【劇場鑑賞券プレゼント】中東欧好きが語りたい、映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』の魅力とその舞台
チェコ

こんにちは、ライターの新田です。今回は2017年12月2日封切りの映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』をご紹介します。

この映画、ドキドキハラハラの展開もさることながら、チェコ・プラハの意外な一面も見られる映画です。それでは映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』を少しユニークな視点から見ていきましょう。

そもそも、プラハとモーツァルトの関わりは?


© TRIO IN PRAGUE 2016

「モーツァルト」といえば、言わずと知れた18世紀にヨーロッパで大活躍した大作曲家。しかし「モーツァルトとプラハ」と聞いてもピンと来ない方が多いでしょう。きっと、オーストリアのウィーンやザルツブルクのほうが馴染みがあるかもしれませんね。

ウィーンにある国民劇場

しかし、プラハもモーツァルトにとっては重要な都市でした。映画のメインテーマにもなっているモーツァルトの代表作、オペラ『ドン・ジョヴァン二』はプラハで初演されたのです。

しかも、初演の指揮者はモーツァルト自身! 当然のことながら大盛況だったらしいです。『ドン・ジョヴァンニ』が初演されたのは1787年10月29日のこと。今年は初演230年の記念年にあたります。

ウィーンにある旧王宮

ところで、なぜ『ドン・ジョヴァンニ』の初演はウィーンではなくプラハだったのでしょうか。これには、前作のオペラ『フィガロの結婚』が関係しています。

1786年、『フィガロの結婚』はウィーンで封切りされ、大人気でした。ところが、『フィガロの結婚』は貴族を揶揄したので、ウィーンの貴族が大激怒! 結局『フィガロの結婚』はウィーンでは上演禁止になりました。

一方、プラハでは大絶賛! 当時、プラハはウィーンを首都とするハプスブルク帝国の統治下にあったので、その影響もあったとされています。

そこで、プラハはモーツァルトを招待したのです。このような背景を知っていると、より映画を楽しむことができるのではないでしょうか。

映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』を少しだけ紹介


© TRIO IN PRAGUE 2016

さて、映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』を少しだけ紹介しましょう。ストーリーはオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の裏話をフィクションとして描いています。

『フィガロの結婚』を上演するために、準備をするモーツァルト。ところが『フィガロの結婚』のケルビーノ役のオペラ歌手が降板してしまいます。

そこで代役に大抜擢されたのが、若きオペラ歌手、スザンナ・ルプタック。モーツァルトはスザンナに一目惚れ! モーツァルトは妻子がいるにも関わらず、スザンナに好意を持ちます。

© TRIO IN PRAGUE 2016

ところが、ここで2人の恋に立ちはだかったのが劇場のパトロンであったサロカ男爵です。サロカ男爵はいろいろなスキャンダルの噂がある悪役。そして、スザンナを自分のものにしようとします。

モーツァルト、スザンナ、サロカ男爵、この3人の関係はどうのように展開されるのでしょうか。そして、この三角関係がオペラ『ドン・ジョヴァンニ』にどのように反映されるのでしょうか。ストーリーとしては、この2点に注目するといいでしょう。

© TRIO IN PRAGUE 2016

この映画のもうひとつの特徴がイギリスを代表する俳優、スタッフが集結していること。モーツァルト役は新進気鋭の俳優、アナイリン・バーナード。スザンナ役は映画『高慢と偏見とゾンビ』で有名になったモーフィッド・クラークが演じます。

一方、イギリスを代表する名優、ジェームズ・ピュアフォイが渋くサロカ男爵を好演します。また、美術にも注目したいところ。美術担当には『ハワーズ・エンド』でアカデミー賞を受賞したデザイナー、ルチャーナ・アリギが担当します。

日本人にとってはあまり馴染みのないイギリスメインの映画。アメリカ映画とは全く雰囲気が異なるイギリスの俳優が持つ魅力に触れてみましょう。

映画の舞台、プラハはどのような街?


ここで映画のもうひとつの主役、プラハを紹介しましょう。プラハは中央ヨーロッパの大都市、ウィーンやブダペストと比べると本当に垢抜けた街! 華やかさと軽やかさがミックスされた、独特の雰囲気を持ちます。

そして、プラハのもうひとつの特徴が入り組んだ通りが多いこと。プラハはウィーンのように大規模な都市改造を受けていないので、昔からの区分がそのまま残っています。

プラハのメッカといえばカレル橋からのプラハ城! あまりに美しい風景にうっとりするのは私だけでしょうか。プラハ城は9世紀に建てられ、14世紀のカレル4世の治世下で現在の姿になりました。

ところで、2つの高い塔はプラハ城にある聖ヴィート大聖堂です。今日のような姿になったのは19世紀のこと。ヨゼフ・モッカーがゴシック式に聖ヴィート大聖堂を修復しました。

ところが、当時の人々は修復の出来栄えに首を傾げたとか。当時の人々と現在の我々とは価値観が異なっていることがわかります。

そして、プラハはいろいろな建築、装飾が見られる街でもあります。個人的に好きな建物はプラハ市公会堂(市民会館)です。この建物は紆余曲折を経て、20世紀前半に建てられました。

建物自体がとても優美、そして正面にはチェコを代表する芸術家、ムハが施した装飾があります。とても目立つ建物なので、お見逃しのないように。

もうひとつ紹介したいのがこちらの建物。思わず「あれっ」と首を傾げたくなるでしょう。この建物の名前はズバリ「ダンシングハウス」。

「男女がダンスしている」ことから命名されたようですが、私にはそのようには見えませんでした。1992年~1996年にかけて建てられ、現在は保険会社のオフィスとして使われています。

最後にプラハの治安情報をお伝えします。プラハは基本的に安全ですが、旧市街広場など観光客が密集しているスポットではスリにご注意ください。

私は実際に「スリ未遂事件」を目撃しました! チェコ人に言わせると犯人はチェコ人以外だとか。とにもかくにも、貴重品には十分にご注意を!

映画の詳細は公式HPからチェック!

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この記事を書いた人

新田浩之

新田浩之鉄道&中東欧旅行研究家

1987年生まれ。神戸市在住。専門は鉄道と中東欧です。国内では鉄道系イベントの取材、国外では中欧、東欧、ロシアの歴史スポットを訪ね歩いています。チェコアンバサダー2018

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