「赤道」それは地球の中心。「赤道」それは天体の重心。「赤道」それは日本では感じることも意識することもない場所。
そんな「赤道」はここ南米エクアドルにも通っていた。そして、ここには……「偽物」と「本物」2つの「赤道」が存在するという。
赤道にはバスで行く
エクアドルとは思えないほど整備された、ものすごく広いバスターミナル。ここはOfelia(オフェリア)というバスターミナル。この大きなバスターミナルからバスに乗って「赤道」を目指します。
目印は「MITAD DEL MUNDO」という看板。その看板の下に「赤道」へ行くバスがくるのだそうです。本当に広いバスターミナルなので看板を見つけるのにもちょっと時間がかかりました。
周辺のエクアドルの人にカタコトのスペイン語で「これは赤道に行くバスですか?」と何度も聞いて確認し、ようやく乗り込みました。
日本のバスとは違い揺れ方が凄まじいです。なぜこんなに揺れるのかわからないのですが、とにかくお尻と道路の間が薄く感じるくらい揺れます。日本のノンステップバスと似たような感じです。
バスの料金係はなんと子連れのお母さん。しかも、その子はお母さんが働いているうしろの席でご飯を食べていました。
日本じゃ考えられない光景に最初は戸惑いましたが、考えてみれば子供を連れて働ける環境はなんとも微笑ましく羨ましい環境です。
「MITAD DEL MUNDO」に到着
「赤道」なのでもっと分かりやすい停車駅を想像していたのですが、他の停車場所と変わらない何もない場所でした。発音の良すぎる「MITAD DEL MUNDO」に気がつかず、降りるべきところで降りれずに乗り過ごすことに。
あの料金係の子供が気付いてくれたおかげで、次の停車場所で降りることができました。彼女が気付いてくれなかったら今頃どこに到着していたことやら。ありがとう。
周りにほとんどお店はなく、綺麗ではありますが閑散としたところを歩くこと10分。ようやくそれっぽいオブジェが見えてきました。
分かりますか? あの、球体が上に乗っているオブジェ。あれが「赤道」のオブジェです。入場料は1人6ドルでした。
これが「赤道」です。やはり「赤道」ともなるとこんなにも立派なオブジェが建設されるんですね。
でも、こんなにも豪華で巨大なオブジェにもかかわらずこちらは実は……「偽物の赤道」なんです。
「偽物の赤道」ではありますが外見に劣らず内部も結構しっかりとしていました。
オブジェの内部にはいろいろな先住民族の展示物やちょっとした実験ができるような場所があり、まるで小さな科学館に来ている気分です。
何よりもオブジェの上からの眺めは、遠くに見える山々が壮大すぎて最ッ高〜に気持ちが良かったです。
「本物の赤道」へ
「偽物の赤道」からを出て大通りを歩くこと徒歩5分。
こんな看板が立っていました。「Intiñan Museum 」。
人によっては見過ごしてしまうくらい主張の薄〜い看板です。左に150mと書いてありますね。
書かれたとおりに進んでいくと、閑散とした場所に手作り感満載の門が私たちを迎えてくれました。
誰もここが「本物の赤道」だなんて思わないでしょう。先ほどの「偽物の赤道」とはうって変わってこちらは全てが手作り。大丈夫でしょうか。
とにかくチケット売り場を探してウロウロしていたところ1人の男性が私たちに近づいてきました。その人はここのスタッフらしくチケットは1人4ドルだと言います。先ほどのものすごく手の込んだ「偽物の赤道」で6ドル。
手作り感しかないこちらの「本物の赤道」が4ドル。なんだかちょっとぼったくられた気分になりますが、こっちが「本物」ですからね。チケットというかレシートのよう……
チケット代を払って数分後、別の女性スタッフが私たちの元にやってきました。どうやらこの施設を案内してくれるようです。
かなーりラフな感じで先住民の暮らしについてお話ししてくれました。そして、ついに……
はい! こちらが「本物の赤道」です。
やはりさすがは本物。分かりづらい場所にあるにもかかわらず多くの人が訪れていました。
タマゴマスターにチャレンジ!
「本物の赤道」に案内された後、先ほどのガイドさんが赤道ならではのいろいろな実験を披露してくれます。
お水の渦巻き(南半球・北半球・赤道上)
知っていましたか? 南半球・北半球によってお水が流れる方向が違うことを。そして、赤道上ではお水は渦を巻かないということを。南半球と北半球で渦の巻き方が違うことは知っていましたが実際に見たことはありませんでした。
また、赤道上ではどちらにも巻くことをせずまっすぐに落ちるということも初めて知りました。赤道のラインを挟んで右と左に移動するだけでこんな風に渦の巻き方が変わるなんて本当に不思議です。
タマゴマスター
生卵って普通立ちませんよね? でも、赤道の上では立っちゃうんです。しかもボコボコの釘の上に。日本にいた時には生卵を立てようと思ったこともありませんが、是非やってみてください。
赤道上とはいえすんなり立つのかと思いきやけっこう集中力が必要でした。わたしたちはどちらも見事に立たすことができ「タマゴマスター」の称号をガイドさんより頂きました。
「本物の赤道」は個人経営
実は「本物の赤道」は個人で経営しているものなんだそうです。だからこんなに手作りな感じなんですね。ガイドさんから記念カードをもらって別れた後は自由に施設内を散策できます。
変な人形と記念撮影したり。
こんな風に「赤道」をジャンプしてみたりして……。
こんな簡単に北半球と南半球を行き来することなんてできないですからね! かなり自由にたっぷりと過ごさせて頂きました。
可愛い記念スタンプもあったのでパスポートに押しておきました。
帰りですが「本物の赤道博物館」と「偽物の赤道博物館」の間にバス停っぽいものがあるので、そこに来るバスに乗ればまたOfelia(オフェリア)まで戻れます。特に時刻表とかないのでご注意ください。