日本には古来より自然には神が宿るという「神道」の考え方があります。その「神道」を信仰する神社の境内に足を一歩ふみいれると不思議と心が洗われます。今回は、数多くある神社の中でも無駄な装飾がなくシンプルなのに厳かな雰囲気を醸し出す日本ならではの建築美を堪能できる吉備津神社をご紹介します!
あの桃太郎伝説のルーツとしても親しまれています
吉備津神社の御祭神である大吉備津彦大神はこの周辺で蛮行を繰り返していた一族を退治し平和と秩序をもたらしたという伝説があり、この神話がのちの「桃太郎」のルーツだといわれています。
これぞ建築美!国宝指定の本殿・拝殿へ
吉備中山の中腹に建てられている本殿・拝殿へは階段を上っていきます。春は桜が咲き誇り周辺の緑とともに自然の美しさを感じます。
(上記写真は、吉備津神社・北随神門)
御祭神の大吉備津彦大神は長寿を全うし亡くなられたということで現在も長寿の守り神として祀られています。また、蛮族を退治しこの地を開拓したということで産業の守り神でもあります。本殿の横に張り出すように拝殿が造られています。
本殿・拝殿は過去2回火災に遭いましたが、現在の姿は約600年前に再建されたものです。その建築様式は「比翼入母屋造」と呼ばれ、入母屋造の2棟を1棟に結合した様式は全国でもここだけなので「吉備津造」といわれています。出雲大社の約2倍もの大きさを誇る本殿・拝殿はまさに圧巻です。無駄な装飾がない造りに日本の建築美を感じます。
(上記写真は、吉備津神社・拝殿)
(上記写真は、吉備津神社・本殿)
本殿の奥には1579年の再建で、全長360mにおよぶ廻廊があります。自然の地形を活かした造りで一直線にのびる廻廊の美しさには感動します。季節の花や鳥のさえずりに耳を傾けながら歩けば、いつの間にか心が浄化された気分になります。
時間があればぜひ訪れていただきたいのが敷地内にある宇賀神社。吉備国最古の稲荷神を祀っています。春の時期は桜がきれいで手入れの行き届いた神池と庭園は絶好の散策場所となります。
いかがだったでしょうか?岡山市内から車で約30分の場所にあるので岡山観光の際にはぜひ訪れてみてください。祭事の時はかなりたくさんの参拝者が訪れる場所で、かなり大きな駐車場があります。おすすめは平日です!