台湾にあの「ウユニ塩湖」が?噂の台中高美湿地で真相を確かめてきた
台湾

蒼い空に白い雲、燦々と降り注ぐ太陽。そして、それら空模様を静かに映し出す、鏡のような水面……。

こんな光景を心に思い浮かべて、真っ先に思いつく地名といえばやはり、ボリビアの「ウユニ塩原」でしょうか? 天空の鏡とも謳われる巨大な水鏡の中で、天も地も忘れて佇んでみる。人生に一度はそんな経験をしてみたいものです。

でもちょっとボリビアは遠いぞ……と思ったあなた。実は台湾にも、そんな体験ができる場所があるんですよ、といったら、信じられますか?

この話を最初に聞いた時、実は私も半信半疑でした。私の大好きな台湾にあの絶景が存在するなんて、そんな都合のいい話があっていいものかと。今回、この都合のいい話の真偽を確認すべく、台湾のウユニ塩原「高美(ガオメイ)湿地」を訪ねてまいりました!!

1.高美湿地ってどうやって行くの?


高美湿地があるのは台湾の台中市、清水区というところです。大甲渓という川の河口付近にあたります。最もメジャーな行き方は、台中から台鐵(台灣鐵路)の清水駅まで行き、そこからバスやタクシーで移動するという方法。

でも台中から直に行く方法はないものか……と思って探してみたら、ありました、309号というバスが! 区間は「臺中火車站ー高美湿地」ですが、台中駅から一番近い「第一市場」というバス停から乗ることになります。うっかり別のバス停に行かないよう要注意。

ちなみに第一市場という名前のバス停は登りと下りと両方ありますが、バス停は2つとも道路の同じ側にあります。乗れるのは、309号バスのルートが描いてあるバス停の方です。

また、もう1つ注意しなければならないのが、運行時間です。第一市場駅を発車する一番早い309号バスは、10時16分。高美湿地から台中へ戻るバスの最終便は、4~9月は19時10分、10~3月は18時30分となります。

どうしてこの時間が重要なのかというと、それは「高美湿地」の見方に関わってくるからなんです……。

2.高美湿地ってどうやって見るの?


どうやって見るのも何も、高美湿地に行けば済むことじゃないか……と思っているあなた、それは大きな間違いです。どうしてかって?

この高美湿地があるのは大甲渓の河口、つまり海に面しています。ということは、潮の干満があるということ。潮が満ちている時間帯に行くとただの海です(風力発電の風車があって、それはそれで迫力はありますが)。

つまり、高美湿地に足を踏み入れたいなら、潮が引いている時間を狙って訪れる必要があるのです。干潮と満潮の時間は毎日異なり、1日大体2回程度干潮の時間があります。高美湿地のHPに潮の干満の表がありますので、参照すると良いでしょう。

それを見ていただいてもわかるかと思いますが、この干潮が必ずしもバスのある時間内にあるというわけではありません。また、潮が満ちている時間帯は高美湿地に降りるための木道自体が海の中に沈んでおり、木道の入り口も封鎖されてしまいます。

行きも帰りも台中から直通のバスを利用し、高美湿地の美しい風景も見るためには、潮の干満とバスの時間のかね合わせも必要になってくるというわけなんです。

3.というわけで行ってみた

実は私は干満の時間など全く留意せずに高美湿地を訪れたのですが、ギリギリ高美湿地に足を踏み入れるができました。ほんとラッキーでした……。

私が訪れた日の干潮は、朝の10時頃と夜の8時頃。ただし日没が夕方の大体6時頃で、木道に入れるのも夕方の6時まででした。木道を歩くことができる時間は、毎回こんな具合に入り口のところに記載してあります。

さて、満を持して高美湿地への木道へ! こんな感じの木道が結構長く続きます。開門した時点ではまだ砂浜が水の中に隠れていたのですが、ものすごい勢いで潮が引いていき、砂に波状の紋を描いていたのが印象的でした。自然の描くものってどうしてこう不自然なく美しいのか。

潮が引くに連れて、砂地に済む蟹や小魚が姿を現します。それを狙って鳥たちもやってきます。高美湿地は色々な種類の鳥たちがやってくる場所としても有名です。

木道をずんずん進んでいくと、やがて木道の端へとたどり着きます。ここから高美湿地に降り立つことができます。木道の端にたどりついた段階で水深がまだ膝ほどまであったので、木道の端っこのところで少し待ちました。

水がひいてから、いよいよ水の中へ! 木道から降りたのが大体5時頃で、まだちょっと水気は残っていたのですが、それでも素晴らしい風景でした。

何がすごいって、己の目の前にどこまでも広がる平らな鏡のような風景! どこまでも行けそうで、ついふらふらと先へ先へと歩いてしまいます。

靴は木道へ置いて、サンダルに履き替えて歩きまわりました。パンツは短めのものを履いていき、サンダルと足を拭く用のタオルを持っていくと便利ですよ。

4.高美湿地からちょっと足を伸ばしてみる


現地に行ってみたら満潮の時間帯で、木道へ入れるようになるまでまだ相当時間がある!!というような事態に陥ってしまった方は、そのまま309号バスの終点まで行ってみましょう。「梧棲觀光漁港」という市場に行くことができます。

この市場、海の近くというだけあって、海鮮類をたくさん販売しています。活きのいい魚もあれば、海産物を使用した小吃なんてのもあります。私がここで購入したのは、パック詰されたお刺身(100元)でした。お味は……まぁ、日本で食べれるならわざわざ買うこともないかなぁ(笑)。

本当は、蟹肉や牡蠣入りの餃子のようなものの情報も仕入れていて買いたかったのですが、月曜に訪れたためか、その日は屋台がお休みでした……楽しみにしてたので残念です。

309号バスほか、688号など複数のバスで高美湿地に戻ることができます。うっかり高美湿地を通らないバスに乗らないよう注意してくださいね。

高美湿地
公式HPはこちら

この記事を書いた人

ほず

ほずライター/日本語教師

神奈川生まれの神奈川県育ち。大学の頃から中国語が好きで、2017年とうとう台湾に移住しました。新北市にある大学の言語センターで1年間中国語を勉強したのち、台湾で日本語の教師として就職を果たしました。 趣味は旅行と登山と古い建物巡り。交通手段がないなら歩けばいいじゃない、をモットーに、苦行のように歩き続けるタイプの観光をよくしています。主な燃料はコーヒーとミントです。

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