「ジャックさんの楽しい日本語ツアー」が本当に楽しいのか、ジャックさんに会いに行ってきた
オーストラリア

ジャックさんの楽しい日本語ツアー

「ジャックさんの楽しい日本語ツアー」。もうツアー名がすんごくダイレクトに楽しそう! そして、コアラと並んで写るジャックさんの人の良さそうな笑顔!

オーストラリア・シドニーに行くことが決まってからというもの、せっかく行くのであれば滞在時間を目一杯使って楽しみたい!

そんな溢れる思いのままに計画を練っていたところ、それならばやっぱり現地のオプショナルツアーが広い大地を効率的に回るのに最適なのではないかという解を導き出したのが、だいたい出発の1週間ほど前。

そして目に飛び込んできたのが、笑顔のジャックさんだったわけです。ジャックさんはいったい何者なのか。楽しい日本語ツアーは本当に楽しいのか。

そんな期待と不安を交錯させつつ、行ってみたかったブルーマウンテンズ&スリー・シスターズ、そして野生カンガルー探検までできるという胸躍るホットワードにハートを撃ち抜かれてしまいまして、ものすごい勢いで予約を完了させてしまいました。

なお、今回の旅路では、モバイルWi-Fiはjetfi(ジェットファイ)を利用させていただきました。
jetfi
台湾で飛行機を乗り継いでシドニーに向かったため、この1台で両国のWi-Fiをカバーしてくれるということで、かなり重宝しました!

世界約100ヶ国を1台で!
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さっそくジャックさん登場

こちら南半球、9月のシドニーは日本の春だっていうので、そうかと思ってまあまあ警戒心を怠らないくらいの服装を持って降り立ったわけですが、よくよく考えたら日本で言う3月の気候。

ちょうど桜が開花したと聞いて、ハズレの花見の日のことを思い起こしもう少し服装考えれば良かったと思うと同時に、シドニーにも桜咲くのかと驚いた、その日。

ついに私たちは待ち合わせのホテル前でジャックさん本人にお出迎えいただくという、待ちわびていたジャックさんとの初対面だったのですが……残念ながら写真がありません。

というのも、待ち合わせ場所を若干間違えてしまいジャックさんに捜索いただいたのち発見されるという、さっそく多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。本当に申し訳ございません。

そんな慌てっぷりで写真を撮る余裕はなかったのですが、それでもジャックさんは笑顔で出迎えてくださったので大変安心しました。

というわけで、ピックアップしていただいたバス車内から旅路スタート。

なんとジャックさん本人が運転しつつガイドしてくれるシステム。なんと本日は300km近く運転予定です。

ジャックさんの日本語ペラペラっぷりには脱帽するというか、ペラペラとか言うレベルではなくて、日本人同様に何の気兼ねもなしに会話できます。ジャックさん何者なんだという不思議高まる。

ジャックさんガイド、なかなか面白くってぜんぜん飽きません。
「今日はいいお天気だね~、ジャックさんのおかげじゃない?」ってジャックさんが言います。ジャックさんのおかげだと私も思います。

そしてこの春は、なんとオーストラリアでも花粉症の季節だそうで。
「あの木、赤い花咲いてるよね? あー咲き始めちゃったよ。今日暖かいからね。あれ全部抜けばいいよね」

……ジャックさん、花粉症なのね……。オーストラリア人も花粉症、というのがなんだか愛おしさもあります。

そしてしまいには、道路工事事情についてもガイドしてくれました。
「オーストラリアの道路工事、よく見てみてください。一番多いのは、おしゃべりしてる人。仕事仲間でおしゃべりは、仕事のうちだから。次に多いのは、物を運んでる人。とにかく物を運んでる」

……工事現場を車内から観察すると、確かに。オーストラリア、おおらかだ……。日本人が真面目だと言われる理由がなんだかちょっとわかった気がしました。

ブルーマウンテンズの絶景を独り占め「キングステーブルランド」

「日本人向けツアーでここに連れてくるのは、ジャックさんともう1社だけ。免税店に連れて行くようなツアー会社はここには絶対来ない」

えーなにそれすごい! そんな場所にまず最初に連れて行ってくれます。

そこで待っていたのは、焼け焦げたユーカリ!
ジャックさんとユーカリ
オーストラリアではしょっちゅう自然発火で山火事が発生するそうなのですが、そのたびにユーカリは種をこうやって残します。
ユーカリ
この黒焦げの種が、新しい芽を出すんだそう。ユーカリすごすぎ。

そしてお待たせしました。高所恐怖症の方はごめんなさいポイント、「キングステーブルランド」!
キングステーブルランド
こんなかんじで際っきわで写真を撮ってもらうと……
キングステーブルランド
こうなります。こちら、私たち取材班です。
キングステーブルランド
たしかに柵がないということもあり、大手の会社さんのツアーだと連れてきて貰いにくいというのも納得。

でもジャックさんは、どこが危険でこれ以上進むと危ない、というのも熟知して、かれこれ15年ほど無事故でツアーをしているとのこと。それなら安心して足を投げ出せる、というわけです!

