スペイン映画に「おっぱいとお月様」という映画があります。主人公の男の子に弟が生まれ、大好きなお母さんのおっぱいをしわくちゃな醜い弟に盗られてしまった。だったら、自分だけのおっぱいを探してやる。といったあらすじのファンタジーな映画です。(多分そんな話だったはず。生々しい下ネタもあったような……)
女性はお母さんになる可能性を持った性であり、女性もお母さんもシンボルといえば「おっぱい」だと思います。そのおっぱいを守る日本で唯一といわれる「おっぱい寺」、龍音寺(通称間々観音)に行ってきました。
おっぱいのお寺は珍しいのかも
間々観音。間々乳観音とも呼ばれるお寺は、全国的大変珍しいようです。全国にはおっぱいを祀った神社はいくつかあるようですが、お寺は珍しいそうで、調べてみると日本で唯一と言われているお寺が、今回訪れた間々観音です。
入ってすぐに、母乳が溢れ出るように水が出る手洗い場が目に入ります。これでわかるように、ここのお寺のご利益は母乳の出がよくなるというものです。その他にも安産や良縁といった女性に関係するご利益があると言われています。しかも、この手洗い場に近づくと、センサーが感知して水が出てくる仕掛けで、初めて行くと度肝を抜かれます。
おっぱいがいっぱい。いっぱい出たい人必見
お乳から水が出る授乳中の観音様の像。その他にもいたるところにおっぱいのオブジェがいっぱいありました。大きなお寺とはいいがたく、こじんまりとした居心地のよいお寺です。祈願含めて30分もあれば十分に見学できます。
ただ、創建由来の説明といった看板などがなく、ちょっとそれが味気ない感じがしました。正式名称は龍音寺といい、1492年に創建された浄土宗のお寺です。尾張三十三観音の一つでもあります。
おっぱい寺の由来を調べてみると、もともと近くの小牧山にありました。観音洞(かんのんぼら)という場所があり、そこが間々観音の創建地と言われています
昔々、乳の出ない妻を持つ猟師がいました。妻に食わせようと子供を連れた母鹿を撃ちました。その鹿は観音像になり、猟師は殺生を悔やみ、その地に観音像を祭ったのが始まりと言われています。
そのほかにも、夫に先立たれ、乳飲み子も抱えてしまったおっぱいが出なくなった女性がおり、間々観音に祈ったところたちまち乳が溢れだしたというお話もあります。
おっぱいを出すための参拝方法
本堂の撮影が禁止されており、写せませんでしたが、本堂の手前に石像でできた乳房のオブジェがあります。
それは豊かできれいな乳房の石像のまえに、一つのたわしがあります。そのたわしで右側の乳房を撫で、ご加護を受けたい体の箇所にたわしを当てます。お産が近い妊婦さんはおっぱいが出るように祈願にくるようです。
おっぱい限定のお願い事しか聞いてくれないのかしら? 頭とか無理?
私なら叶えるお願いを分別する
女性のシンボルであるおっぱいの形をした絵馬。
ここまでたくさんのおっぱいを見ると、男性は喜ぶどころか、目をそむけたくなるような居心地の悪さを感じるかもしれません。失礼ながら絵馬のお願い事を見てみると、「美乳・巨乳・せめてCカップに」というお願い事の隣に、「乳がんの平癒祈願」といった気が滅入る絵馬を見ると、前者のお願い事をないがしろにしたくなります。
でも、人はコンプレックスを受け入れることができる人間のほうが圧倒的に少なく、あわただしい生活の中で特に気に留めないのに、ふとしたことで気になるものです。ここの観音様はそのようなお願い事も聞いてくれるような心の大きな方だと思っています。
もちろん、おっぱいが出るようにとか、安産祈願などといった、ここのお寺に見合ったお願いごともあります。
おわりに
女性のシンボルであるおっぱい。男性が好きなものの代名詞としてされ、卑猥と言われることもあります。男性の気を引くアイテムだと勘違いしている男もいることも確かで、そのような浅はかな男たちはアンダーバストの存在も知らないような男たちなのでしょう。
しかし、この女性のシンボルは人を育むことができる器官でもあり、乳がんを発症すれば命に関わるため、切り離すこともあります。女性はおっぱいが膨らみ始めたころは戸惑い、膨らみ切ると大きさ形などに落胆し、母乳が出ることが起きれば、先の悩みはどこかに行ってしまう喜びを感じるものかもしれません。女性はおっぱいという女性のシンボルから、苛立ちや悲しみ、そして喜びといったこと感じながら生きていくのでしょう。
愛知県小牧市間々本町152