様ご存知でしょうか。この時期は最大の敵である日焼けの心配がなく、走行中は窓さえ閉めていれば強力なエアコンにより車内はポカポカしているのです。

屋根が開いているため顔のあたりに冷気が当たることはありますが、胸から下は温かくちょうど露天風呂に入っているような感覚になります。

ウェザーニュースによるといよいよ日光いろは坂も紅葉が見頃になったようで、せっかくですからオープンカーで走って秋の気配を満喫してみたいと思いました。

いくら渋滞の名所といっても平日の夕方ならたいしたことは無いでしょう。終盤に926mの明智第二トンネルがありますが、途中の明知平駐車場で屋根を出せばいいのです。

出だしは快調そのもの

首都高大橋ジャンクションを起点とした渋滞に悩まされたものの、どうにか昼過ぎに日光へ到着し、輪王寺、東照宮、二荒山神社のお参りを済ませて駐車場に戻ったのが午後3時半でした。

スマホで道路情報を確認しましたが、中禅寺湖方面に特に渋滞の様子はないことから、愛車の屋根を格納していざいろは坂へ向かいます。

この時刻で日光山中は早くも暗くなりかけていましたが、山の上の方はまだまだ明るいようです。

いろは坂の入り口までやってきました。「一方通行」の標識がある左が第二いろは坂の入り口であり、「車両進入禁止」の標識がある右が第一いろは坂の出口です。

予想通り渋滞はなく、右に左にと立て続けに現れるカーブを小気味よく抜けていくことが出来ました。道路状況に応じて最適のギアを選択し、次々と現れるカーブをスムーズに抜けていくことこそがMT車に乗る醍醐味ですが、嫌でも目に入ってくる雄大な光景と共に運転の楽しさを満喫することが出来ました。

流れがスムーズだったことでここまで紅葉の写真は全く撮れませんでしたが、ちょうどいいタイミングで黒髪平の駐車場が出現したので、一旦ここで車を停めることにします。



紅葉は運転しながらでも十分楽しめるほどきれいでしたが、車を停めてじっくり見るとそれはそれは見事な眺めでした。この先の明智平ではどうなっているか楽しみです。

途中で雲行きが怪しくなってきた

黒髪平からの景色を楽しんだ後、車に戻って再スタートしたのですが、しばらくして様子が変わってきました。

景色を楽しんでいる間に先に行っていたはずのはとバスが止まっており、とうとう渋滞が始まったようです。

この時点ではまだまだ「渋滞で車が止まれば写真も撮れる」くらいの感覚でした。
運転中は基本的に脇見ができないので、少しぐらい渋滞した方がじっくり景色を眺めることができるのですが、ただ1点だけ困ったことがあります。

AT限定免許が当たり前の現在では一度もMT車に乗ったことがないという方も多いようですが、そういう方はMT車の坂道発進の大変さや、かつて全ての教習生を悩ませたエンスト(エンジンストールの略。エンジンストップではない)を理解できないかもしれません。

MT車は停止中はクラッチを切っているため、エンジンとタイヤはつながっていません。そのため前進するためにはブレーキを緩めてアクセルを踏み、それと同時にクラッチをつながなければなりませんが、上り坂の途中では右足をブレーキからアクセルに移動させる間に重力で車が後退します。

その際に左右の足の力加減を間違うとエンストが発生しやすく、それを防ぐためにサイドブレーキ発進といった方法をとったりします。坂道発進自体は大したことでもないのですが、いろは坂のような道で渋滞するとこの操作を無限に繰り返さなければならず、なかなか大変なことなのです。

渋滞の中でオープンカー特有の問題が表面化

進むスピードがだんだんと遅くなっていくにつれて、さらに困った問題が現実味を帯びてきました。

寒い時期のオープンカーは基本的に快適なのですが、いくつか致命的な弱点があります。排気ガスを直接浴びることになるので長いトンネルはNGですし、渋滞で止まってしまうと車内に冷気が流れ込んできます。

日中は汗ばむほどの気温でしたが、日が沈むにつれて並の寒さ対策では凌げないくらい山の気温が下がってきました。さらにこの先には明智第二トンネルがあり、こんな道路状況下で屋根を開いたままトンネルに入ったら排気ガスでえらいことになります。

明知平が近づいたので右側に車線変更したのですが、ここで完全に止まりました。明智平の駐車場は完全に満車のようで、明るいうちに車を入れることはどうやら無理なようです。

ゆっくりと動く左車線に対し右車線はピクリとも動かないため、格納していた屋根を引き出して左車線に戻り、明智平から紅葉を眺めることは諦めました。

なんだかんだ言って面白かった。しかし……


正面に男体山を仰ぐ終点の二荒橋に到着した時、周囲は薄暗くなっていました。既に紅葉も十分に満喫していたことからそのまま交差点を右折し、第一いろは坂を通って山を下りて帰ることにします。こちらも混み合っていましたが、下りだったせいか途中で止まるという事はありませんでした。

最後になっていろいろありましたが、なんだかんだ言ってオープンカーでの挑戦は面白かったと思います。美しい景色の中を解放感抜群の車で、自分の技術の粋を尽くして運転する喜びは格別でした。

しかしどんな時間帯でも渋滞にはまることが分かった以上、この時期に自分の車で来ることはもうないと思います。来年は路線バスを利用して景色を眺めることに徹するつもりです。

いろは坂
栃木県日光市細尾町

まだまだMT車はやめられない

先日まで開催されていた東京モーターショーでは日産が自動運転に力を入れた展示をしていました。一旦自動のスイッチを入れればハンドルが格納されてシートがリクライニングになり、あとは全て車任せで縦列駐車までやってくれるというのですが、そんなドライブのどこが楽しいのだろうかと考えさせられました。

MT車は面倒ではありますが、自分で思い通りに動かす楽しさがあります。私はまだまだMT車に乗り続けたいと思います。

この記事を書いた人

鶴間正二郎

鶴間正二郎

徳島県出身。いまどきMT車にこだわる車好きだが、鉄道好きでもある。善光寺御開帳の際に御朱印の美しさにはまり、現在各地の寺社をせっせとまわっている。最近では厚木基地に離発着する飛行機の撮影に挑戦を始めた。

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