なお、際っきわが恐いという方は……
キングステーブルランド
これなら安心して記念撮影できると思います。同行の参加者さんをパチリ。素敵!

そうそう、ブルーマウンテンズなのにブルーなマウンテンの絶景を観察しないなんて勿体ない。
ブルーマウンテンズ
ここに生えてるのはほぼユーカリだそうです。山火事でも生きられるならそれは確かに一大勢力になってしかるべきです。

そしてそのユーカリの葉の成分が揮発して、ブルーに見えることから、ブルーマウンテンズと呼ぶのだそう。写真だといわゆる”シアンかぶり”した悪い写真みたいですが……肉眼で見てもシアンかぶりしてるという、不思議な場所です。たしかに青いんだもの。

キングステーブルランド

ブルーマウンテンズといえば、スリー・シスターズ

お次は、ブルーマウンテンズの代表としてどこのガイドブックにも載ってる「スリー・シスターズ」がよく見えるポイントへ車移動。
スリー・シスターズ
安全な展望台になってます。
スリー・シスターズ
さっきの場所が刺激的すぎて、安全がもどかしささえありますが、かなり良く見えます、スリー・シスターズ。
スリー・シスターズ
「スリー・シスターズ」というのは、この3つの岩。かなり特徴的ですよね。
スリー・シスターズ
よーく目を凝らすと、スリー・シスターズの麓に人の姿が! え! あそこ行けるのジャックさん! なんで私たちあそこに連れて行ってくれないの?

ジャックさんいわく「行ってもいいけど、近づいたらせっかくのスリー・シスターズが見えないから」。

あー、あれですね、東京スカイツリーとかもそうですよね、せっかくだから展望台に登るんだけど、スカイツリー自身は見られないという罠だ。

さすがジャックさん、ツアーの中身もよく洗練されているというのが端々から伝わってきます。

エコーポイント(スリー・シスターズ)

手付かずの鍾乳洞が一面に広がる「オリエント洞窟」

ここまででもかなりお腹いっぱい、オーストラリアの絶景を大満喫しているわけですが、これがまたすごいんです。「オリエント洞窟」。

この洞窟、定員が定められていて入れ替え制での入場しかできず、現地ガイド同行が必要という、まさにガイド付きツアーでしか出会えない絶景となっています。

ジャックさんは予めこの先1年分ほどの予約を押さえているとのことで、ジャックさんツアーならではのレアスポットであること、間違いありません。
オリエントケーブ
この地域には全部で10ほどの見学できる鍾乳洞があるとのことですが、その中で最も原初の姿を留めていて、最も美しいとされているのがこのオリエント洞窟。このいくつも続く重たい扉は、そうした自然を守る配慮です。

そうして、ようやく鍾乳洞内部へ。
オリエントケーブ
人がひとりやっと通れる通路を進むと……圧倒的なスケールの空間が広がっていました。
オリエントケーブ
オリエントケーブ
オリエントケーブ
この絶景たちの見せ方も、ドキッとさせられます。
オリエントケーブ
まず、真っ暗の洞窟を進んで、その暗闇と静けさと自然ありのままの姿を感じ……そしてそのうち、ライトがひとつひとつ点灯し、その鍾乳洞ひとつひとつがどのように成り立ってきたのかを説明してくれます。
オリエントケーブ
そして全てのライトがついたとき……素直に地球すごい、って思いました。すごい。ほんとすごい。

野生のカンガルーを探す!

地球に圧倒されたのもつかの間、次は野生のカンガルー探し!
なにこのツアー、てんこ盛りすぎ!

ジャックさんが、車内から探せっていうんですが、そんな北海道のエゾシカとかキタキツネみたいに道端からこんにちはーなんてするわけない……と思ってたら。
野生のカンガルー
いた。
えー。普通にいる。
野生のカンガルーの子ども
しかも赤ちゃん入ってるんですけど!!
えー! かわいい! かわいすぎる! ぎゃーすごいハッピー。

……とか思ってたら。ジャックさん、バスを発進させ道を急ぎます。せっかく見つけたのに!

