絶景のぶどう棚、収穫したら罰金?灼熱のシルクロードの町・トルファンを歩いてみた
中国

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シルクロードといえば、「乾いた砂漠、緑のオアシス」をイメージされる方も多いのではないでしょうか? 今回は、そんなオアシスのイメージそのままの町「トルファン」を紹介します。

(記事の情報は2016年夏のものです)

トルファンまでの道のり

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トルファンへは、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチから車で3時間。

途中、延々と続く乾いた大地に、無数の風車が立ち並びます。目の前に広がる風車に突進するかのような異様な光景。風の道を通り抜けていくようです。

トルファンってどんなところ?

ようやくトルファンに到着。トルファンは漢字で「吐魯蕃」と書きます。

その特徴をひと言でいうと……暑い!! 「熱い」と書くほうが合っているほどです。夏はほとんど雨が降らず、最高気温はいつも40℃超え。新疆ウイグル自治区の中でもとくに暑い地域です。

というのも、トルファンは内陸であるうえに盆地で、郊外にある「アイディン湖」は海抜マイナス154メートルと、死海に次いで世界で2番目に低い場所だからです。
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そんなトルファンの歴史は古く、玄奘三蔵(三蔵法師)が天竺(現在のインド)に経典を求める旅の途中に通過しました。彼が説法をした「高昌故城」が遺跡として残っています。

(三蔵法師、この道を歩いたなんて暑かっただろうなぁ……)
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砂岩の浸食によって、炎が燃え盛るような溝が山肌に刻まれた「火焔山(かえんざん)」1つの山ではなく、山脈として連なっているのは圧巻です。
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『西遊記』で、孫悟空が火焔山の炎を芭蕉扇で消す場面がありますが、その舞台はまさに、このトルファン。当時は「火州」と呼ばれており、このような逸話が生まれたのも納得です。

実はぶどう天国!

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暑いといっても、悪いことばかりではありません。トルファンは暑い盆地気候を利用し、ぶどう栽培がたいへん盛んです。

特に緑色で細長いぶどう「馬奶子(マーナイズ)」が有名で、日本で売られているグリーンレーズンで「中国産」という表示を見たら、ほぼトルファン産だと思って間違いなし。

トルファンでは、ぶどうにちなんだ光景をあちこちで見ることができます。

ぶどう棚「青年路」

暑いけれど乾燥しているので木陰に入れば本当に涼しく爽やか。名産であるぶどうの蔓を天井に這わせた「ぶどう棚」が各所で見られます。
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こちらは市街の「青年路」という通り。通り丸ごとがぶどう棚になっているなんて、とってもロマンチック。

こちらのぶどうは鑑賞目的なので、ときどき「取ったら罰金200元(約3,300円)」という貼り紙があるのも中国らしいところ(笑)。

涼房

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ぶどう畑と同じぐらいたくさん見かけるのが、ぶどうを干すための小屋「涼房(リャンファン)」。この中にぶどうを吊り下げて、自然の風で乾燥させます。私が訪れたのは7月だったので中は空でしたが、秋ごろからぶどうを干すそうです。
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遺跡の後ろに見える、マンションのような四角い建物(?)が「涼房」。壁の穴から風が通り抜けるようで、暑いトルファンでは「目の涼」ともなっています。

電灯

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市街地の道路に吊るされている電灯も、なんとぶどうの形! かわいいですね。

観光ぶどう農家

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トルファンには、観光客の受け入れをしているぶどう農家がいくつもあります。

農家の中庭にあるぶどう棚の下で、ぶどうをはじめ、スイカやドライフルーツなど、果物やお茶でおもてなしをしてくれます。民族楽器の演奏や踊りを披露してくれることも。
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ほとんどの農家では直接、干しぶどうを購入することもできますよ。

ワイン工場

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ぶどう栽培が盛んということは、ワイン製造も行っています。ワインというとヨーロッパのイメージが先行しますが、中国のワイン生産量は、意外にも世界トップクラスなんです。
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トルファン郊外にある「駝鈴(トゥオリン)ワイン」では、工場見学・試飲を受け付けています。
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風で乾燥させ、甘みが凝縮したぶどうを使ったワイン「風干(フウガン)」を飲みましたが、甘みがあり上品なお味。一般的な「中国産」イメージを覆してくれます。
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1本280元(約5,000円)と上等でしたが、スーツケースに入れて頑張って持ち帰りました。

※観光ぶどう農家、ワイン工場は、いきなり行っても対応してもらえません。現地旅行社や、シルクロードを扱っている旅行社に手配してもらいましょう。

私が利用したのは、日本人スタッフがいる西安の旅行会社「西安中信国際旅行社」です。
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灼熱のトルファンですが、暑いからこそ人々が木陰でゆったり休んだり、天山山脈の雪解け水で子どもが水浴びをしたりする光景は、どこかホッとするものがあります。夜には屋台が軒を連ね、噴水に人がつどいます。

ぶどうのオアシス「トルファン」は、日本人の心に描かれるシルクロードに限りなく近い場所だったのです。

こんな辺境の地で「トットちゃん」発見!

トルファンにある大型書店「新華書店」で、黒柳徹子さんの名著『窓際のトットちゃん』を見つけました! しかも平置きにされ、いわさきちひろさんが描いた愛らしいトットちゃんがこちらに微笑んでいます。

中国語に翻訳されたものですが、「トットちゃん」は中国語にすると「小豆豆」になるんですね。トットちゃんが通った「トモエ学園」の自由な教育が、中国でも評価されていることに嬉しくなりました。帯を見ると、8年連続で何かに選ばれているとか、「日本有史以来」の名作だとか。

2017年には中国での発行部数が1,000万部を突破し、それを記念するイベント「人人都愛小豆豆(みんなに愛されるトットちゃん)」が北京で開かれたそうです。

いくらベストセラーとはいえ、中国のここまでの奥地で大量に売られているとは、黒柳さんもご存じないかもしれませんね。
こんな辺境の地で「トットちゃん」発見!

この記事を書いた人

合楽 仁美(らく)

合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

  • twitter:
神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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