春になると気になってくるのが、花粉症ですね。スギが猛威を振るったあとはヒノキ花粉などが入れ替わるように飛び始め、どちらにも敏感な方は大変な思いをしているところかと思います。
ところで、南半球の国、ニュージーランドには花粉症ってあるんでしょうか?
実はあるデータによると、ニュージーランドでは5人に1人が花粉症にかかっている、と言われています。でも、この国では羊や牛の牧草地ばかりで、スギやヒノキの植林地ってほとんど見かけません。スギがないのにどうして花粉症になるんでしょう? そして、日本人旅行者が気を付けたほうがよいことは?
今日はNZ旅行を計画する際に役立つ、日本とNZの花粉症の違いを書いてみましょう。
ニュージーランドの花粉症は何が違う?
ニュージーランドに旅行に行ってみたいと思っている方の中には、
「NZでは花粉症対策っているのかな?」
と思っている方もいるかもしれませんね。
でも、ひとまずはご安心ください。先ほども書いたとおり、日本で花粉を飛ばすスギやヒノキはほとんどないので、基本的には旅行中に花粉症に見舞われる心配はほとんどないと思います。
しかし、不思議なことにオークランドに住んでいると、花粉症にかかったNZ人や在住の日本人を結構よく見かけます。これってどうしてなんでしょう? つまり、スギやヒノキではない、原因が別にあるということですよね。
ここでちょっと考えて見ましょう、
NZの花粉症の原因はなんだと思いますか?
ヒントは、日本ではスギが植林されているような場所にたくさん植えられている、ある植物です。
もっと言ってしまうと、NZの人口よりも多いヒツジや牛たちが食べる、あれです。
そう、もうお分かりですね、ニュージーランドの花粉症の原因は、「牧草」なんです!
最大都市オークランドでさえ、車で30分も走れば広々とした牧草地帯が広がっているニュージーランド。牧草が風になびく光景はなんともキレイなものですが、その実何億もの花粉を飛ばしているんですね……。特に春~夏がよく飛んでいるそうです。そういえば英語で花粉症は「hay fever」。Hayって干し草のことですね。
花粉症は「アレルギーバケツ理論」(体の中の花粉のバケツがあふれると突然アレルギーを発症するという考え方)が知られていますが、それを踏まえると、日本とNZでは花粉症の元となる植物が違うために、短期旅行でNZに訪れた日本人は花粉症は発症せず、現地に住む人々だけが花粉症にかかっている、ということなんでしょう。
まだまだあるぞ、NZの花粉症の原因となる草木
でも、旅行で行くとしても、まったく安心というわけでもありません。
『アレルギー・ニュージーランド』(英文)というHPによれば、ニュージーランドには牧草だけでなく、花粉症のもとになる草木がたくさんあるんです。
たとえば、白樺、末、アカシアといった木々から、オオバコ、ヒユ、タデなど日本でおなじみの草花も、NZの花粉症のもととされています。
もし、ご自身の花粉症の原因が分かっている人は、リンク先の植物一覧(英語ですが)でアレルギーになる草木があるか確認をして、薬やマスクなどを持参するかどうか決めておくとよいでしょう。
ニュージーランドでマスクをすると……
今「マスク」と書いて思い出したのですが、ニュージーランドでは(というか、おそらく多くの国では)マスクをしません。
もしも日本で売ってるような顔半分を覆うマスクをつけて街中を歩けば、かなり注目されること間違いなしです。場合によっては避けられたり、「おい、大丈夫か?」なんて声までかけられてしまうかも……!?
と言うのも、ニュージーランドでは風邪を引いてもほとんどマスクを着ける習慣がなく、
「マスク=重い病気」
というイメージがあるからなんです。
僕も以前こんなことがありました。
ホームステイをしているときに風邪をひいたことがあって、ホストマザーに、
「マスク貸してくれない?」と聞いたんです。
「マスク?あるわよ。」
とすぐ返事をくれて、これで人様に風邪をうつさずに済むぞとちょっと一安心……かと思いきや、手渡してくれたのは土木作業用のとんでもなくごついマスク……(もちろん、ホストマザーは大真面目ですよ)。風邪でもこうなんですから、花粉症くらいでは、マスクをつけるという発想自体がこの国ではなさそうですね。
ということで、ニュージーランド旅行を計画される際の花粉症対策としては、
「スギ&ヒノキの人は対策を取らなくても大丈夫」ですが、
「それ以外の草木にアレルギーがある人はアレルギー・ニュージーランドHP(英語サイト)で確認してから常備薬を持っていく」対策を取って行くようにしましょう!