でもその理由、すぐにわかりました。ジャックさんが確保しているという秘密の野生カンガルースポットに到着すると……
カンガルースポット
ん? もしや。
カンガルー
めっちゃいる。めっちゃいっぱいいる。
カンガルー
めっちゃ近い。
カンガルー
めっちゃ飛んでる。
カンガルー
こんな写真、すぐ撮れちゃう。
カンガルー
なんなら記念撮影もできちゃう。

そんなことってあるんだ……って衝撃さえ受けました。ちなみにジャックさんは、マイ野生カンガルースポットを何箇所か持っているらしく、季節と天気でアタリを付けて向かうんだそうです。

なので、ほぼほぼ見られるとのこと。本当に野生なのか疑うレベル……ですが、柵も何もなかったので、たぶん野生。すごいよジャックさん。

極めつけはブルーマウンテンズをライドで楽しむ!?

ダメ押しのもう一声。ブルーマウンテンズにアトラクションっぽい乗り物があるという「シーニック・ワールド」へ。

どんな乗り物に乗れるかというと……
シーニック・スカイウェイ
シーニック・スカイウェイ。オーストラリア最高度のケーブルカーだそうです。いや……かなり高いんですが!
シーニック・スカイウェイ
中はこんなかんじで、窓ガラスのない部分もありますので絶景撮り放題!
シーニック・ケーブルウェイ
こちらはシーニック・ケーブルウェイ。オーストラリア最大規模のケーブルカーだそうです。
シーニック・ケーブルウェイ
中はこんなかんじ。今回乗ったライドの中で一番安全感ある乗り物です。

で、絶対乗ってほしいライドが、こちら。
シーニック・レイルウェイ
シーニック・レイルウェイ。世界最急勾配・52度のトロッコ。ほんと、乗ったらびっくりします、その角度。
シーニック・レイルウェイ
まずしがみつかないと本気でお尻が重力で持っていかれます。
シーニック・レイルウェイ
そしてわりと早い! 必死に手すりを握り足を踏ん張らないと振り落とされるんじゃないかと思って、もう笑うしかないやつです。
シーニック・レイルウェイ
乗る前にジャックさんに教えてもらったけど、このボタン押したらさらに座席に勾配をつけることができるって! 怖くて押せない!

シーニック・ワールド

で……ジャックさん、何者?

もう大満足すぎて、すっかりジャックさんを崇めるようになってしまった私たちですが、ついに聞いてみました。

ジャックさん、何者なんですか?
ジャックさん
すごくハンバーガーが似合うジャックさん、生来のガイド感溢れるお方に見えますが、なんともともとエンジニアをやっていたそうです。

たまたまお手伝いでガイドをやってみたのが、最初。そのうち、動き回るほうが性に合うとわかり、ガイドに専念されるようになった、とのこと。

それではどうしてそんなに日本語がペラペラなの?という理由は、明快。奥さまが日本人なんだそうで、ジャックさん自身も日本在住経験有りで、仕事もされていたとのこと。なるほどそれならペラペラなわけです。

また「ジャックさんの楽しい日本語ツアー」のガイドは全員、ジャックさん同様に奥さまが日本人だったり、在住経験があったりするのだそうです。

ツアー内容にももちろんこだわっていて、フレンドリーなガイドをジャックさんをはじめ全員徹底していることのほかに、滞在時間をより多くとれるようなスケジューリングも熟慮されているとのこと。

そしてジャックさん、本当はもっと連れていきたいスポット、いっぱいあるんだそうです……! 私、行きたい! ツアー化してくれないかなあ。

ジャックさんの楽しい日本語ツアー
今回紹介させていただいたツアーの詳細はこちらをご確認ください。

確かに、楽しい日本語ツアーでした!

「ジャックさんの楽しい日本語ツアー」、結果として、楽しいしジャックさん素敵だし、大大大満足でした。

私のガイド付きツアーに対する見方がかなり変わった1日です。ガイド付きツアー、なんだかちょっと面倒かな?と思っていたのですが、こんなに気さくでユーモア溢れるガイドさんで、そしてガイド付きでなくてはここまでは楽しめない凝縮された1日を過ごすことができて、本当にツアー参加して良かったです!

「今日誰もジャックさんの日本語褒めないからみんな自力で帰ってねー」と言いつつ、ジャックさんは復路も安全運転で送り届けてくださいました。また会いたい!

この記事を書いた人

春菜 由香(コロポン)

春菜 由香(コロポン)TRIP'S編集長

87年北海道名寄市生まれ、旭川市育ち。名古屋大学文学部を卒業後、しばらくゲームを作ってました。Webメディアを作る上でも、とにかく面白いと心から思えるコンテンツだけを出していきたいです。ひがし北海道マニア(自称)、旅ラン専門家(フルマラソン経験あり)、写真家(名乗れるようになりたい)

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