言わずと知れた日本の古都・京都。無数の神社仏閣を擁し、歴史と信仰心が根付いた場所です。筆者もこれまで京都については複数のパワースポットをご紹介してきましたが、今回は京都通好みのパワースポットがあると聞きつけて、観光客の姿もまばらなある場所へ足を運んできました。
京都駅と紅葉の名所で有名な東福寺の間。東大路通沿いのバス停から見える、大きな樟が印象的な「新熊野(いまくまの)神社」です。熊野神社といえば、和歌山県南部が本場ですが、そこまで行かずとも、京都の町中で熊野の神様のご利益をいただけるという!
京都の有名どころには飽きてしまった。アクセスしやすい穴場系パワースポットを求めるあなたに、京都でできる熊野参りをオススメしたいと思います。
「新熊野」と書いて「いまくまの」と読む、その理由は?

「新熊野」と書いて「いまくまの」と読みます。熊野神社といえば、和歌山県南部の山間の熊野三山が本場です。熊野信仰の信仰は全国各地に広がっており、あなたが住むエリアにも大なり小なり熊野神社があるのでは。
そんな熊野信仰ですが、平安時代末期に盛んになり、特に後白河法皇は生涯に30回以上も熊野参りをしたとか。当時は京都から熊野までの道のりは遠く決して楽なお参り旅行ではなかったはずなのに・・・信仰心の篤さが垣間見られますね。

そんな経緯から、京都でも熊野参りができるように、熊野神社の新宮・別宮として創建されたというわけ。本家の熊野三社に対して、当時の京の人にとって「京都の今の熊野」ということから「新熊野」=「いまくまの」と読ませるようになったそうです。
新熊野神社のパワースポットその1「椥の木のご利益で良縁祈願」

大通り沿いとは思えないほど、新熊野神社の境内は自然豊かで、神秘的な静けさに包まれています。鳥居をくぐり、手水舎で清めてから本殿へ向かう途中に、一つ目のパワースポットがあります。ご神木の椥(なぎ)の木です。
椥の木は古くから災いを退け、平和を招くと言われています。さらに葉や実の特徴から、縁結びと夫婦円満のご利益があることでも知られています。良縁を求める方は、ぜひこの椥の木にも願掛けをお忘れなく。
新熊野神社のパワースポットその2「最短5分で熊野参り」

紀州の山中に位置し大自然のエネルギーにあふれたパワースポットでもある、熊野三山の縮小バージョン。それが新熊野神社の一番わかりやすい説明でしょうか。

新熊野神社では本殿裏手に「京の熊野古道」が再現されています。

歩いて回っても5~10分もかからない小規模な造りですが、画像の通り野趣溢れるプチ熊野気分が味わえます。所々に手作り感ある。カラフルな仏像も印象的でした。

すぐそこには大型車も走る道路があるのに、この小さな熊野古道は精霊が棲んでいそうな雰囲気を醸し出しています。ほんのひとときではありますが、異世界を巡礼できた心地になりました。

熊野信仰は神仏習合を特徴としているため、神道の神様のみならず仏様のお姿も見られます。しっかり手を合わせて両方の神様からご加護をいただきましょう!
お腹が弱い人は参拝必須! 「大樟さん」

新熊野神社の中でひときわ目を引くのが、大きくそびえ立つ樟です。創建時に熊野の地から取り寄せられてから、後白河法皇自らお手植えのご神木で「樟大権現」と呼ばれています。
樹齢900年でありながらも、決して衰えることなく現在も成長を続けていることから、「健康長寿・病魔退散」のご利益を授かれるそうです。

特筆すべきは、お腹の神様でもあるということ。後白河法皇のお腹の病を治す霊験があったと言い伝えが残っています。それ以来樟や近くにある分身の「さすり木」をさすると、お腹の調子が良くなるのだとか。

さらに樟の伸びた枝が龍が飛ぶ姿に似ていることから、龍神に乗った弁財天「樟龍弁財天」
も祀られており、金運アップスポットにもなっています。これは見逃せませんね!
新熊野神社へのアクセス方法

画像からもわかるように、鬱蒼とした鎮守の杜のような新熊野神社ですが、場所はあくまで京都の街中。三十三間堂または、JR奈良線・京阪本線東福寺駅から徒歩約10分。京都駅からなら市バス208系統で同じく10分ほどです。京都駅から歩いても30分かからない程度ですので、周辺のお寺巡りのお散歩ツアーも楽しめますね。

京都ならではの歴史探訪と、スピリチュアルなパワースポット詣。どちらも叶うのが、この新熊野神社。京都通の間では知る人ぞ知る、素敵なパワースポットです。
京都市東山区今熊野椥ノ森町42